27 / 79
第四章 ダンジョン探索テスト
1話・噂の伝達の速さ
しおりを挟むお昼休みの学園食堂にて、スズ先輩とルル先輩から同時に告白をされて
しまったあの時間から幾数時間後。
最後の授業も何とか無事に終わり、下校の時間がやって来た。
「ああ、やっと来た!もう遅いぞ、ザック!」
「おかげで足が棒になるところだったよ~!」
「ゴメン、ゴメン。少しトラブっちゃってさぁ~!」
学園の校門前で俺と一緒に帰ろうと待ち合わせをしていたエレアと
フローラに駆け寄って行き、苦笑をこぼしつつ遅れた事をペコペコと
頭を下げて詫びる。
急いで帰ろうとはしたんだけど、スズ先輩とルル先輩がそれを邪魔する様に
中々放してくれなくってさぁ。
遅れてきた理由には、そんな訳があるのだが。
しかし遅れた理由は話さない。
きっと話すと、絶対に面倒な事になり――――
「トラブル?ああ、はいはい。例の先輩達の告白事件の事でですかな?」
「―――はう!?」
「スズ先輩とルル先輩かぁ。いやはや、ド凄い人達に惚れられたものだ
わね、ザックってばさ♪」
「――はう!?」
隠そうとした面倒ごとだったが、エレアとフローラの二人は、さも知って
いて当たり前だという顔をし、俺が遅れてきた理由を代わりに口にする。
「へ?え??ど、どういう事???な、なんでその事をエレアとフローラが
知っているんだっ!?」
俺はなんでだよという顔でビックリしてしまう。
「何を言うかと思えば。わたし達が知っていて当然でしょう!」
「いや、だからなんでだよ!?」
「うふふ。いいこと、ザック。噂好きどもの伝達情報網の速さは凄まじいの!
特に色恋関係の情報はねぇっ!」
「そうそう。あんな白昼堂々、二人の乙女から情熱的な愛の告白をされて
いるんだよ。そんな連中の噂が私達の間で立たない方が逆におかしい話だよ♪」
エレアとフローラがうんうんと頭を下げながら、噂好きを舐めんなよと、
ザックを窘める。
「でもよりにもよって、あのスズ先輩にルル先輩から、更に同時に告白を
受けちゃうとはねぇ……」
「ホントホント。ザックたら、これまたトンでもない事をやらかしちゃった
よねぇ~!」
フローラとエレアが昼間の食堂での一件...スズ先輩とルル先輩との経緯を
全部知っているようだった。
「マ、マジかよ。そんなレベルで俺達の事が伝わっているのか…」
俺はその事実に目を大きく見開き、ただただ驚いてしまう。
「ま、知れ渡るのが早いの当たり前だと思うけどね。だってあの先輩達って、
このエクトス学園じゃ超有名人で超人気者なんだからさ!その先輩達から
同時に告白された男がいるともなれば、その情報がエクトス学園中を
流れ回るに決まってるじゃないの!」
「そ、そうなんだ?や、やっぱり超の付く程の人気者なんだね、スズ先輩と
ルル先輩って?」
「然もありなんだよ!あのルックスだけでも十分人気者になり得るというのに、
性格も明るく、人付き合いも良く、そして後輩思いときたもんだ。それに
付け加えて、戦闘能力もずば抜けて凄いんだからあの二人っ!」
フローラはビシッと人差し指を突き付け、更に話を続ける。
「いや~もうホント。私達後輩の憧れる先輩の中でも、特にスズ先輩と
ルル先輩の二人は別格中の別格で、常にトップに君臨し者なんだからっ!
ハァ~~マジ素敵です♪」
フローラはスズ先輩とルル先輩の偉大さを矢継ぎ早で淡々と語った後、
恍惚な表情瞳をキラキラと煌めかせている。
「そんな憧れの先輩達から告白をされるだなんて......ザック、あなたって
一体何者なのよ?も、もしかして物凄い能力の持ち主とかっ!?」
フローラが眼鏡をキラリと光らせ、俺の顔を見てきた。
「ちち、違う、違う!お、俺の能力は普通以下の平凡並みだよっ!」
そんな表情を見せてくるフローラに、俺は慌て様な態度で首をブルブルと
何度も左右に素早く振って、それを全力で否定する。
10
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる