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14話 綻びが生じる その1
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(トトメス視点)
「一体、どうなっているんだ?」
「これはトトメス様……」
私はその日の内に工場の現場監督のところへ足を延ばした。クレームが発生しているのは看過できないからだ。
「クレームが発生しているそうだな。どういった内容なんだ?」
「それが……回復薬などの薬の効力が出ないとか風邪薬も効かないというクレームです」
工場長のイワードは焦っている様子だった。おそらく本人も何が起きているのか分かっていないのだろう。この男は大量生産体制の現場責任者でもある。大量の薬を作る人間達の監督を行っているのだ。
「サーチでの検品をほとんどしなかったことが仇になったと思われます」
「馬鹿な……そんなことがあるはずがない」
確かにサーチでの検品はほとんど行っていないが。あれはコストがかかる上に単純に難しいからな。アリッサの調合技術を盗めたのだから大丈夫だと判断したのだ。それが仇になったというのか?
「アリッサ・マクレガーの生産技術を使えば、そもそもサーチでの検品作業は必要ないはずだ。どうしてこんなことになった? ちゃんと監督していたのか?」
「もちろんです。私以外にも4人配置されていますので……監督については問題なかったかと」
「ふむ……ではなぜ……このような事態に」
「それから体調を崩した者も現れたようです」
「なに……? それは私の薬と関係あるのか?」
「そうですね。大量生産体制で作られた薬を服用して体調を崩したというクレームもありますので……」
「そんな馬鹿なことがあるはずがない」
一体どうなっているのだ? そのクレームは事実なのか? 誰か私に恨みを持っている者達が徒党を組んで嫌がらせをしているとも考えられるが。
「先ほど薬を検品したところ、ほとんど効力のない物が見つかりました。クレームの内容とも一致します」
「なんだと……」
「もしも現在も作っている薬に毒薬のような物も混ざっているとしたら……大変なことになりかねませんよ? 如何いたしますか?」
「くっ……!」
あまりに予想外の事態に私はまともな思考を巡らせることが出来ないでいた。どうしてこうなった……?
「一体、どうなっているんだ?」
「これはトトメス様……」
私はその日の内に工場の現場監督のところへ足を延ばした。クレームが発生しているのは看過できないからだ。
「クレームが発生しているそうだな。どういった内容なんだ?」
「それが……回復薬などの薬の効力が出ないとか風邪薬も効かないというクレームです」
工場長のイワードは焦っている様子だった。おそらく本人も何が起きているのか分かっていないのだろう。この男は大量生産体制の現場責任者でもある。大量の薬を作る人間達の監督を行っているのだ。
「サーチでの検品をほとんどしなかったことが仇になったと思われます」
「馬鹿な……そんなことがあるはずがない」
確かにサーチでの検品はほとんど行っていないが。あれはコストがかかる上に単純に難しいからな。アリッサの調合技術を盗めたのだから大丈夫だと判断したのだ。それが仇になったというのか?
「アリッサ・マクレガーの生産技術を使えば、そもそもサーチでの検品作業は必要ないはずだ。どうしてこんなことになった? ちゃんと監督していたのか?」
「もちろんです。私以外にも4人配置されていますので……監督については問題なかったかと」
「ふむ……ではなぜ……このような事態に」
「それから体調を崩した者も現れたようです」
「なに……? それは私の薬と関係あるのか?」
「そうですね。大量生産体制で作られた薬を服用して体調を崩したというクレームもありますので……」
「そんな馬鹿なことがあるはずがない」
一体どうなっているのだ? そのクレームは事実なのか? 誰か私に恨みを持っている者達が徒党を組んで嫌がらせをしているとも考えられるが。
「先ほど薬を検品したところ、ほとんど効力のない物が見つかりました。クレームの内容とも一致します」
「なんだと……」
「もしも現在も作っている薬に毒薬のような物も混ざっているとしたら……大変なことになりかねませんよ? 如何いたしますか?」
「くっ……!」
あまりに予想外の事態に私はまともな思考を巡らせることが出来ないでいた。どうしてこうなった……?
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