おっさん鍛冶屋の異世界探検記

モッチー

文字の大きさ
80 / 94
リターンズ

4穴掘り

しおりを挟む
ガン!ガン!ガン!
ゴロゴロ!

「クソ~!ここはハズレ坑道か?さっきからろくなの出ねえな」

時間も忘れ籠もること数日?すでに暗闇の中、日にちの概念も無く掘り続けているが目当ての鉱石が1種類予定量に足りず、坑道を変えてみたが欲しいものだけが出てこなかった。その為他の物が規定の倍たまってしまい持ち帰るには少々不可能な量になってしまった。

仕方なくここで一旦諦めて貯まった鉱石を種類別に仕分け外に運び出し、近くの林から取った木を沢山並べ酸素が入らない様にして簡単な竃を作り火を入れ炎が起きないように蒸し焼きにして、炭を作った。

その炭を作っている間に近くの土から良質な土が見つかったので大量にレンガを作成し、乾燥待ちで乾いたものから順に貼り合わせ簡易的な炉を作りレンガによる耐熱処理された全長1m程の小型炉が完成した。
ここに出来上がった炭を入れ、加熱し、鉱石を系統別に入れていき、溶け出た金属を集め成形し、不純物を除去して金属の延棒を作り出していった。
これにより余計な部分や不純物の分がなくなり荷物の容量が開いたことでもう一度坑道に潜り、足りない一種類の為に先ほどとは違う場所に潜っていった。
だが予定していたそこには先客がいて掘っているのだが、余りにも素人丸出しな掘り方にどうにも見ていられない。
オイオイそんなに腰引けてたら力入らねえぞ!
握りが甘いから狙ったところにもふり下ろせてすらいないじゃ無いか!
ちょっと待てその鉱石をなぜ捨てる!?それは俺が欲しいものじゃ無いか!!
わー!?待てそこに衝撃与えたら崩れるぞ!

ガン!ボキッ!

甘々な狙いと屁っ放り腰が幸いして坑道が崩れる一撃になる前にボロボロだったツルハシが先に壊れてしまった。
それを見てしまったら我慢できずに壊れたツルハシを手に取り若者に怒鳴っていた。

「馬鹿野郎!そんな屁っ放り腰でやってっから道具壊すんだ!ほらこれ持て!いいから早くしろ!」

急に怒鳴られてビビっている若者は訳も分からず言われた通りツルハシを持って構えた。

「腰が引けてる背筋伸ばせ!手だけでやってっから疲れんだ!棒立ちになるな!膝使え!体から離れて上げようとするから重いんだ手前に寄せろ!」

若者は始め反抗的だったが体の使い方が分かってきて面白くなってきたのか言われたこと以外に独自に考えて動き始めていた。

「そうだ!よく気付いたそれでいいんだ!忘れないうちに繰り返して体に覚えさせろ!」

若者は無駄な動きが減り状態も安定し手だけで振るっていた動きは全身運動でより大きな筋肉を使っての動きに変わり一撃の威力も上がり、先程までの効率とはかけ離れた別人の様に振りまくっていた。

「その右の出っ張りは叩くなよ!坑道が崩れるからな!その左に色が違うのわかるか?そこ掘れば鉱石出てくるぞ」

素直に聞き入れる若者に気分良くなりあれこれと穴掘りのノウハウの指導となったが残念ながら若者が欲しがっていた鉱石はこの坑道からは出てこなかった。しかしそれは先程の坑道で大量に出て全てインゴットに変換済みである。それに欲しかったものは若者が掘り出してくれていた。

「オイ!お前が掘ったこれをよこせ。代わりにこれをくれてやる」

合金用の添加剤になる鉱石の代わりに欲しがっていた硬重鋼をくれてやった。
だがそんな物を何に使うのか?
疑問に思って聞いてみるとなんとも酷いもんだ。
何やら量産剣で物足りないしすぐ折れるから硬重鋼で硬い剣作れば持つだろうって安易に思いついたんだと…

「馬鹿野郎!お前のガタイでそいつで剣なんて作ったら振りまわせるわけ無いだろう!しかも振りまわせるサイズに抑えたら逆に脆くなっちまう!そもそも剣というのはな硬く強いだけでは折れちまうんだそこに柔らかさというか粘りだな。それが無いとお前の求めるものはできやしないんだ。それに硬重鋼なんて物を使うのはそれこそ斧とか大剣とかそれ自体が重さを必要とする質量兵器が使うものだ」

若者は俺の説教でショックを受けたのか俯いてしまったが何かに気付いたのかバッと顔を上げて詰め寄ってきたが坑道の奥で話をするのもいい加減飽きたから外に出るのを提案しすでに日が落ちていたのだが精錬炉のところに連れ出した。
話をする前に取ってきた鉱石の精製の準備をして、炉の熱で沸かした湯でその辺の野草を使った茶を入れ腰掛けた。

ところが若者は俺が武器作りに精通してると見越していきなり土下座をしてきて、自分に向く武器を選んでくれと懇願されてしまった。

さてどうしよう?
こいつの気概は気に入ってるが武器選び?そんな事した事無いからな。さてどおすっか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

私のアレに値が付いた!?

ネコヅキ
ファンタジー
 もしも、金のタマゴを産み落としたなら――  鮎沢佳奈は二十歳の大学生。ある日突然死んでしまった彼女は、神様の代行者を名乗る青年に異世界へと転生。という形で異世界への移住を提案され、移住を快諾した佳奈は喫茶店の看板娘である人物に助けてもらって新たな生活を始めた。  しかしその一週間後。借りたアパートの一室で、白磁の器を揺るがす事件が勃発する。振り返って見てみれば器の中で灰色の物体が鎮座し、その物体の正体を知るべく質屋に持ち込んだ事から彼女の順風満帆の歯車が狂い始める。  自身を金のタマゴを産むガチョウになぞらえ、絶対に知られてはならない秘密を一人抱え込む佳奈の運命はいかに―― ・産むのはタマゴではありません! お食事中の方はご注意下さいませ。 ・小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 ・小説家になろう様にて三十七万PVを突破。

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...