【完結】魔法も使えない下等幼女

冬田シロクマ 

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嘘吐き者

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真っ赤な嘘だった。

それを知ったときの私の落胆と言ったら…

「はあああ」とため息をつき自分に呆れ笑う。
そして、なんて演技が上手いんだろうと感嘆した。

こいつは…大嘘付き者だ。
……

優しい瞳で見つめてくる。
余裕そうにニッコリ笑うリチャードフィーピー。
私は、悪知恵の働く猫の様子を想像した。

「君をいくら調べても…恐ろしいくらいになにも出てこない。」

次は鋭い瞳に晒される。
居心地の悪い気分を味わう。
私は「はぁ」とため息をつき、横を向く。
余裕そうな素振りを見せ、本当はどう誤魔化そうか必死に考えていた。

「わかったのは、これだけだ」

ヒラヒラと、2ページの資料を上品な仕草で小馬鹿にするように揺らしているリチャード。
さっき部下らしき人が、丁寧にこの男にその資料を渡していたのを思い出し、嫌な気分になった。

「そう」

マルチーノブランシェは品良く頷く。
紅色のカップを手につけ…やめた。
カチャ…と響く。

「僕の部下がバカなのか、それともきみが特別なのか…」

大きな赤い瞳。
吸い込まれそうになった自分の本心を隠し、心の中で言ってみる。

そんなのもわからない、あなたが一番馬鹿なんじゃない?

幼女からの冷ややかな視線に、リチャードフィーピーは強くその幼女の目を見ていた。
ボッーとしている桃色の瞳…

「君が特別なんじゃないかと思ってる」

いつもならこんなとき、女性は喜ぶであろう。
だが目の前の幼女は、「ハッ笑」と、馬鹿にしたように笑った。
首をかしげるリチャード。
この様子は不可思議だろう。

「特別?」 

マルチーノは顔を傾け、正気か?とでも言うように男に言う。
見たこともない女の表情に、一瞬戸惑う。

「私は魔女に呪いをかけられた。
もうずっと成長しない。それだけ。
魔力がない私にはどうすることもできないわ」 

そう言ってしまって、ハッとし口をつぐむ。
だがリチャードフィーピーは気にしていないようだ。
私の言葉に耳を傾けながら、優雅な様子で紅茶を飲んでいる。

「私もよく覚えてないの。
そのあと、会ってないからただの練習台だったのかも…」

嘘と本当を織り交ぜながら話す。
腕につけられた嘘発見器を軽く睨み言った。  

「一緒に探さないか?」
「え?」

ニコッとほほえみ言うリチャードフィーピー…

私は訝しげな顔をした。

なぜ?
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