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49話 新婚初夜3日目の朝
しおりを挟む初夜3日目の朝、ヴィトーリアはベッドから出られなかった。
ソレもそのハズで… この2日間は寝ずの情交を繰り返し、ヴィトーリアが気を失ってやっと、アーヴィは中断する気になったぐらいだ…
最初の夜は、妻が美しく優雅な花嫁衣裳の下に隠していた、魅惑的な下着が夫のドスケベ心を見事に射抜き…
妻が下着を脱ぐのを許さず、ドスケベ夫は夜明けまで甘く激しく攻め立てた。
2日目は朝食後にスグ、ネックガードを外し番の契りを交わしたために、2人とも極度の発情状態に入り、情交のコトしか考えられない獣になった。
夫アーヴィは初夜を振り返り、実に素晴らしい2日間だったと…
いつもは精悍な顔をニヤニヤとデレデレが交互に襲っていた。
「自分で食べるから… もうアーヴィ…?」
ベッドに座ったまま、恥ずかしそうな妻の口に、食事を入れてやる夫。
「フフフッ… 公爵が毎朝、膝に奥様を乗せて食事をする気持ちが分かった気がする」
隣に座りニヤニヤと笑う夫が、変なコトを言いださないよう、妻は慌てて釘を刺す。
「私はやらないからね! 公爵夫人のように小柄でもないし、きっととても重いから」
「お前は少しも重くはないぞ、昨夜だってオレの腹の上で、ずっと暴れていたではないか?」
「そ… そういう夜のお話は、立派な紳士は妻にしないモノです!!」
真っ赤になった照れ屋の妻は、ヨガリ声を上げ過ぎて掠れてしまった声で抗議する。
「おやおや、そうなのか? なら、オレが知る一番の紳士に我が奥方殿が言うコトが正しいのか聞いてみるかな?」
妻の口に西方の郷土料理、豚の腸詰めをフォークで小さくして入れる。
西方出身の2人の為に、侯爵夫人が特別に作らせてくれたのだろう。
「・・・っ・・・ 止めて!! 本当にソレだけは絶対に止めて!! 公爵様にそんなコト言ったら殺してやるから!!」
口の中のモノをモグモグと飲み込んで、慌てて夫に反論する妻。
「ズイブンと物騒な妻だなぁ? だがそういう気の強さも可愛いから許してやろう」
大らかにカラカラと笑い夫は、豚の腸詰めを妻の口の前に寄せると…
「…もう! 冗談ではないし」
可愛いと言われて妻は増々赤くなりながら…
夫の差し出した腸詰めをパクリと頬張る。
3人分はあった食事を、新婚夫婦はペロリと平らげた。
最後にモモのシロップ漬けを、夫の分も口に入れてもらい、妻はウットリと堪能する。
「さあ、食ったらグッスリ寝ろ! 今夜も抱くからな」
「ふぐっ・・・」
トロリとしたモモを喉に詰まらせそうになる妻。
どうやらドスケベの夫は、アルファの中でも特別、性欲絶倫の質らしい。
妻は思う。
初夜が終わったら妻が知る中で一番の、妻のカガミ… 公爵夫人に精力絶倫の夫への対処法を知らないか、コッソリ教えてもらおうと心に誓う。
夫同士が夜の話をするというのなら、妻同士が話しても良いはずだと。
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