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15話 綻びが生じる その2
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パメラ屋を始めてから早いもので1カ月以上が経過していた。本日もアルバート様が素材を届けてくれている。
「本日の分は以上になるかな」
「ありがとうございます、アルバート王子殿下。とても助かります」
「いやいや、気にすることはないよ。大分売り上げも上がっているそうじゃないか」
「そうですね、おかげ様で」
大回復薬なども売ることができるようになっている。商品が増えたことで、それだけお客さんの幅も増えているということだ。カインツさんを中心として一般のお客さんも増えてきている。
「しかし……傍から見ているだけでも分かるよ。随分頑張っているじゃないか」
「姉に助けてもらっているからです。私一人では出来なかったと思いますよ」
姉さんがいなかったら最初の方は特に無理だったと思う。最近は一人でもなんとかなって来ているけれど、まだまだだ。姉さんは現在、不在だった。
「ふむ……頑張るのはいいが休みはちゃんと取れているか? 身体は資本だろう?」
「休みは……あはは、あんまり取れてないかもしれないです」
連続で店を開けることも多いから休みは取れているとは言えないかもしれないわね……う~ん。パメラ屋を営むことは楽しいからいいんだけど。
「それはいけないな。しっかりと休憩はした方がいいだろう」
「は、はい。アルバート王子殿下」
アルバート様に心配されてしまった。これは申し訳ない……。
「まあ、そのなんだ……アリッサ嬢さえ良ければ……」
「アルバ―ト様? 如何なさいましたか?」
「いや……まあその。今度……食事にでも行かないか?」
「ええっ、アルバート様とですか……!?」
「いや、やはり無理か……?」
「い、いえ……そんなことはありませんが。よ、よろしいのですか……?」
なんだかとんでもない誘いを受けているような気がした。まさか王子殿下と食事なんて。これはデートというやつじゃないかしら? いや、まさか……。
「デートと言えば聞こえはいいかもしれないが……まあそういうことだ」
……デートだった。
「そ、そうでしたか……はい。私でよければ……」
「よ、よし。それなら決まりだな」
「は、はい」
王子殿下とのデートが一気に決まってしまった……まさかこんなことが。
「日にちはまた相談しようか」
「そうですね、はい。アルバート様」
アルバート様も照れているのか、まともに顔を合わせてくれない。私も顔が赤くなってしまう。
「ああ、そうだ。トトメスのことなんだが……」
「はい? トトメス様ですか?」
王子殿下なりの照れ隠しなのか……話題が急に変わったわね。
「薬の大量生産体制をこの1カ月で進めているらしくてな。しかし、クレームも多く上がっているらしいんだ。何か不測の事態が起きているのかもしれないな」
「クレームですか……」
クレームって一体なにを起こしたのかしら? 大量生産体制が確立したら、てっきりパメラ屋は閑古鳥になると思っていたのだけれど。実際はお客さんの数が増えている。向こうで何かあったのは間違いなさそうね……。
「本日の分は以上になるかな」
「ありがとうございます、アルバート王子殿下。とても助かります」
「いやいや、気にすることはないよ。大分売り上げも上がっているそうじゃないか」
「そうですね、おかげ様で」
大回復薬なども売ることができるようになっている。商品が増えたことで、それだけお客さんの幅も増えているということだ。カインツさんを中心として一般のお客さんも増えてきている。
「しかし……傍から見ているだけでも分かるよ。随分頑張っているじゃないか」
「姉に助けてもらっているからです。私一人では出来なかったと思いますよ」
姉さんがいなかったら最初の方は特に無理だったと思う。最近は一人でもなんとかなって来ているけれど、まだまだだ。姉さんは現在、不在だった。
「ふむ……頑張るのはいいが休みはちゃんと取れているか? 身体は資本だろう?」
「休みは……あはは、あんまり取れてないかもしれないです」
連続で店を開けることも多いから休みは取れているとは言えないかもしれないわね……う~ん。パメラ屋を営むことは楽しいからいいんだけど。
「それはいけないな。しっかりと休憩はした方がいいだろう」
「は、はい。アルバート王子殿下」
アルバート様に心配されてしまった。これは申し訳ない……。
「まあ、そのなんだ……アリッサ嬢さえ良ければ……」
「アルバ―ト様? 如何なさいましたか?」
「いや……まあその。今度……食事にでも行かないか?」
「ええっ、アルバート様とですか……!?」
「いや、やはり無理か……?」
「い、いえ……そんなことはありませんが。よ、よろしいのですか……?」
なんだかとんでもない誘いを受けているような気がした。まさか王子殿下と食事なんて。これはデートというやつじゃないかしら? いや、まさか……。
「デートと言えば聞こえはいいかもしれないが……まあそういうことだ」
……デートだった。
「そ、そうでしたか……はい。私でよければ……」
「よ、よし。それなら決まりだな」
「は、はい」
王子殿下とのデートが一気に決まってしまった……まさかこんなことが。
「日にちはまた相談しようか」
「そうですね、はい。アルバート様」
アルバート様も照れているのか、まともに顔を合わせてくれない。私も顔が赤くなってしまう。
「ああ、そうだ。トトメスのことなんだが……」
「はい? トトメス様ですか?」
王子殿下なりの照れ隠しなのか……話題が急に変わったわね。
「薬の大量生産体制をこの1カ月で進めているらしくてな。しかし、クレームも多く上がっているらしいんだ。何か不測の事態が起きているのかもしれないな」
「クレームですか……」
クレームって一体なにを起こしたのかしら? 大量生産体制が確立したら、てっきりパメラ屋は閑古鳥になると思っていたのだけれど。実際はお客さんの数が増えている。向こうで何かあったのは間違いなさそうね……。
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