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・・・いつも突然に
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――バチバチと音が聞こえる、火だ。
ゆっくり目を開くとそこは暗闇、地獄かな、いや星のような小さな光が見える。地獄にも星があるってことなんだろうか。
だけど隣から足音して、
「ネモネア」
その声にバッと身体を起こすと、その大好きな声の持ち主が、
「お帰り」
「アヴエロ……みんな……」
「「ネモネアッ!」」
アヴエロだった。そしてスオーロ、ソレイル、モント、エメールにクレマも。
「うっ、うっ……夢じゃないんだね……ぐすっ、げんじつ、なんだね」
「ぐすっ、そうだよネモネア……現実さ……君が生きているここは現実だ……それと女神フラデーア様は――」
女神フラデーアは蘇ることは無かった。あたいに渡した命では足りなかったんだ。そしてもう一度蘇るには多くの年月が掛かるという。それでも一時的にとはいえ魂だけの存在として甦れたのは、女神の装備と強い想いがあったからだという。
「ううっ、そっか、フラデーア様は甦れなかったんだ」
「うん、それで魂は返されてネモネアに、それと一緒になって女神フラデーア様は楽しかったと言って消えました」
楽しかったか、あたいの本当の気持ちを分からせてくれたのは女神フラデーアだったから、感謝しかない。
「ぐすっ、ほんとうによかったわねネモネア。ねっ、姉さん」
「……ええ……」
「どうしましたネモネア・プリンセス」
「……なんか……今でも信じられなくて……どうようしてんの」
焚き火チリチリとなる中、見渡せば本当にみんないる。居ないのはあたいを褒めてくれたアクアン老師だけ。命がけの戦いをしていたから亡くなる人が出るのは仕方ないけど、哀しい。
「うっ……うっ、ネモネア……」
「クレマも、生きててくれたのね」
「なんか、わかんないけど……ぐすっ、生きててよかった、ネモネア」
戦かったり、魔王シャンイレールの配下だったけど、いまさらあたいにそれは関係ない。
「きっと、あたいたち姉妹だから……」
「でも……あたしは魔王の……」
「それはあたいも一緒……だからお姉ちゃんは気にしない」
「今までごめんなさいネモネア……ううっ、お姉ちゃん……」
あたいがやり直せたんだ。クレマをシスター・カルタやジュリ達とならきっとうまくいく、あたいの妹とだもん。これで、
「……あのアヴエロ、話したいことがあるの」
「……なにを」
「ここじゃ話せないから~……崩れたシスター・カルタ教会の所で待っててくれる」
「……うん、わかった」
やばいドキドキしてきた。今までは必死だったからだけど、ここで言えばよかったかな。でもみんながいるし、さすがにそれは恥ずかしいし。
「アヴエロ、どこ行くの?」
「ソレイル、崩れたシスター・カルタ教会に」
「……そっ」
「姉さん、きっとネモネアが誘ったんだよ」
アヴエロは何の戸惑うことなくあたいたちがいるクリスロッサ村の外れから、上って進んでいくのを確認。
「……じゃあ、行こうかな……みんなゴメン、ちょっと用事で」
「はぁ~、何がちょっとよ、バレバレじゃない」
「う、うるさいな、モントッ」
「どうどうどうっ、ネモネア・プリンセス、落ちついてリラックス、リラックス~」
「う、うん、スーッ、ハーッ、スーッ、ゲホッゲホッ」
「あいつ大丈夫か」
「ゲホッ、じゃあ行ってくる」
「はい、がんばって!」
「フラれるなよっ!」
モントを睨みつけた。人の気も知らないで後でボコッてやる。でも、コレをすませなきゃ前に進めないと崩れた教会へと向かった……。
「――ここでいいでしょうか……やはりツオーゴの星は格別に綺麗ですね」
あたいも歩いているけど、ものすごい緊張して、
ドクンッ、ドクンッ、
とこんな始末。魔王とかの時の方が全然緊張しないのに、夜のせいでもってか鼓動がずっと止まらず足がすくむ。でも、何だか久しぶりで懐かしいドキドキ。
ガサッ、
と木の枝を踏むとやさしい風、
だがそこには予想していなかった人が、
「……え……ソレイル、どうしたの?」
「……ネモネアが気になってさ」
ソレイルだった。あたいのことを気になってって言うけど雰囲気が前と違ってどこか寂しそうに夜空を見上げてる。
「ソレイル……あの」
「ネモネア、最初と見たときとは比べ物にならないくらい成長したわね」
「え、ありがとう……」
「……自分の過去と向き合うなんて誰でも出来ることじゃない」
「どうしたのよソレイル、褒めてくれるのは嬉しいけど急にこんなところで」
ソレイルの顔半分しか見えなかったけど、こちらを向いて気配が変わる。
「……なに、ソレイル……」
「魔王シャンイレールとの戦いを終えて間もないのに、ごめんなさいネモネア……でも、ここはとおせない」
「な、なにを言っているの……まさか!」
「気がついた?」
剣を抜いたソレイル。
「じっとしててもいいわよネモネア……ただしあそこにはたどり着けないけど」
「ソレイル、くっ」
仕方なく爪を伸ばすけど、大切な仲間だから傷つけたくないから注意して戦わないと。
「どうしたのネモネア、いいのかしら会えなくて」
「くうっ、うわあぁっ」
爪を剣で受け止める。
「ソレイル、魔王に操られてるのね?」
「ふんっ!」
剣を手放し、あたいの右腕を持ち上げて投げ飛ばす。
「うわぁっと、ソレイル!」
「ホントッ、純粋なんだから……」
今度はソレイルから剣を下ろして来たのを、爪で止めた。
「まだわからないの?」
「だからなんなのよ」
距離をとったソレイル、
「貴女だけじゃないの……」
「……なにが」
「私もアヴエロのことが、好き」
「え……」
一陣の風に、落ち葉が飛んでいく……。
ゆっくり目を開くとそこは暗闇、地獄かな、いや星のような小さな光が見える。地獄にも星があるってことなんだろうか。
だけど隣から足音して、
「ネモネア」
その声にバッと身体を起こすと、その大好きな声の持ち主が、
「お帰り」
「アヴエロ……みんな……」
「「ネモネアッ!」」
アヴエロだった。そしてスオーロ、ソレイル、モント、エメールにクレマも。
「うっ、うっ……夢じゃないんだね……ぐすっ、げんじつ、なんだね」
「ぐすっ、そうだよネモネア……現実さ……君が生きているここは現実だ……それと女神フラデーア様は――」
女神フラデーアは蘇ることは無かった。あたいに渡した命では足りなかったんだ。そしてもう一度蘇るには多くの年月が掛かるという。それでも一時的にとはいえ魂だけの存在として甦れたのは、女神の装備と強い想いがあったからだという。
「ううっ、そっか、フラデーア様は甦れなかったんだ」
「うん、それで魂は返されてネモネアに、それと一緒になって女神フラデーア様は楽しかったと言って消えました」
楽しかったか、あたいの本当の気持ちを分からせてくれたのは女神フラデーアだったから、感謝しかない。
「ぐすっ、ほんとうによかったわねネモネア。ねっ、姉さん」
「……ええ……」
「どうしましたネモネア・プリンセス」
「……なんか……今でも信じられなくて……どうようしてんの」
焚き火チリチリとなる中、見渡せば本当にみんないる。居ないのはあたいを褒めてくれたアクアン老師だけ。命がけの戦いをしていたから亡くなる人が出るのは仕方ないけど、哀しい。
「うっ……うっ、ネモネア……」
「クレマも、生きててくれたのね」
「なんか、わかんないけど……ぐすっ、生きててよかった、ネモネア」
戦かったり、魔王シャンイレールの配下だったけど、いまさらあたいにそれは関係ない。
「きっと、あたいたち姉妹だから……」
「でも……あたしは魔王の……」
「それはあたいも一緒……だからお姉ちゃんは気にしない」
「今までごめんなさいネモネア……ううっ、お姉ちゃん……」
あたいがやり直せたんだ。クレマをシスター・カルタやジュリ達とならきっとうまくいく、あたいの妹とだもん。これで、
「……あのアヴエロ、話したいことがあるの」
「……なにを」
「ここじゃ話せないから~……崩れたシスター・カルタ教会の所で待っててくれる」
「……うん、わかった」
やばいドキドキしてきた。今までは必死だったからだけど、ここで言えばよかったかな。でもみんながいるし、さすがにそれは恥ずかしいし。
「アヴエロ、どこ行くの?」
「ソレイル、崩れたシスター・カルタ教会に」
「……そっ」
「姉さん、きっとネモネアが誘ったんだよ」
アヴエロは何の戸惑うことなくあたいたちがいるクリスロッサ村の外れから、上って進んでいくのを確認。
「……じゃあ、行こうかな……みんなゴメン、ちょっと用事で」
「はぁ~、何がちょっとよ、バレバレじゃない」
「う、うるさいな、モントッ」
「どうどうどうっ、ネモネア・プリンセス、落ちついてリラックス、リラックス~」
「う、うん、スーッ、ハーッ、スーッ、ゲホッゲホッ」
「あいつ大丈夫か」
「ゲホッ、じゃあ行ってくる」
「はい、がんばって!」
「フラれるなよっ!」
モントを睨みつけた。人の気も知らないで後でボコッてやる。でも、コレをすませなきゃ前に進めないと崩れた教会へと向かった……。
「――ここでいいでしょうか……やはりツオーゴの星は格別に綺麗ですね」
あたいも歩いているけど、ものすごい緊張して、
ドクンッ、ドクンッ、
とこんな始末。魔王とかの時の方が全然緊張しないのに、夜のせいでもってか鼓動がずっと止まらず足がすくむ。でも、何だか久しぶりで懐かしいドキドキ。
ガサッ、
と木の枝を踏むとやさしい風、
だがそこには予想していなかった人が、
「……え……ソレイル、どうしたの?」
「……ネモネアが気になってさ」
ソレイルだった。あたいのことを気になってって言うけど雰囲気が前と違ってどこか寂しそうに夜空を見上げてる。
「ソレイル……あの」
「ネモネア、最初と見たときとは比べ物にならないくらい成長したわね」
「え、ありがとう……」
「……自分の過去と向き合うなんて誰でも出来ることじゃない」
「どうしたのよソレイル、褒めてくれるのは嬉しいけど急にこんなところで」
ソレイルの顔半分しか見えなかったけど、こちらを向いて気配が変わる。
「……なに、ソレイル……」
「魔王シャンイレールとの戦いを終えて間もないのに、ごめんなさいネモネア……でも、ここはとおせない」
「な、なにを言っているの……まさか!」
「気がついた?」
剣を抜いたソレイル。
「じっとしててもいいわよネモネア……ただしあそこにはたどり着けないけど」
「ソレイル、くっ」
仕方なく爪を伸ばすけど、大切な仲間だから傷つけたくないから注意して戦わないと。
「どうしたのネモネア、いいのかしら会えなくて」
「くうっ、うわあぁっ」
爪を剣で受け止める。
「ソレイル、魔王に操られてるのね?」
「ふんっ!」
剣を手放し、あたいの右腕を持ち上げて投げ飛ばす。
「うわぁっと、ソレイル!」
「ホントッ、純粋なんだから……」
今度はソレイルから剣を下ろして来たのを、爪で止めた。
「まだわからないの?」
「だからなんなのよ」
距離をとったソレイル、
「貴女だけじゃないの……」
「……なにが」
「私もアヴエロのことが、好き」
「え……」
一陣の風に、落ち葉が飛んでいく……。
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