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125 吐かれた罵詈雑言
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当然、心菜たちに糸鋸を壊したことを謝罪された生徒たちはブーイングの嵐だった。
『俺らのクラスの番の予約どうしてくれるんだよ!!』
『うちらの工作どないしてくれるん!?うちら、まだ半分も終わっとらんのよっ!!オンボロ号じゃ絶対終わらへんのやけれど!?』
『そうよ!どうしてくれるの!?』
『私たち、1ヶ月も前から予約していたのよっ!?それなのに使えないってどういうことよっ!!』
『俺らの工作の責任とれや!!3年だろ!?』
『そーだそーだ!!』
聞くに堪えない罵詈雑言は割愛するが、心菜は自分がやってもいないことで相当な嫌味を食うことになった。正直に言って、先生たちへの謝罪よりも、下の学年からの罵詈雑言の方が心菜は辛く感じていたりする。
「………もう、いろいろぐったり」
「あぁ、それは同感。でも、校長は優しかったな。あの爺さんは結構好きになった。………話は無駄に長いけど」
「はははっ………、」
校長は、心菜と立花を怒るでもなく、同情してくれた。見た目はムキムキマッチョで吊り目。前置きが長いことで有名な校長は、見た目に反して存外優しい性格をしていた。否、理不尽を嫌う性格をしていたのかもしれない。
『災難な目にあったものだね。学校を休んでいる最中に、クラスメイトが勝手に糸鋸を使った挙句、壊していて、学校に復帰して早々怒られるなんて、飛んだ理不尽だ。君たちが謝る必要ないよ。謝るべきは、壊した張本人だ。そいつを連れておいで。僕の方から叱っておこう。』
心菜は、心菜と立花はこの言葉にどれだけ救われたか分からない。
連日居残りで作業していたがために度重なる疲労で体調を崩して学校を休み、その間にクラスメイトが予約制の糸鋸の順番を守らずに、新品に近いとても優秀な糸鋸を使用し、その挙句糸鋸を壊していただなんて、本当に最悪だ。
そして、次の日まだ具合の悪い身体を叱責して心菜が学校に登校すれば、学年主任に呼び出しを食らって頭ごなしに意味も分からず怒鳴られるなんて、飛んだ貧乏くじ、いいや、飛んだ理不尽だ。
少しだけいろいろなことに余裕を持てるようになった心菜は、客観的にあの時の出来事を思い出し始めた。心が折れかけた、苦痛の出来事を。
▫︎◇▫︎
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
『俺らのクラスの番の予約どうしてくれるんだよ!!』
『うちらの工作どないしてくれるん!?うちら、まだ半分も終わっとらんのよっ!!オンボロ号じゃ絶対終わらへんのやけれど!?』
『そうよ!どうしてくれるの!?』
『私たち、1ヶ月も前から予約していたのよっ!?それなのに使えないってどういうことよっ!!』
『俺らの工作の責任とれや!!3年だろ!?』
『そーだそーだ!!』
聞くに堪えない罵詈雑言は割愛するが、心菜は自分がやってもいないことで相当な嫌味を食うことになった。正直に言って、先生たちへの謝罪よりも、下の学年からの罵詈雑言の方が心菜は辛く感じていたりする。
「………もう、いろいろぐったり」
「あぁ、それは同感。でも、校長は優しかったな。あの爺さんは結構好きになった。………話は無駄に長いけど」
「はははっ………、」
校長は、心菜と立花を怒るでもなく、同情してくれた。見た目はムキムキマッチョで吊り目。前置きが長いことで有名な校長は、見た目に反して存外優しい性格をしていた。否、理不尽を嫌う性格をしていたのかもしれない。
『災難な目にあったものだね。学校を休んでいる最中に、クラスメイトが勝手に糸鋸を使った挙句、壊していて、学校に復帰して早々怒られるなんて、飛んだ理不尽だ。君たちが謝る必要ないよ。謝るべきは、壊した張本人だ。そいつを連れておいで。僕の方から叱っておこう。』
心菜は、心菜と立花はこの言葉にどれだけ救われたか分からない。
連日居残りで作業していたがために度重なる疲労で体調を崩して学校を休み、その間にクラスメイトが予約制の糸鋸の順番を守らずに、新品に近いとても優秀な糸鋸を使用し、その挙句糸鋸を壊していただなんて、本当に最悪だ。
そして、次の日まだ具合の悪い身体を叱責して心菜が学校に登校すれば、学年主任に呼び出しを食らって頭ごなしに意味も分からず怒鳴られるなんて、飛んだ貧乏くじ、いいや、飛んだ理不尽だ。
少しだけいろいろなことに余裕を持てるようになった心菜は、客観的にあの時の出来事を思い出し始めた。心が折れかけた、苦痛の出来事を。
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