聖女の姉と悪女の妹。姉と結婚するはずが手違いで妹と結婚する。

冬田シロクマ 

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7  心配ごと

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「どういうことよッ!!」

バンッ!と枕を投げられた。
当たった枕を、ぼくは無表情で拾いホコリをはたく。
第2王女は、ベッドの上で顔を真っ赤にし、怒っていた。

今日、王位継承権がハッキリと妹の方にあると国民に知らされた。
それはぼくが仕組んだことだった。
だが、そのときの国民の、顔。
あんぐりと口を開け、重役たちは必死に抗議の意を示している。
第2王女は今ベッドの上で、相当お怒りだが、本当に怒りたいのはぼくの方だった。

ここまで国民に、第2王女は馬鹿だと思われてるのか。

腕を組む。
考えに頭を張り巡らせた。
隣を見ると、第2王女は横で目を輝かせ笑っていた。
考えてることが、手にとるようにわかった。
イラっとし、ぼくは無理して妻にほほえんだ。

この王女にとって重要なことは、姉だけでしかない。
どう生きてきたら、王族にも関わらずこんな能天気に生きられるのか…
……

わたしは一瞬、しめた!と思った。
重役も、民も大反対。
わたしが王にふさわしくないとわかれば、重役たちは、血眼になって第一王女を探すだろう。
隊員たちが、もっと増員されるかもしれない…

頬が緩み、ニヤニヤした。
静かに王子が、横に控えている。
目力の強い笑顔が、大きな存在感を放っている。

怒っているだろう…

それもいい気味だ、と思った。
……

吐きそうになった。
重い王冠と、毛布のようなマントをかけられた時。
退屈かつ苦痛な儀式の中、盛大なブーイングに傷つかないように他のことに思考を移す。

冷静に考えると…あの偽王子に尽くすことは、わたしが大人しく女王になることだ。
愚かなふりをしようとしたが、この間に、あの偽王子が善人活動なんかして、あの隣国の王子をこの国の王として立てろとの声が広がったら…

母はあの王子を処刑するだろう。

パタンッと音をたて、妄想が終わった。
考え冷静に動くことはわたしには向いていない。

まず目の前のことを…

「はぁ」

いい女王になると、アイツに示すしかないのか、

口元を覆う。
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わたしが…第一王子にうつつを抜かし…
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