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秘密のお茶会
「貴女は・・・?」
ユリアとサツキの後ろに綺麗な水色の髪の可愛らしい少女が立っていた。
「初めまして。東の宮の庭園を管理している専属の庭師イレーナです。」
イレーナはニコニコと笑いながら挨拶をする。
「初めましてイレーナさん。ユリアと言うわ。クリムゾン大公家に昨日からお世話になっているの。」
ユリアは微笑んだ。
「精霊の愛し子様ですね!お会いできて光栄です。」
イレーナは心底嬉しそうに言った。
「そうです!精霊の愛し子様を崇拝している友人がいまして・・・。もしよかったらサインとかもらえますか?」
イレーナは上目遣いでユリアに頼む。
「いいわよ。」
ユリアが頷くとイレーナは花が咲いたように笑った。
「ありがとうございます!」
イレーナはどこからか色紙を取りだし、ペンと一緒に渡した。
ユリアはペンのキャップをあけ、色紙にサラサラと書く。
「これでどうかしら?」
ユリアはペンにキャップをつけると色紙とペンをイレーナに返した。
「わあー!ありがとうございます!ミシェルが喜びます!」
イレーナは色紙を大事そうに胸に抱えて笑う。
「そう、喜んでくれるなら嬉しいわ。・・・ところでそのミシェルさんというのはどなた?」
「あ、ミシェルはティターニア公爵家の一人娘です。精霊の愛し子様であせられるユリア様を崇拝しているのです!」
ユリアはㇷ゚っとふきだした。
「うふふ!面白いわ。こんな私を崇拝してくれるだなんて!そのミシェルさんというお方はティターニアというのだから精霊神ティターニア様の子孫なのかしら?」
「はい、そうです。」
イレーナはうなずいた。
「そうなの。そうだわよかったら今からこの庭園で秘密のお茶会をしようと思うのだけど参加してくれないかしら?」
ユリアはイレーナを誘った。
精霊の愛し子至上主義のミシェルを友人に持っているのだから当然のごとくイレーナも精霊の愛し子を敬愛していた。
精霊の愛し子であるユリアからの誘いを断るという選択肢はイレーナにはなかった。
「はい!私でよろしいのでしたら喜んで!」
秘密のお茶会は正式な招待状のないお茶会のことを指す。
通常ならば相当に仲の良い者同士で集まる際、又は招待状を送らなければいけないほど堅苦しくないお茶会のことを指す。
今回は後者の意味でつかわれていた。
東の宮の侍女たちを招いての親睦会のようなものだった。
秘密のお茶会には一つの約束事がある。
それは「秘密のお茶会に行ったことを誰にも話してはいけない」ということだ。
これを破った者はどんな身分の者であろうと二度と秘密のお茶会に招かれることはない。
厳しい・・・そう思われるかもしれないがこれは貴族社会では当たり前のこと。
破ればその日のうちに噂がまわるほどだ。
破った者は社交界から爪弾きにあう。
「お待ちしておりました。」
秘密のお茶会の現場に到着するとフェナが出迎えた。
後ろには秘密のお茶会の参加者となる侍女たちが立っている。
頃合いを見て・・・と言っていたはずなのにすでに総勢20人ほどが待っていた。
「ええと・・これは・・・?」
首を傾げたユリアにフェナが申し訳なさげに言う。
「お伝えしましたところ皆行くと張り切ってしまい・・・。」
「そうなの。皆さま、来てくれてありがとう!」
ユリアが微笑むと侍女たちが頬を染めた。
「全員分の席を用意しておいてよかったわ。」
ユリアに促され、侍女たちは席に着く。
侍女たちは20人を5人ずつ4グループにわけた。
侍女たちはテーブルに置かれているお菓子を見て歓声を上げた。
「ティリアス商会のお菓子じゃない!」
「三年先まで予約が埋まっているって噂の溶けないチョコレートもあるわ!」
「一回食べてみたかったのよね!」
「ティリアス商会のお菓子だなんて高級品だわ。」
「ほかの家では秘密のお茶会にこんな高級品出てこないわよね。」
至福だと言わんばかりに次々とお菓子を口の中に放り込んでいく。
テーブルの上にあったお菓子はあっという間になくなってしまった。
「おいしかったー!」
「精霊の愛し子様は太っ腹ね!」
「サツキさんとフェナさんがうらやましいわ。」
「精霊の愛し子様はお菓子は作るのかしら?妹殿下と違って上手だといいけど・・・。」
「昨日だったかな。なんか買いに言ってたよ。」
「お菓子作る説あるわね!」
「おいしいといいな。」
そんな侍女たちの会話を横目にユリアは至福の時を過ごしていた。
同じテーブルに座るサツキとフェナもおいしそうにお菓子を食べていた。
「それにしてもおいしいわね。」
ユリアはつぶやく。
その時、12時の鐘が鳴った。
皇都の中心にある時計台からだった。
「あら、もうお昼の時間なのね。」
ユリアは席を立つ。
「皆、今日は秘密のお茶会に参加してくれてありがとう。今回のことは当然だけど秘密のお茶会の約束事はきちんと守ってね。」
「もちろんです!」
侍女たちはいっせいにうなずく。
「お先に失礼するわ。」
ユリアがフェナを連れて去っていく。
「ところでこの後誰が片付けやるの?」
残された侍女たちが唖然とする。
まさか招待された私たちが片付けないといけないのかというように。
「安心して。片付けは私がやるから皆は仕事に戻って。」
サツキが言うと侍女たちはうなずいた。
「りょーかいです!」
去っていく侍女たちを横目にイレーナが不安そうに尋ねた。
「あの、サツキさん。大丈夫ですか??一人でこんなにたくさんの片づけをしなければいけないだなんて。」
「大丈夫よ。私が精霊神ティターニア様からいただいた能力はお片付けの能力なのよ。」
「どういう能力なのですか?」
「そうね。お掃除精霊を呼び出して片付けをお願いすることができるの。お掃除精霊は万能でね。お皿洗いから洗濯までできるのよ。もとにあった場所に戻すことも簡単なのよ。」
「うわ!万能精霊っていうわけなんですね!」
ふーんとイレーナが言い、どこからかお掃除精霊があらわれサツキが言わなくても掃除を始めた。
―――――――――――――――
本日は2話更新の予定ですがこれが1話目となります。
2話目はかなり遅い時間帯になると思います。
もしかしたら日付をまたいでしまうかもしれません。
日付をまたいだ場合も明日の更新は21時にあります。
ですので日付をまたいでも水曜日の更新と考えてくださるとうれしいです
ユリアとサツキの後ろに綺麗な水色の髪の可愛らしい少女が立っていた。
「初めまして。東の宮の庭園を管理している専属の庭師イレーナです。」
イレーナはニコニコと笑いながら挨拶をする。
「初めましてイレーナさん。ユリアと言うわ。クリムゾン大公家に昨日からお世話になっているの。」
ユリアは微笑んだ。
「精霊の愛し子様ですね!お会いできて光栄です。」
イレーナは心底嬉しそうに言った。
「そうです!精霊の愛し子様を崇拝している友人がいまして・・・。もしよかったらサインとかもらえますか?」
イレーナは上目遣いでユリアに頼む。
「いいわよ。」
ユリアが頷くとイレーナは花が咲いたように笑った。
「ありがとうございます!」
イレーナはどこからか色紙を取りだし、ペンと一緒に渡した。
ユリアはペンのキャップをあけ、色紙にサラサラと書く。
「これでどうかしら?」
ユリアはペンにキャップをつけると色紙とペンをイレーナに返した。
「わあー!ありがとうございます!ミシェルが喜びます!」
イレーナは色紙を大事そうに胸に抱えて笑う。
「そう、喜んでくれるなら嬉しいわ。・・・ところでそのミシェルさんというのはどなた?」
「あ、ミシェルはティターニア公爵家の一人娘です。精霊の愛し子様であせられるユリア様を崇拝しているのです!」
ユリアはㇷ゚っとふきだした。
「うふふ!面白いわ。こんな私を崇拝してくれるだなんて!そのミシェルさんというお方はティターニアというのだから精霊神ティターニア様の子孫なのかしら?」
「はい、そうです。」
イレーナはうなずいた。
「そうなの。そうだわよかったら今からこの庭園で秘密のお茶会をしようと思うのだけど参加してくれないかしら?」
ユリアはイレーナを誘った。
精霊の愛し子至上主義のミシェルを友人に持っているのだから当然のごとくイレーナも精霊の愛し子を敬愛していた。
精霊の愛し子であるユリアからの誘いを断るという選択肢はイレーナにはなかった。
「はい!私でよろしいのでしたら喜んで!」
秘密のお茶会は正式な招待状のないお茶会のことを指す。
通常ならば相当に仲の良い者同士で集まる際、又は招待状を送らなければいけないほど堅苦しくないお茶会のことを指す。
今回は後者の意味でつかわれていた。
東の宮の侍女たちを招いての親睦会のようなものだった。
秘密のお茶会には一つの約束事がある。
それは「秘密のお茶会に行ったことを誰にも話してはいけない」ということだ。
これを破った者はどんな身分の者であろうと二度と秘密のお茶会に招かれることはない。
厳しい・・・そう思われるかもしれないがこれは貴族社会では当たり前のこと。
破ればその日のうちに噂がまわるほどだ。
破った者は社交界から爪弾きにあう。
「お待ちしておりました。」
秘密のお茶会の現場に到着するとフェナが出迎えた。
後ろには秘密のお茶会の参加者となる侍女たちが立っている。
頃合いを見て・・・と言っていたはずなのにすでに総勢20人ほどが待っていた。
「ええと・・これは・・・?」
首を傾げたユリアにフェナが申し訳なさげに言う。
「お伝えしましたところ皆行くと張り切ってしまい・・・。」
「そうなの。皆さま、来てくれてありがとう!」
ユリアが微笑むと侍女たちが頬を染めた。
「全員分の席を用意しておいてよかったわ。」
ユリアに促され、侍女たちは席に着く。
侍女たちは20人を5人ずつ4グループにわけた。
侍女たちはテーブルに置かれているお菓子を見て歓声を上げた。
「ティリアス商会のお菓子じゃない!」
「三年先まで予約が埋まっているって噂の溶けないチョコレートもあるわ!」
「一回食べてみたかったのよね!」
「ティリアス商会のお菓子だなんて高級品だわ。」
「ほかの家では秘密のお茶会にこんな高級品出てこないわよね。」
至福だと言わんばかりに次々とお菓子を口の中に放り込んでいく。
テーブルの上にあったお菓子はあっという間になくなってしまった。
「おいしかったー!」
「精霊の愛し子様は太っ腹ね!」
「サツキさんとフェナさんがうらやましいわ。」
「精霊の愛し子様はお菓子は作るのかしら?妹殿下と違って上手だといいけど・・・。」
「昨日だったかな。なんか買いに言ってたよ。」
「お菓子作る説あるわね!」
「おいしいといいな。」
そんな侍女たちの会話を横目にユリアは至福の時を過ごしていた。
同じテーブルに座るサツキとフェナもおいしそうにお菓子を食べていた。
「それにしてもおいしいわね。」
ユリアはつぶやく。
その時、12時の鐘が鳴った。
皇都の中心にある時計台からだった。
「あら、もうお昼の時間なのね。」
ユリアは席を立つ。
「皆、今日は秘密のお茶会に参加してくれてありがとう。今回のことは当然だけど秘密のお茶会の約束事はきちんと守ってね。」
「もちろんです!」
侍女たちはいっせいにうなずく。
「お先に失礼するわ。」
ユリアがフェナを連れて去っていく。
「ところでこの後誰が片付けやるの?」
残された侍女たちが唖然とする。
まさか招待された私たちが片付けないといけないのかというように。
「安心して。片付けは私がやるから皆は仕事に戻って。」
サツキが言うと侍女たちはうなずいた。
「りょーかいです!」
去っていく侍女たちを横目にイレーナが不安そうに尋ねた。
「あの、サツキさん。大丈夫ですか??一人でこんなにたくさんの片づけをしなければいけないだなんて。」
「大丈夫よ。私が精霊神ティターニア様からいただいた能力はお片付けの能力なのよ。」
「どういう能力なのですか?」
「そうね。お掃除精霊を呼び出して片付けをお願いすることができるの。お掃除精霊は万能でね。お皿洗いから洗濯までできるのよ。もとにあった場所に戻すことも簡単なのよ。」
「うわ!万能精霊っていうわけなんですね!」
ふーんとイレーナが言い、どこからかお掃除精霊があらわれサツキが言わなくても掃除を始めた。
―――――――――――――――
本日は2話更新の予定ですがこれが1話目となります。
2話目はかなり遅い時間帯になると思います。
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