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青年期
番外編2
しおりを挟む僕はお昼に昼食を取りながら、テレビをつけてアナウンサーが読んでいる前日に緊急放送された事件の内容を知って、目の前が真っ暗になった気がした。
自分が好きだったあの子が亡くなったなんて・・・
未だにホカホカと湯気を立ち昇らせているインスタントラーメンを食べる気にもなれず、目の前の現実を受け入れることができない。
あの子の笑顔が忘れられない。
あの子のどこか寂しそうな何かに悩んでいるような顔。
・・・本当は気づいていた。
周りの連中は騙されていたが、僕は分かっていた。
だって、大学で知り合って一目惚れをしてから外堀を埋めつつも必ずどこかで視界に入るように行動していたから。
尾行をして住所を知ってからは、近所や関係者に事情を話して納得させていた。
・・・みんな引いたり、怒ってたりしていたけど
僕は弁護士だから、お金だってあるし将来安泰であの子の為ならばと思ってたくさんのことをしてきた。
他の人みたいに積極的に行動はできないから、せめて習い事はそれとなく同じところに習いに行ったし、あの子のおじいさんたちにも事情を話して協力してもらったりした。
キッカケをなかなかつかめずに、うじうじしていたけどストーカー被害を受けていると知って、守る為にも告白するつもりでいた。
すべて上手くいっていると思っていた昨日までの自分を殴ってやりたい・・・
せめてもの仕返しにこの事件の担当弁護士に直談判しに行こう。
あの子の為にも、僕の為にも・・・
結果的に僕はこの事件の担当に関わらせてもらえた。
あの子と僕は友人同士だったけど、それだけであったし特に変なことはなかったからすんなりと関わらせてもらえることができた。
今まで繋いできた沢山のツテや情報屋を使って、徹底的に洗いざらい調べ上げた。いろんな犯罪をしてきたみたいだけど、一つだけ許せないことがあった。
あの子の親友が、警察のぼんくら息子にストーカー行為をさせていたみたいだ。
親友本人は、まさか息子が殺すなんて思ってもみなかったみたいだけど、あの子の遺産とかを親友に相続したようだった。
更に本人は、そのお金で整形手術をする予定でいるらしい。
本当に、憎たらしい・・・
「・・・お前大丈夫か?」
「何がですか?」
「いつも無表情なのにニヤついているぞ」
「調べれば調べるほど余罪が出てくるものだから、やりがいがあるんですよ」
「そ、そうか・・・。あまり、無理するなよ」
「はい」
今回の事件に携わっているもう一人の弁護士に、心配をかけたみたいだ。
どこか、顔が引きつっている気もするけど気にしないでおこう。
息子は、裁判で死刑宣告を受けた。
当然の結果と言っていい。でも、僕はこれで終わることはない。
「・・・本当にいいんだな?」
「あぁ。もちろんだ」
「分かった。だが・・・」
「暗殺者のお前が、人の心配か?」
「・・・・・・」
「大丈夫さ、手は打ってある。達者でな」
裁判は終わって、死刑執行されているであろう今の時間に僕のすべての財産を対価にあの子の親友の暗殺を依頼した。
だって、あの子をハメたんだから死んで当然だよね?
僕は部屋の整理をする。あの子の写真をすべて燃やして、証拠隠滅しておく。
そして部屋は、何もない。家具もあげたから部屋には何もない空っぽの状態。
夜になると、廃工場のとある場所に行く。
そこには祭壇とその前には魔法陣が書いてある。
僕は祭壇に、あの子の唯一の映っている本当の笑顔とろうそくを二本立てて、火をともす。
そして、魔法陣の真ん中に膝たちになってあの子のに会いたいとそれだけを思いながら、小刀で自殺を図った。
自分を中心に広がっていく血液を眺めてもひたすらにあの子に会いたいと思い続けた。
その時、誰かの声を聴いた気がした。
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作者です
かなりお待たせしました!
久々に書いたので、グダグダしてるかもしれませんが許してください!
今回はあえて名前は出しません。
想像を膨らませて楽しんでください!
応援ありがとうございます!
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