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第一章
前世の推しを思い出しました
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あの後、お兄様と図書室へ行き、たくさんの話をした。主に本の話だけだったが、それでも楽しい時間はあっという間に過ぎていった
お兄様と打ち解ける事が出来た事に嬉しさを噛み締めつつも朝の準備をしていると、なんと、お兄様が一緒に朝食を取ろうと誘ってくれた。
最初は断ろうと思ったが、義理母が今家にいない事と、これまでお兄様に対し冷たい態度を取っていた罪悪感もあり初めてお兄様と一緒に朝食をとった。
結果としては、とても穏やかな朝食だった。
会話が弾むか少し心配したが、お兄様の方から積極的に話しかけてくれたし、わたくしも前世の記憶があるからか、人と話したことなんて余りなかったのにスイスイと口から言葉が出てきた。
それに、気を利かせて使用人を下がらせてくれたので、とても気が楽だった。
(それにしても、人と一緒に食事をするのはなかなか良いものね)
とりあえず、お兄様とは思ったよりも仲良くなれそうだと安心した。
ーーーーーーーーーーーー
それから数日がたった今でも、お互いにオススメの本を教え合い感想を言い合っていた。
たまに、義理母や使用人から嫌味を言われるが、ここ最近はふとした時に前世の記憶を思い出しそれと一緒に感情も流れ込んでくるからか、わたくし自身、何を言われても前ほど気にならなくなった。
(彼女に影響されたのかしらね・・・)
それに、お兄様が多少フォローをしてくれているみたいだった。
わたくしが思っていたよりもお兄様は体が弱く、寝込む時は3日にも渡るが、それでもわたくしといる時はいつもニコニコと笑顔の耐えない優しい人だった。
この前も愛称で呼びたいとお願いされ、断ることが出来るはずもなく受け入れた。いまでは、“アンジェ”と呼ばれている。
だけど、そんな穏やかな日々はそう長くは続かなかった。
その日もわたくしは、『僕らの冒険』と言う題名のお兄様から教えて頂いたオススメの本を読んでいた。
内容はザックリ言うと、盲目の少年が幸せになるまでの話だ。まあ、最終的に目は見えるようになるし、実は貴族の子息で暮らしも豊かになる。
“僕らの”と着いているのは飼い犬と二人きりで暮らしていた事と、“冒険”は目が見え無い時も感覚で物事を探っていた事と、目が見えるようになってからは、初めてのことばかりで毎日が新鮮だったからまるで冒険だみたいな感じだろう。
こういう下克上的な物語はわたくしも好きなので結構楽しめた。どちらかというと、恋愛物が好きなのだが、たまには、こう言うのも良いなと思った。
だが、問題はそこじゃない。
何故かは、分からない。だが、この物語の主人公の設定が何となくある人物を思わせたのだ。
母を無くし孤児として生き、後に貴族の子息である事が分かり、貴族社会へと突如引っ張りあげられた者。
「アレクシス・ガートン・・・」
わたくしは震える声でその名を口にした。
あの乙女ゲームの攻略対象キャラであり私の推しだった彼の名前を。
お兄様と打ち解ける事が出来た事に嬉しさを噛み締めつつも朝の準備をしていると、なんと、お兄様が一緒に朝食を取ろうと誘ってくれた。
最初は断ろうと思ったが、義理母が今家にいない事と、これまでお兄様に対し冷たい態度を取っていた罪悪感もあり初めてお兄様と一緒に朝食をとった。
結果としては、とても穏やかな朝食だった。
会話が弾むか少し心配したが、お兄様の方から積極的に話しかけてくれたし、わたくしも前世の記憶があるからか、人と話したことなんて余りなかったのにスイスイと口から言葉が出てきた。
それに、気を利かせて使用人を下がらせてくれたので、とても気が楽だった。
(それにしても、人と一緒に食事をするのはなかなか良いものね)
とりあえず、お兄様とは思ったよりも仲良くなれそうだと安心した。
ーーーーーーーーーーーー
それから数日がたった今でも、お互いにオススメの本を教え合い感想を言い合っていた。
たまに、義理母や使用人から嫌味を言われるが、ここ最近はふとした時に前世の記憶を思い出しそれと一緒に感情も流れ込んでくるからか、わたくし自身、何を言われても前ほど気にならなくなった。
(彼女に影響されたのかしらね・・・)
それに、お兄様が多少フォローをしてくれているみたいだった。
わたくしが思っていたよりもお兄様は体が弱く、寝込む時は3日にも渡るが、それでもわたくしといる時はいつもニコニコと笑顔の耐えない優しい人だった。
この前も愛称で呼びたいとお願いされ、断ることが出来るはずもなく受け入れた。いまでは、“アンジェ”と呼ばれている。
だけど、そんな穏やかな日々はそう長くは続かなかった。
その日もわたくしは、『僕らの冒険』と言う題名のお兄様から教えて頂いたオススメの本を読んでいた。
内容はザックリ言うと、盲目の少年が幸せになるまでの話だ。まあ、最終的に目は見えるようになるし、実は貴族の子息で暮らしも豊かになる。
“僕らの”と着いているのは飼い犬と二人きりで暮らしていた事と、“冒険”は目が見え無い時も感覚で物事を探っていた事と、目が見えるようになってからは、初めてのことばかりで毎日が新鮮だったからまるで冒険だみたいな感じだろう。
こういう下克上的な物語はわたくしも好きなので結構楽しめた。どちらかというと、恋愛物が好きなのだが、たまには、こう言うのも良いなと思った。
だが、問題はそこじゃない。
何故かは、分からない。だが、この物語の主人公の設定が何となくある人物を思わせたのだ。
母を無くし孤児として生き、後に貴族の子息である事が分かり、貴族社会へと突如引っ張りあげられた者。
「アレクシス・ガートン・・・」
わたくしは震える声でその名を口にした。
あの乙女ゲームの攻略対象キャラであり私の推しだった彼の名前を。
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