スパダリかそれとも悪魔か

まめ太郎

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温泉へGo7

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 部屋のドアが開く音で、意識がゆっくりと浮上し始める。

「いや、それにしても、御剣の腹筋ばっきばきな。うらやましいわ。準、お前ももう少し鍛えたら?」
 西の声が聞こえる。
「うるさいな。俺はべつにこのままでいいんだよ。」
 準が言い返す声が聞こえ、部屋のふすまが開くと同時に俺も上半身をゆっくりと起こした。
 怜雄が俺のそばにすっとしゃがみこむ。
「気分はどうだ?」
 俺の前髪を、ゆっくり手で梳かしながら怜雄が聞く。
 俺は目を擦りながら、怜雄を見つめた。
 旅館に備え付けの、白地に青で薄の絵が書いてあるなんてことない浴衣なのに、怜雄が着るとよく似合って、あわせから覗く男らしい胸板にどきりとしてしまった。
「うん、大丈夫。怜雄、浴衣似合うな。」
 俺がそう言うと怜雄ははにかんで「ありがとう」と言った。

「おいそこのバカップル。そろそろ夕飯の時間だぞ。」
 西にそう言われて、腕時計を見ると、18時30分を指していた。
「夕飯、19時からだったよな。俺ちょっとシャワーしてくる。」
 浴衣を手に取ると、部屋に中にあるユニットバスに慌てて向かった。
 シャワーで体をざっと流し、胸のバンドエイドを張り替え、浴衣を着る。

「お待たせ。あれ、準と西は?」
「先に行ってるってさ。お前、体調は本当に平気なのか?」
「うん。もうすっかり。」 
 怜雄は俺の隣に立つと腰を引き寄せた。
 俺の、腰と尻の辺りを何度も撫でる。
「優、浴衣の時下着を着けるのはマナー違反だぞ。」
 俺のパンツのラインを怜雄がなぞりながら、言う。
「怜雄だって履いてんじゃん。」
 俺の言葉に怜雄は笑った。
 俺と怜雄は手をつないで部屋から出ると、鍵をかけエレベーターに乗り込んだ。

「風呂綺麗だった?」
 俺の質問に怜雄は前を向いたまま答える。
「まあまあだな。あとで一緒に行くか?」
 怜雄の質問に首を振ると俺はため息をついた。
 そんな俺を不思議そうに怜雄が見つめていた。
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