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18話 ギゼフ様との会話 その2

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「サリシャスの絵についてのお話でしょうか?」


 キース様に詰め寄られ、ギゼフ様は観念したように口を開いた。私が追求していたとしたら、どうなっていたか分からない。いえ、彼のことだから、シラを切り通そうとするだろう。

「その通りだ、ギゼフ殿。調査は既に済んでいることを先に明確にしておこうか」

「ちょ、調査でございますか……?」

「ああ、貴殿がどのようなルートでサリシャスの絵を集めているのか……それについての調査だよ」

「そ、そんなことをされていたのですか……!?」

「まあな、流石にギゼフ殿でも今回の調査については気付いていなかったか」


 ギゼフ様は相当に焦っているようだった。その態度は明らかに後ろめたいことがある証拠にもなっている。

「シェイナ様、キース王子殿下。ギゼフ様の心拍数が2倍くらいに上昇しております」

「そ、そうか……うん、ありがとう」

「どうしてライズはそういうことが分かるのよ……」

「うふふ、なぜでございましょうね」


 ライズのこの言葉はギゼフ様への牽制みたいなものだ。それとも煽りか何かだろうか。ギゼフ様はさらに汗だくになっている。

「ギゼフ殿、サリシャスの絵を他の貴族から買う分については特に私から言うことはない。絵の売買自体は自然のことであるし、その自由を奪うことは出来ないからな。しかし、問題は強引に奪った絵が大半なことだ」

「ご、強引に奪うなど滅相もない……全て話し合いの末に譲り受けただけですよ……」

「まあ、そういう言い訳が来ることは想定していた。だからこそ、私の方も入念に調査したのだ。貴殿は自分より家格の低い貴族達に脅しを掛けて絵を奪って行ったことは裏が取れている」

「まさか、裏が取れるはずは……!」


 ギゼフ様は口調が徐々に荒くなっていた。どんどん精神が追い詰められているのかしらね。ライズの方に目をやると、怪しげな笑みを彼に放っている。あれなに? 怖いかも……。


「失礼ながら申し上げます。ギゼフ・ランバル侯爵はこれ以上話さない方が良いかと思います」

「な、なんだと……!?」


 ライズのいきなりの発言にギゼフ様は呆気に取られているようだった。このメンバーの中でここまでハッキリ発言するなんて、一般のメイドでは考えられないことだ。キース様も驚いているようだった。
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