73 / 114
本編
第70話 王妃と王太子①
しおりを挟む
昼食に私は、トムヤムクンラーメンを堪能して、只今食後の休憩中である。
ルシフェルは管理人なのでマンションに帰って行き、アナリスさんは姉であるミリーナのところに、サクヤはカイル兄様からの頼まれ事があるとかで出掛けて行った。
カイル兄様は、食べ終わると仕事が残っていると執務室に戻っていってしまった。
私は、気になることがある。
それは、国王陛下には会ったことがあるが、王妃殿下と次代の国王である王太子に会ったこともなければ、どんな容姿なのかも知らない。
国王が世継ぎがいないことなんて、あり得ないし、もし、できない体質なら養子を取ったりする。
カイル兄様から学生時代同級生だったと聞いているので、王太子殿下がいるというのは知っている。
だが、王妃殿下に関しては、死別したのか離縁したのかすらわからない。
そういえば、トマスさんもカイル兄様と同級生だったって言っていたな。
周りを見渡してみたが、トマスさんの姿がない。
屋敷内なので、護衛する必要もない。
どこ行っちゃったんだろうな~。
同級生だったんだし、カイル兄様は執務室にいるのだからトマスさんを探して聞くより、カイル兄様に聞いてみよう。
「カイル兄様。よろしいでしょうか?」
「ダダダメだ」
「入ります……」
どんなに忙しくてもダメと言われることがなかったので、反射で入りますと言って部屋に入ると、カイル兄様が四つん這いになり、その背にカイル兄様の専属騎士であるトマスさんが座っていた。
なんだこの状況は……
「お邪魔しました。ごゆっくりどうぞ」
私はそう言って、部屋の扉を閉めた。
「アイリス。ダメだって言ったよね~。この状況を見られてしまったのなら、仕方ない……説明すから……絶対にアイリスは、誤解をしているから入っておいで……」
誤解している?主を四つん這いにさせて、背に乗る専属騎士って普通はあり得ない状況だ。
主と騎士だけど、実はそういう関係で、騎士であるトマスさんが攻めで、カイル兄様が受けで……
トマスさん、いないと思ったらカイル兄様の執務室で、二人でこんなことしているなんて……
公爵家当主になる前からおかしいと思っていたのだ。
「いい加減、退いてくれないかな。私は、アイリスの誤解を解かなければならないのだ」
「はい。はい。よっこらせっと」
会話の感じから、トマスさんがカイル兄様から降りたみたいだ。
次期公爵家当主で、成人しているのに結婚どころか婚約者もいない、婚約の話しすら出なかった……男色家だったからなのか。
納得、納得、ナットクール宅急便。
「早く入っておいで……いないのかぁ~い」
見ては行けないものを見てしまい、扉を閉めてしまったので、入りづらいだけです。
一旦、リビングルームに戻って気持ちを落ち着かせいよう。
それから何食わぬ顔で、執務室に入ればいい。
そう決めた私は、気持ちを落ち着かせるためにアリスたちの居るリビングルームへと向かった。
「アリスさん。ミルクティーを貰えるかしら」
「かしこまりました。お早いお戻りですがアイリスお嬢様は、カイル様に用があり、執務室に行かれたのではないのですか?」
「忙しいみたいだったから、一旦戻ってきたの。
しばらくしたらまたいってみるつもりだよ」
流石にアリスさんたちに、さっきのことを話すわけには行かないもんね。
ルシフェルは管理人なのでマンションに帰って行き、アナリスさんは姉であるミリーナのところに、サクヤはカイル兄様からの頼まれ事があるとかで出掛けて行った。
カイル兄様は、食べ終わると仕事が残っていると執務室に戻っていってしまった。
私は、気になることがある。
それは、国王陛下には会ったことがあるが、王妃殿下と次代の国王である王太子に会ったこともなければ、どんな容姿なのかも知らない。
国王が世継ぎがいないことなんて、あり得ないし、もし、できない体質なら養子を取ったりする。
カイル兄様から学生時代同級生だったと聞いているので、王太子殿下がいるというのは知っている。
だが、王妃殿下に関しては、死別したのか離縁したのかすらわからない。
そういえば、トマスさんもカイル兄様と同級生だったって言っていたな。
周りを見渡してみたが、トマスさんの姿がない。
屋敷内なので、護衛する必要もない。
どこ行っちゃったんだろうな~。
同級生だったんだし、カイル兄様は執務室にいるのだからトマスさんを探して聞くより、カイル兄様に聞いてみよう。
「カイル兄様。よろしいでしょうか?」
「ダダダメだ」
「入ります……」
どんなに忙しくてもダメと言われることがなかったので、反射で入りますと言って部屋に入ると、カイル兄様が四つん這いになり、その背にカイル兄様の専属騎士であるトマスさんが座っていた。
なんだこの状況は……
「お邪魔しました。ごゆっくりどうぞ」
私はそう言って、部屋の扉を閉めた。
「アイリス。ダメだって言ったよね~。この状況を見られてしまったのなら、仕方ない……説明すから……絶対にアイリスは、誤解をしているから入っておいで……」
誤解している?主を四つん這いにさせて、背に乗る専属騎士って普通はあり得ない状況だ。
主と騎士だけど、実はそういう関係で、騎士であるトマスさんが攻めで、カイル兄様が受けで……
トマスさん、いないと思ったらカイル兄様の執務室で、二人でこんなことしているなんて……
公爵家当主になる前からおかしいと思っていたのだ。
「いい加減、退いてくれないかな。私は、アイリスの誤解を解かなければならないのだ」
「はい。はい。よっこらせっと」
会話の感じから、トマスさんがカイル兄様から降りたみたいだ。
次期公爵家当主で、成人しているのに結婚どころか婚約者もいない、婚約の話しすら出なかった……男色家だったからなのか。
納得、納得、ナットクール宅急便。
「早く入っておいで……いないのかぁ~い」
見ては行けないものを見てしまい、扉を閉めてしまったので、入りづらいだけです。
一旦、リビングルームに戻って気持ちを落ち着かせいよう。
それから何食わぬ顔で、執務室に入ればいい。
そう決めた私は、気持ちを落ち着かせるためにアリスたちの居るリビングルームへと向かった。
「アリスさん。ミルクティーを貰えるかしら」
「かしこまりました。お早いお戻りですがアイリスお嬢様は、カイル様に用があり、執務室に行かれたのではないのですか?」
「忙しいみたいだったから、一旦戻ってきたの。
しばらくしたらまたいってみるつもりだよ」
流石にアリスさんたちに、さっきのことを話すわけには行かないもんね。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
5,598
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる