災嵐回記 ―世界を救わなかった救世主は、すべてを忘れて繰りかえす―
ごく平凡な大学生、三渡カイは、ある日目が覚めたら異世界で美少女になっていた。
異世界転生!?しかもTS!?と驚愕半分浮かれ半分な彼のもとに現れたのは、自称皇太子の美形と、魔法の絨毯(?)を操る美女、ドラゴン(?)使いの美丈夫。
彼らの話によると、カイは世界を『百年災嵐』なる脅威から守り抜いた救世主であるという。
世界を救った代償にカイは昏睡状態に陥り、目覚めるとこの世界に来てから一切の記憶を失っていた。
俄かには信じられない話だったが、カイは事実として異界で美少女として目覚めた。そして献身的に世話を焼いてくれる三人は、命の恩人でもなければそうはならないだろうというほどの執心を自分に向けてくる。
カイは彼らの言葉を信じ、災いが去ったあとの世界で、改めて異世界生活をスタートさせた。
まずは昏睡中に失われた体力を取りもどすためのリハビリ。それからこの世界特有の「霊力」を操作する修行。さらには「ケタリング」なる飛行物体を乗りこなす訓練。
狩りをしたり、宴会をしたり、自分を独占しようとする三人の板挟みになったりと、騒がしくも愉快な毎日だった。
しかしそんな幸福な生活には、秘密があった。
三人は優しい嘘で、カイをなにかから守ろうとしていた。
カイがそれに気づいたとき、薄氷の上に築かれた楽園は、あっけなく崩れ去っていく。
過去になにがあったのか?
自分は本当に世界を救ったのか?
そしてこの身体は、一体誰のものなのか?
やがてカイは、一人の青年との出会いにより、真実を知ることとなる。
「お前はなにひとつ救わなかった!」
失われた自分の物語が、救世の英雄譚などではなく、救いようのない悲劇であったということを。
―――――
(TS転移した主人公が三人の美形にどでかい感情を向けられたり世界を敵に回したりする中華風ディストピアファンタジーです)
(犬と猫は死にませんがその他の動物は死んだり殺されたりします)
(人間はたくさん死んだり殺されたりします)
(小説家になろうにも投稿しています)
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