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第十三章

お勉強デート

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 さて。愛らしいモフモフにたっぷり癒やされた後はしっかりお勉強せねば。

 ――基本、動物園と水族館と植物園なこの場所は、しかし名前の通り研究所付属の園である。

 ここの動植物の世話をしているのは研究所の職員だし、展示されている動植物は100%レジャー目的で世話されているものでは無く、研究所の研究員の観察や実験目的だ。

 そして、既に一般公開しても問題無しと判断された資料が一緒に展示されていたりもする。

 そして、そんな園だからこそ、目玉の可愛らしい、或いは珍しい動植物だけでなく。
 牛・豚・鶏といった家畜や、食用の魚、野菜や果物も資料と一緒に展示されている。

 今後の計画に大変有用な情報と共に。

 いやまぁ……ね。
 「お昼の後にイルカショー見よう」
 と、園内レストランでランチの後、お約束なイベントもこなしたけどね。

 植物園では品種改良したフルーツで作ったスイーツに舌鼓を打ちましたが。

 ――何より、だ。

 あちこち見て歩く間ずっと恋人繋ぎした手とか。
 なんかやたらと距離感が近いとか。

 あぁ、そう言えばこれデートだっけ、と再認識させるアレコレ。

 因みにノアはニコニコと随分嬉しそうだ。
 元々がキレイな顔だけあって、大変麗しい。

 いくら乙女ゲームのヒロインだからって、ヒロインとしての仕事は何一つしてないのに、攻略対象でもないのに、こんなハイスペックな人と結婚なんかしてバチが当たんないかしら、とつい考えちゃうくらい。

 これが噂のマリッジブルーと言うヤツですかね?

 そんな私の気持ちを、何となく察したらしいノア。
 「ごめんね。僕が王子なばかりに苦労をさせて……」

 と、済まなそうにする。
 うん、ゲーム云々と、知らなきゃ察せる訳もない。
 これまで誰にも話した事のない話だけど……

 ノアが私の旦那様になると言うのなら。
 その為にノアはノアの秘密を私に明かしてくれたのだから。

 私も、彼には秘密を打ち明けるべきかもしれない。

 ……けど。
 あれは私のせいとは思ってないけど、ゲームヒロインの私がヒロインらしくしなかったせいで多少なりとも攻略対象に影響が出た可能性は捨てきれない。
 既にアゼルが処刑されてしまった今。
 ノアにそれを告げたらどうなるか――。

 とても、怖かった。

 「レーネ?」

 「うん。私ね、ノアに話さなきゃいけない大事な話があるの。あまり他人には聞かせられない、大事な話が……」

 「――分かった。なら、帰りのディナーは個室のあるレストランに寄ろうか」

 売店でアクアとグレストへのお土産を買って。

 私達は馬車に乗り込んだ。
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