おっさん鍛冶屋の異世界探検記

モッチー

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12到着漆黒の谷

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「ね~テオさんこの辺りはこんなモンスターしかいないの?」
さっきから 大蛇 蝙蝠 とあまり好きじゃ無いものばかりなんですけど

「仕方ないだろ。もともと闇の深い部分を好む奴らが集まるとこなんだよ」
「昆虫種が出て来るよりはまだ楽さ」

「ちなみにどんなのが?」
「大蜘蛛 大百足 蜚梃とかか?」
最後なんておっしゃいました?ゴキブリとおっしゃいました?
あの高機動でありながら空も飛び装甲もしっかりしていてしっかりトドメを刺さないとまた復活してくるアレですか?

アレ出てきて女性ばかりのチームは大変そうだな…
うちも蛇でダメな人居るから気を付けないと…
それにしても竜も蛇も似たようなものの気はするけど何がダメなんだろう?

「もうすぐ谷だよ。だんだん深いとこに入ってくよ」
「じゃ~谷の手前で休憩しよう。」
「マスター、モンスターの情報確認しますか?」
「頼む」

大蜘蛛 糸を使って拘束、毒の牙により獲物を弱らせ捕食します。
大百足 変則機動で近寄り、強力な顎でなんでも?筋み砕きます。装甲も硬いです。
ゴキブリ これといって攻撃手段は持ちませんが様々な菌で弱らせ捕食されます。
大蛇 巻きつき攻撃で全身の骨を折り丸呑み。麻痺の牙も持っている。
蝙蝠 超音波で混乱させ体液を吸う。

こうなるとこのチームでは決定力が足りないか…
なんとか平均的に攻撃力を上げたいが何かないかな?

武器ができるまではフェアリーズとフェルに頑張ってもらうか
昆虫種なら炎があるし、蝙蝠なら風でいけるだろう。蛇も火を嫌うだろうし…なんとかなるか

ヒェ~
蜘蛛の糸が強力過ぎて切れない。
この百足、頭潰しても体が暴れまわって手に負えない。
火で燃やされてるのに飛んでくるよこのゴキブリ
蛇も上から降ってきていきなり巻きつかれる。
蝙蝠も攻撃当たる前に避けてくれる

さすがにみんなチョットトラウマになってそうだな。
あまり戦いたくないんだろうね。
なるべく逃げでダークエルフの村目指すか。

それからはなるべくこっそり隠れてやり過ごしてました。
ところが偵察役のクーが「前からゴキブリが集団できます。」
横にずれて躱そうとすると「こっちには百足じゃの~」
一旦下がろうとすると「後ろに蜘蛛きてるよ」

囲まれてしまいました。
「絶体絶命のピンチ」かと思いましたがここで出来る女?フェルが、妖精の力を結集して地面にトンネルを掘り、離れた場所に避難できました。
その後は見るもおぞましい光景が広がっていました。
蜘蛛と百足がゴキブリを捕食して、食べるのに夢中になってる個体を蛇や蝙蝠が襲って、反撃を受けたり傷ついた個体にはゴキブリが集団で貪ってと…ここの場所は食物連鎖が循環することで成り立ってるようだ。

これは無理に戦わずに動いた方が良さそうだな…
益虫と言う言葉が有ったがこういう事を言うんだろうな。害虫を食べる虫か…
おや?決着ついたみたいだな。最後はゴキブリがお掃除してるみたいだな
何気にアイテム落ちてないか?
共食いバトルでアイテム落ちるんだな。何に使うかわからないけどとりあえず拾っとくか。

蜘蛛の糸、百足の顎、蝙蝠の翼膜、蛇の皮、蜚?梃の触角
使い道あるのかな?持つだけ持っておこう。

その日の夜営
「テオこの辺はいつもこんなにモンスター出るの?」
「あたいもこんなに出るのは初めてだね。」
「後どのくらいで村に着くかな?」
「モンスター次第だな普通なら半日で済むけど、今日みたいなら2日かかるかもな」
確かにそうだよな。逃げてばかりじゃなかなか進まないし、1時間とか普通に足止め食らってるしな。

明日は強行軍で行こう。

翌朝
ドーン。強行軍とは言ったけどなかなか進まないし炸裂玉もだいぶ減ってきた。
後どのくらいなんだ?
ちくしょ~また来た~
進路塞ぎやがって…
ヒュンヒュンヒュン。へ?矢が飛んできたどっから?あっダークエルフの皆さんに囲まれて弓向けられてる…
「よう!久しぶりみんな元気だったか?」
「なんだテオの連れか?」「また俺とやりたくなって帰ってきたのか?」「そっちの可愛い子紹介してくれよテオ」
あの~ダークエルフの皆さんいろんな意味で開放的なんですね…
「親父に用があって来たんだよ」
「そいつを婿にする気か?」「そんなに凄い物持ってるようには見えんぞ」「テクニックが凄いのか?」
ん~良い意味で包み隠さずってとこですかね~

そんな話で盛り上がり?ながら村に到着しました。
宿で休みたかったがそのまま族長の家に連れて行かれてしまった。

族長の家に着くなり
族長「テオ。男を連れてくるなんて300年ぶりか?そんなに凄い快楽を与えてくれるのか?」「それとも物足りなく女に走ったか?」
ガハハと豪快に笑っております。
テオ「まだ私のものではない。この女子達とこの男を争奪戦してるとこだ」
長「この男強そうには見えんぞ?」
えーそうですとも俺は強くないですとも。
テオさんスッと弓を出します。族長受け取り見るなり「ほー」と一声出した後じっくり見ています。

テ「奪い合うにもあたいだけ武器を貰っててはハンディ付けられてるみたいだから、みんなの分作らせるのに連れてきた。」
長「こいつを見る限り腕は確かなようだな。それでどーすんだ?」
テ「上質の鉱石が必要だってから鉱山に入らせたいんだ。」
長「黒龍のじーさんに合わせるのか?」
?何?何?黒龍って誰?
長「お前がその覚悟なら構わんが…」
テ「じゃ~明日鉱山に行くな」
そう言って族長のところを後にして屋敷の中の空いていた部屋を借りることになったのだった。

俺「テオ。黒龍のじーさんって誰?」
テ「ん?いいじゃんそんなの明日会えばわかるよ」
俺「いや。何か取引があるのだろう。お前が話さないなら俺はいかない」
しばしの沈黙。

テオは諦めたように話し始めた。
黒龍はそのまんまダークドラゴンだった。そしてテオは黒龍の嫁に来いと言われていたらしい。
そこでテオは連れてきた男が黒龍も認められるほどなら諦めると契約し期限も後1年に迫っていた。
これほどの弓を作れるなら黒龍も認めてくれるだろうと打算があって連れてきたが、ダメであれば自分を犠牲にして採掘許可をもらえるように交渉するつもりでいたらしい。

俺はおもむろに懐からスリッパを取り出しテオを思いっきり引っ叩いた。「スパーン」
そしてそれをクーニャに渡す。「スパーン」次にフェル「スパーン」フェアリーズも順番に叩き最後にリンドウ「スパーン」
「明日はいかないそこ以外で鉱石が取れるところを案内しろ」
「しかしそれじゃ」「最低限戦って勝てる装備にしないといけないだろ」
泣き顔になりそうだったテオの顔はみるみる輝いていった。
加工できる場所の確保と生地を作れる人の紹介も頼みアイテム収集のためのモンスター狩りをした。

数日、村で過ごし俺は工房に篭りっきり女性陣はナンパされまくるから部屋に篭ったまま。
そしていよいよ薙刀に仮の刃を入れた。
俺もハンマー用に特殊なアイテムを作り、テオ用に二枚板バネボウガンと綱鞭剣
チョット生地は材料が足りず間に合わなかった。

いよいよ鉱山に向かった。
特にモンスターに会うこともなく洞窟の中へと潜っていった。
程なくして巨大な空間が現れその中央にそれはいた。
黒く闇に同化していたがそこには鈍く輝く物があった。

それはおもむろに細長いものが動き2つの赤いものが光った。
そして語りかけてきた。
黒龍「なんじゃテオかやっと嫁に来る気になったか。はよその豊満な身体を味合わせろ。」
あれ?ドラゴンってもうチョットこうなんというか…
黒龍「おや?そなたは青龍の嫁じゃったかな?惜しいやつをなくしたの~身体が寂しかろう相手になるぞ。」
軽、このおっさんどっかの飲み屋に行ったノリか?
リンドウ「わらわは敵討のための武器を作りに来たのじゃ。ここにいい材料があると聞いての。ジー様も心が若いの~」
黒龍「お前もなかなか円熟な魅力を醸し出してるではないか。新しい男は要らんのか?」
リ「新しい男はここにもうおる」
黒「ほぉ~」凄い殺気が押し寄せてくる。
テオ「そだよあたいと取り合ってるんだから。」
あっ火に油注いだ…
黒「なんじゃ。わしはその虫ケラ潰せばいいだけじゃないか」
リ「わらわのヌシ殿を潰せると御思いとは耄碌したの~」
テ「あたいもあるじ殿に武器を作ってもらってんだ。そう簡単にはやらせないよ」
クーニャ「もちろんわたしはご主人様の護衛ですから」
フェル「わたくし達のマスターですからお手伝いするのは当たり前です」

黒「こやつに力が有るようには見えんがワシが勝ったら、おぬしら全員嫁に来るなら考えよう」
リ「勝つ気でいるとは片腹痛いの~」
テ「元はあたいの事だ自分で運命切り拓いてやる」
ク「わたしはご主人様の護衛ですからわたしを倒さないとご主人様は倒せませんよ」
フ「わたくしはマスターの所有物ですから」
えっと~なんか勝手に話し進んでません?話し合いで解決という方法を知らないのかな~
黒「その心意気、気に入ったでは、はじめようかの」

リンドウさんが1番前にその右後ろに俺俺の後ろにクーとフェルが待機してテオがリンドウさんの後ろで構えた。

黒龍は四肢で大地を掴みゆっくりと身体を起こし頸をこちらに向け口を大きく開くのであった。


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綱鞭剣 インドのウルミ参考にしました。
4枚板バネボウガン 二本の弦で一本の矢を射る感じのイメージです
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