おっさん鍛冶屋の異世界探検記

リターンズ

0前作からの経緯ダイジェスト？

会社の昼休みに弁当を買いに行きながら近くの公園で新作オンラインゲームのログイン中に居眠り運転のトラックが奇跡の様な運転で公園の入り口を抜け、一直線に狙った様なハンドルさばきで背後から突っ込んできていた。
周りが騒がしくなり気づいた時には既に回避不可能な距離まで来ていて、激しい衝突の末、痛みを感じる暇もなく意識を失うのだった。

「ここはどこだ？」

「俺はどおしてここに？」

何となくトラックに轢かれたのは記憶があるが他の記憶がボヤけていてはっきりしないが見たこともない天井見たこともない部屋見たこともない体…
鏡を見ても見たこともない顔…
暫くパニックを起こして騒いでいると近所の人が心配になり面倒を見てくれた。

どうやら俺はここの鍛冶屋のゼットと言うらしい。話を聞いてる限りではゲームの中のキャラクターの中に精神が入ってしまった様で、なぜか知識は無いはずなのに体が勝手に動いてしまい、この世界の標準的な武器が作れてしまった。
そこからトントン拍子に鍛冶屋としての実力を発揮していき、そこに現代科学の思想を取り入れ、とんでもない性能の武器が出来ていき、新アイテムや新武器がイベント攻略の重要アイテムとなり、多大な影響を残していった。

そんな中一通の手紙が届いた。
それは冥界なる場所への招待状だった
『摂理外にいるものよ時期が来たら冥界に来い』
と単純に書かれていたが今現在は直接は進めなかった。そこで各種設定されたイベントを攻略して新エリア解放を待ち、その都度NPCやプレイヤーの知り合いを増やしながら、死にそうな大怪我や仲間を失いそうになる危機を乗り越えて冥界までたどり着いた。

だがたどり着いたところで強力なモンスターの集団に囲まれて絶体絶命のピンチを迎える中、痛恨の一撃を受け冥界に繋がる穴に落ちてしまった。

その穴の中では冥界の神が現れ、現在の本当の体を見せられた。
そこには四肢が欠損しているのか不自然な長さで巻かれている包帯と様々な管に繋がれている今まで見慣れていたであろう懐かしい顔があった。
これはどう見ても無理やり延命させられているのが見て取れた。
この為冥界の神はまだこの体とも精神が繋がったままだからどちらかの体を選べと言ってきた。
本物の体に戻りたいと思う一方でこの体では何もできないで生かされるだけ…それなら例えゲームの世界でも五体満足で動ける方が良いと、それに仲良くなった女の子を捨てる事が出来ず、ゲームの世界を選ぶ方に気持ちが傾いた。

本物の体の世界では既に肉親もいない事から余計に心置きなく選んでいたがそれでも過去の思い出ごと捨て去る事になりそうで、寂しさを感じていた。

ゲームの世界を選び激戦中のみんなの元に戻る事ができ再開を喜び合うのだが、記憶が有ったのはそこまでだった。

システムの一部として取り込まれるメンテナンスが入ってその間は休眠状態になっていた様で、冥界からいつ戻ったかも知らずに過疎な村にいた。仲良くなった女の子達は故郷の騒乱で戻ってしまい、一人寂しく自律ＡＩゼットとして、再出発を果たすのだった。