70 / 77
終章 人生の酸いも苦いも
変化を受け入れて 1
しおりを挟む
私はPCの画面を睨んで、さてこの注文はどう裁こうかと考えている。
50人分のお弁当の発注が入ったばかりで、同日に20人分が追加された。
「うーん……やっぱり茜さんにヘルプを頼むしかないか」
結城茜さんに手伝って欲しいと臨時バイトの電話をすると、いつも快諾してくれる。
そればかりか、最近は茜さんの料理教室に通う生徒さんまでもが手伝いに入ってくれるようになった。
「定食まなべ」が仕出し弁当屋にシフトしてからというもの、定食屋よりも数が見えない発注に毎日翻弄されるようになっている。
全く注文がない日もあるけれど、お父さんは仕事を辞めずに済んでいることがよっぽど嬉しいのか、いつも楽しそうだ。
そして、月の売上は前の定食屋の時よりも良い。法事などだけでなく、商店街関係の集まりや近所のサークルの会合などでも注文をもらえている。
定食屋だった時の縁が、そのまま注文になっていた。
配膳がないこともあって、常にバイトが要るというわけでもない。
ただ、目の前にお客さんがいた日々を思い出すと、あれはあれで幸せだったんだなと最近はよく思い出す。
お弁当では、どんな表情で食べてくれているのかが分からない。
お店を出て行くときに向けてもらえていた「ご馳走様」が聞けないというのはやっぱり寂しい。
私は発注関係の仕事を終えると隣のお店に向かう。
カウベルがカラランと鳴って、カウンターからこちらを見るいつものナツさん。この顔を家でもお店でも見るようになったのに、未だに私は毎回胸の奥が音を立てる。
「もう、発注関係は大丈夫そうですか?」
「はい。焙煎に入りますね」
ナツさんに焙煎機の使い方を教えてもらい、私は焙煎士になった。
お父さんのお店を手伝わなくてもよくなってから、ナツさんは私をバイトとして雇ってくれたのだ。
私がコーヒーを焙煎している間、ナツさんは焼き菓子を焼いたり店内の準備をする。
ナツさんはお菓子作りが上手くて、焼き菓子がコーヒーと一緒に注文されるようになっていた。
「そろそろ、2種目のブレンドコーヒーを作ろうと思うのですが」
「賛成です! 何にしましょう??」
私が焙煎機を動かしながら興奮気味に言うと、ナツさんは穏やかに笑う。
「今度こそ、リツブレンドにしましょう。商品名は別でも良いですが、利津さんが良いと思ったブレンドを商品化したいんですよ」
「私が……ブレンドを任されるってことですか??」
驚いてうまく反応ができない私に、ナツさんはマドレーヌをオーブンから取り出しながら続けた。
「利津さんは豆の特徴も種類も覚えてきましたし、そろそろ独断でブレンドを作ることもできるはずです」
「そんな……」
ナツさんがひとりではできなかったブレンドコーヒーの配合を、どうして私に任せてくれるんだろう。
「利津さんは、ブレンダーに向いています。それを、証明してみせてください」
「いや、でも……」
「利津さんが本当に美味しいと思うブレンドを作れば良いんですよ。コーヒーに正解はないと思って」
私はもう、自分で焙煎ができる。それに豆のことも分かるようになった。
「じゃあ、試作をしたら確認してくれますか?」
「僕では利津さんほど分かりませんが、それでも良ければ」
ナツさんに言われて、私の心は決まった。
作りたいブレンドコーヒーがある。その味を、頭の中でシミュレーションしてみた。
*
「へえ、利津がブレンドコーヒーをねえ」
「でも、利津さんって前のブレンドコーヒーの時も配合を決めたんじゃないんですか?」
最近客としてよくお店に来る祥太と真樹さん。
2人は今、この町で一緒に暮らしている。
私とナツさんは同居だけど、祥太と真樹さんは同棲だ。
「今お店で出しているブレンドは、あくまでもナツさんが配合を決めたものに私が感想を言っていただけ。今回は配合も焙煎もやるから緊張するの」
「ふうん、よく分かんないけど。やってみたらいいんじゃないの?」
祥太は私の緊張などまるで関心が無いように、平気でそういうことを言う。
お店のセンスが問われるから、ブレンドコーヒーってそれだけ大事なのに。
「今のブレンドコーヒーは僕が配合したと言っても、利津さんのアドバイスが明確過ぎたからできたようなものですけどね」
ナツさんがカウンターでコーヒーを淹れながら言う。
「でも、最初から最後までやるってプレッシャーですよ」
私がそう返すと、祥太は「頑張れ」と歯を見せて笑った。真樹さんも笑顔だ。
祥太と真樹さんはいつだって穏やかに、そしてとても仲良さげに私たちと会話をする。
真樹さんは私と祥太が幼馴染だという事実に特に嫉妬することもなく、普通に受け入れてくれていた。
祥太に必要だったのは、この町にある当たり前の光景をそのまま受け入れてくれるパートナーだったんだろう。
真樹さんと一緒にいる姿を見ているうち、そんなことが分かった。
美容師をしながら繕うことが重要だと言った祥太が、今は自分を繕わずに過ごせる真樹さんと暮らしている。
祥太はいつも派手な髪色だし真樹さんはモデルさんみたいで、2人は見た目に華やかで目を惹くカップルだった。
だけどこうしてお店にいる時はどこにでもいる普通の男女で、そんな2人がいると私はいつも安心する。
祥太が本当に幸せそうで、私も嬉しい。
いつか祥太は自分の夢に「可愛い奥さん」の存在を話していたけれど、真樹さんと結婚したらその夢が叶うことになる。
真樹さんは綺麗だけどどこかあどけなさがあって可愛い人だった。
私だけでなく、この商店街のみんなも同じように祥太の真剣交際を見守っている。
私は真樹さんにも家族のような感覚を持ち始めていて、祥太と真樹さんが別れることにでもなったら寂しくて泣いてしまう自信がある。
幼馴染の恋人にこんなに感情移入したのは初めてだけど、家族ってやっぱりこんな感じなんだろう。
今日も仕事休みを合わせた祥太と真樹さんが、遅く起きた時間をこのお店で過ごしている。なんでもない時間を当たり前のように過ごす2人を見ていると、どうしてなのか時々涙が出そうになった。
私にとって、2人はかけがえのない存在だとつくづく思い知らされている。
お願いだから、真樹さんに振られないように頑張ってよね、祥太。
50人分のお弁当の発注が入ったばかりで、同日に20人分が追加された。
「うーん……やっぱり茜さんにヘルプを頼むしかないか」
結城茜さんに手伝って欲しいと臨時バイトの電話をすると、いつも快諾してくれる。
そればかりか、最近は茜さんの料理教室に通う生徒さんまでもが手伝いに入ってくれるようになった。
「定食まなべ」が仕出し弁当屋にシフトしてからというもの、定食屋よりも数が見えない発注に毎日翻弄されるようになっている。
全く注文がない日もあるけれど、お父さんは仕事を辞めずに済んでいることがよっぽど嬉しいのか、いつも楽しそうだ。
そして、月の売上は前の定食屋の時よりも良い。法事などだけでなく、商店街関係の集まりや近所のサークルの会合などでも注文をもらえている。
定食屋だった時の縁が、そのまま注文になっていた。
配膳がないこともあって、常にバイトが要るというわけでもない。
ただ、目の前にお客さんがいた日々を思い出すと、あれはあれで幸せだったんだなと最近はよく思い出す。
お弁当では、どんな表情で食べてくれているのかが分からない。
お店を出て行くときに向けてもらえていた「ご馳走様」が聞けないというのはやっぱり寂しい。
私は発注関係の仕事を終えると隣のお店に向かう。
カウベルがカラランと鳴って、カウンターからこちらを見るいつものナツさん。この顔を家でもお店でも見るようになったのに、未だに私は毎回胸の奥が音を立てる。
「もう、発注関係は大丈夫そうですか?」
「はい。焙煎に入りますね」
ナツさんに焙煎機の使い方を教えてもらい、私は焙煎士になった。
お父さんのお店を手伝わなくてもよくなってから、ナツさんは私をバイトとして雇ってくれたのだ。
私がコーヒーを焙煎している間、ナツさんは焼き菓子を焼いたり店内の準備をする。
ナツさんはお菓子作りが上手くて、焼き菓子がコーヒーと一緒に注文されるようになっていた。
「そろそろ、2種目のブレンドコーヒーを作ろうと思うのですが」
「賛成です! 何にしましょう??」
私が焙煎機を動かしながら興奮気味に言うと、ナツさんは穏やかに笑う。
「今度こそ、リツブレンドにしましょう。商品名は別でも良いですが、利津さんが良いと思ったブレンドを商品化したいんですよ」
「私が……ブレンドを任されるってことですか??」
驚いてうまく反応ができない私に、ナツさんはマドレーヌをオーブンから取り出しながら続けた。
「利津さんは豆の特徴も種類も覚えてきましたし、そろそろ独断でブレンドを作ることもできるはずです」
「そんな……」
ナツさんがひとりではできなかったブレンドコーヒーの配合を、どうして私に任せてくれるんだろう。
「利津さんは、ブレンダーに向いています。それを、証明してみせてください」
「いや、でも……」
「利津さんが本当に美味しいと思うブレンドを作れば良いんですよ。コーヒーに正解はないと思って」
私はもう、自分で焙煎ができる。それに豆のことも分かるようになった。
「じゃあ、試作をしたら確認してくれますか?」
「僕では利津さんほど分かりませんが、それでも良ければ」
ナツさんに言われて、私の心は決まった。
作りたいブレンドコーヒーがある。その味を、頭の中でシミュレーションしてみた。
*
「へえ、利津がブレンドコーヒーをねえ」
「でも、利津さんって前のブレンドコーヒーの時も配合を決めたんじゃないんですか?」
最近客としてよくお店に来る祥太と真樹さん。
2人は今、この町で一緒に暮らしている。
私とナツさんは同居だけど、祥太と真樹さんは同棲だ。
「今お店で出しているブレンドは、あくまでもナツさんが配合を決めたものに私が感想を言っていただけ。今回は配合も焙煎もやるから緊張するの」
「ふうん、よく分かんないけど。やってみたらいいんじゃないの?」
祥太は私の緊張などまるで関心が無いように、平気でそういうことを言う。
お店のセンスが問われるから、ブレンドコーヒーってそれだけ大事なのに。
「今のブレンドコーヒーは僕が配合したと言っても、利津さんのアドバイスが明確過ぎたからできたようなものですけどね」
ナツさんがカウンターでコーヒーを淹れながら言う。
「でも、最初から最後までやるってプレッシャーですよ」
私がそう返すと、祥太は「頑張れ」と歯を見せて笑った。真樹さんも笑顔だ。
祥太と真樹さんはいつだって穏やかに、そしてとても仲良さげに私たちと会話をする。
真樹さんは私と祥太が幼馴染だという事実に特に嫉妬することもなく、普通に受け入れてくれていた。
祥太に必要だったのは、この町にある当たり前の光景をそのまま受け入れてくれるパートナーだったんだろう。
真樹さんと一緒にいる姿を見ているうち、そんなことが分かった。
美容師をしながら繕うことが重要だと言った祥太が、今は自分を繕わずに過ごせる真樹さんと暮らしている。
祥太はいつも派手な髪色だし真樹さんはモデルさんみたいで、2人は見た目に華やかで目を惹くカップルだった。
だけどこうしてお店にいる時はどこにでもいる普通の男女で、そんな2人がいると私はいつも安心する。
祥太が本当に幸せそうで、私も嬉しい。
いつか祥太は自分の夢に「可愛い奥さん」の存在を話していたけれど、真樹さんと結婚したらその夢が叶うことになる。
真樹さんは綺麗だけどどこかあどけなさがあって可愛い人だった。
私だけでなく、この商店街のみんなも同じように祥太の真剣交際を見守っている。
私は真樹さんにも家族のような感覚を持ち始めていて、祥太と真樹さんが別れることにでもなったら寂しくて泣いてしまう自信がある。
幼馴染の恋人にこんなに感情移入したのは初めてだけど、家族ってやっぱりこんな感じなんだろう。
今日も仕事休みを合わせた祥太と真樹さんが、遅く起きた時間をこのお店で過ごしている。なんでもない時間を当たり前のように過ごす2人を見ていると、どうしてなのか時々涙が出そうになった。
私にとって、2人はかけがえのない存在だとつくづく思い知らされている。
お願いだから、真樹さんに振られないように頑張ってよね、祥太。
0
あなたにおすすめの小説
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる