201 / 296
第12章 マムーチョ辺境侯爵領
第16話 追い詰められる皇帝
しおりを挟む
お忍びから宿舎の迎賓館に皇帝たちは戻ってくると、ノーマンは初めて見る皇帝の表情に戸惑っていた。
今回のお忍びでは罰せられるような言動もあったと彼も自覚はあった。皇帝が自分をどのような罰を与えるのか不安を感じていた。
応接間ではグリード侯爵が食べ過ぎた腹を擦りながら唸っていた。そんな彼の姿を見てノーマンは腹を立てながらも、先ほど見たハルのことを思い出していた。
「陛下、どこへ行ってらしたのですか? 私は勇者の遺産である料理を無理して一通り食べてきました。やはり帝国で再現は難しいですね」
グリード侯爵はやりきったと満足そうに話していた。ノーマンは能天気な彼の姿はやはりハルに重なると思ったが、やはり腹が立った。
(なんでこんな奴が外交担当の大臣なんだ!?)
ノーマンは自分の境遇を思い出して悲しくなった。
◇ ◇ ◇ ◇
ローゼン帝国の皇帝は内政重視であった。国力が強くなければ世界を統一できないと考えたからだ。
国内を安定させるのに戦力も必要で、戦力を拡大、維持するためにも経済が安定して税収が多くないといけない。もちろん貴族をまとめる指導力と政治力も必要になる。
何十年もかけて国内を安定させたが、ヴィンチザード王国との戦争で敗れ、その努力も半分が消えてしまった。
皇帝は敗戦したが基本方針に間違いはなかったと考えた。
戦争に敗れたのは油断と戦力不足だと判断したのだ。そしてまた何十年もかけて経済的にも戦力的にも以前よりローゼン帝国は強くなった。確実に勝利するために情報収集も進めたのだ。
皇帝は小国を吸収して大きくなったローゼン帝国を、自分だけではすべてを管理しきれないと感じて、皇帝は最終判断や方針を示すだけにすることにした。
その為に血族で優秀な者を育て、それまでは後継者として側面の強かった皇子を、国の重要な要職に就け、選定を定期的にしたのだ。
第一皇子はミニ皇帝ともいえるバランス型で、貴族をまとめる指導力が高い。それほど武力は強くないが体格は良かった。実質的には宰相のような立場で他の皇族や皇子たちのまとめ役でもあった。
第二皇子は武力が飛びぬけて高く、騎士や兵士の支持は非常に高いが乱暴な側面もあり、貴族からは敬遠されがちでもあった。だが名実ともローゼン帝国の将軍であった。
第三皇子は財政や税務が得意で、経済的に国力を増強するような改革や開発にもその才能を発揮した。
ヴィンチザード王国に敗戦するまで、皇帝はそれほど他国の情報や外交を重要視していなかった。
世界統一を目指す皇帝は従わなければ武力で侵略をした。最初に侵略した小国が呆気なく降伏したこともあり、それで十分だと皇帝は考えてしまったのである。
敗戦で他国の情報収集の重要性に気付いた。そこでそれまで三人だけだった皇子を増やしたのだ。
第四皇子のノーマンは武力の才能は無かったが、他国に留学していた経験があったので、他国の情報収集を任された。もちろん情報収集のために外交のようなことを任されていたが、それは情報収集が目的で外交など必要ないという方針は変わらなかった。
ノーマンは他国の情報を集めるほどに、皇帝の考える世界統一はすぐに頓挫すると気付き、外交の重要性を訴えてきた。しかし、その発言が弱腰だと他の皇子や貴族に反発されていたのだ。
実は第五皇子もいて、主に魔道具開発など研究や開発を任されていた。ようやく実戦で使える魔道具の開発もでき、成果が増えてきた。だから次の皇子選定では第四皇子と第五皇子の立場が入れ替わるだろうと言われていた。
◇ ◇ ◇ ◇
ノーマンは外交の重要性も考えずに、グリード侯爵のような人物が外交担当の大臣にする皇帝や他の皇子、そして貴族達の愚かさに嘆いていた。そして今回のことで、自分は皇族から放り出されるか良くて皇子は罷免されると思ったのである。
しかし、皇帝は予想外のことを言い出した。
「お主は食べることが外交とでも思っているのか?」
皇帝の声は驚くほど冷たかった。グリード侯爵もすぐに皇帝の雰囲気に気付き、焦ったように姿勢を正して皇帝に答えた。
「い、いえ、勇者関連は重要だと判断しただけです……」
「それで、王国側の情報や勇者関連の情報は何かつかめたのか?」
皇帝はさらに問い詰めるように尋ねた。グリード侯爵は顔色を変えて何か答えようとしたようだが、何も思いつかないのか沈黙してしまった。
グリード侯爵はヴィンチザード王国を見下していた。だから情報収集のために表面的だけでも友好的な態度をとることはできず尊大な態度で接していた。だからヴィンチザード王国側の誰もが、彼を無視したのである。結局グリード侯爵は初めて見る料理を楽しんだだけだったのだ。
「ノーマン、なんでこんな愚か者が外交担当の大臣をさせている?」
「そ、それは……」
人事的なことは第一皇子が仕切っていた。ローゼン帝国では重要視されていない外交担当の大臣は、政治的な取引としてのポストでしかなかったのである。ノーマンが皇帝にそんなことを言えば第一皇子に敵対する可能性もある。だから言い淀んだのである。
皇帝はノーマンの様子にイライラして言った。
「戻ったら人事を見直せ。情報収集も重要だが、外交についても見直す必要がある」
皇帝の発言はノーマンを驚かせていた。ノーマンに人事を見直せと命令したということは皇子として続けよという意味である。それに外交を軽視してきた皇帝が外交を見直す必要があると言い出したのである。
ノーマンはそのことに気付いて呆然としていたが、皇帝は続けざまにノーマンに尋ねた。
「もしローゼン帝国がヴィンチザード王国に戦争を仕かけたら勝てるか?」
ノーマンは想定外の質問に焦ったが、すぐにこれまでの情報で感じたことを正直に答えた。
「勝てないでしょう。それどころかホレック公国と同じ運命をたどる可能性が高いと思います」
「な、何を愚かなことを! だから殿下は弱腰だと言われるのだ!」
グリード侯爵は立ち上がってノーマンを罵倒した。皇子と言っても実質的には大臣かそれ以下の存在だと、侯爵はノーマンのことをそう考えていた。特に第一皇子はそう考えていて、大臣をグリード侯爵に任せたのである。
「黙れぇ、お前はこの地に来て何を見ておったのだ!」
皇帝の剣幕にグリード侯爵は真っ青になり、怯えた表情で沈黙してしまった。
「ノーマン、その理由を説明しろ!」
ノーマンも皇帝の剣幕に驚いていたが、丁寧に説明を始めた。
「このマムーチョ辺境侯爵領は実質的には黒耳長族が後ろ盾と考えられます。黒耳長族にはドラ美様を従魔にしているマッスル殿がいて、そのマッスル殿の噂もあながち嘘ではないと感じました。そしてヴィンチザード王国には大賢者テックスという人物もいて、彼らが勇者の知識を利用している可能性が高いと考えられます。マッスル殿と大賢者殿は仲間の可能性があり、一番重要なのは、彼らがヴィンチザード王国に利用されているのではなく、その後ろ盾、もしくは実質的な支配者である可能性も考えられるからです!」
ノーマンの話を聞いたグリード侯爵は唖然としていた。皇帝はそこまでは考えていなかったが、ノーマンの話を聞いて考え込んだ。
「そ、そんなことあり得ない……。勇者はローゼン帝国の……」
グリード侯爵はオロオロして呟いていた。
「それでお前はどうすべきだと考えるのじゃ?」
「ヴィンチザード王国とは対等な関係で不戦か友好の条約を結びます。そうなれば勇者関係の人物やハル様、ドラ美様と敵対することはないでしょう。友好条約を結べば勇者関連の情報も含め様々な知識が帝国にも入ってくるはずです。そうなれば帝国もさらに繁栄します。それにローゼン帝国とヴィンチザード王国が手を組めば戦争せずとも帝国の傘下になる国もあるでしょう」
皇帝の質問にノーマンは理由も添えて話した。
「そんな簡単な話とは思えぬがのぉ……」
皇帝も冷静に考えればノーマンの提案はそれほど間違っていないと感じてはいた。しかし、どうしてもヴィンチザード王国に敗戦したことや、勇者関連の知識を分け合うのは感情的に納得できなかった。
「簡単ではありません! 陛下が決断すれば反対する者はいないと思います。しかし、交流を始めれば対等な関係を築ける貴族はあまりいないでしょう。そうなれば帝国には勇者関連の知識がもたらされるのに時間がかかり、気付けばヴィンチザード王国のほうが大きくなっていることもあり得るのです……」
皇帝はノーマンの話を聞くと、改めてグリード侯爵を見てなるほどと思うのであった。
今回のお忍びでは罰せられるような言動もあったと彼も自覚はあった。皇帝が自分をどのような罰を与えるのか不安を感じていた。
応接間ではグリード侯爵が食べ過ぎた腹を擦りながら唸っていた。そんな彼の姿を見てノーマンは腹を立てながらも、先ほど見たハルのことを思い出していた。
「陛下、どこへ行ってらしたのですか? 私は勇者の遺産である料理を無理して一通り食べてきました。やはり帝国で再現は難しいですね」
グリード侯爵はやりきったと満足そうに話していた。ノーマンは能天気な彼の姿はやはりハルに重なると思ったが、やはり腹が立った。
(なんでこんな奴が外交担当の大臣なんだ!?)
ノーマンは自分の境遇を思い出して悲しくなった。
◇ ◇ ◇ ◇
ローゼン帝国の皇帝は内政重視であった。国力が強くなければ世界を統一できないと考えたからだ。
国内を安定させるのに戦力も必要で、戦力を拡大、維持するためにも経済が安定して税収が多くないといけない。もちろん貴族をまとめる指導力と政治力も必要になる。
何十年もかけて国内を安定させたが、ヴィンチザード王国との戦争で敗れ、その努力も半分が消えてしまった。
皇帝は敗戦したが基本方針に間違いはなかったと考えた。
戦争に敗れたのは油断と戦力不足だと判断したのだ。そしてまた何十年もかけて経済的にも戦力的にも以前よりローゼン帝国は強くなった。確実に勝利するために情報収集も進めたのだ。
皇帝は小国を吸収して大きくなったローゼン帝国を、自分だけではすべてを管理しきれないと感じて、皇帝は最終判断や方針を示すだけにすることにした。
その為に血族で優秀な者を育て、それまでは後継者として側面の強かった皇子を、国の重要な要職に就け、選定を定期的にしたのだ。
第一皇子はミニ皇帝ともいえるバランス型で、貴族をまとめる指導力が高い。それほど武力は強くないが体格は良かった。実質的には宰相のような立場で他の皇族や皇子たちのまとめ役でもあった。
第二皇子は武力が飛びぬけて高く、騎士や兵士の支持は非常に高いが乱暴な側面もあり、貴族からは敬遠されがちでもあった。だが名実ともローゼン帝国の将軍であった。
第三皇子は財政や税務が得意で、経済的に国力を増強するような改革や開発にもその才能を発揮した。
ヴィンチザード王国に敗戦するまで、皇帝はそれほど他国の情報や外交を重要視していなかった。
世界統一を目指す皇帝は従わなければ武力で侵略をした。最初に侵略した小国が呆気なく降伏したこともあり、それで十分だと皇帝は考えてしまったのである。
敗戦で他国の情報収集の重要性に気付いた。そこでそれまで三人だけだった皇子を増やしたのだ。
第四皇子のノーマンは武力の才能は無かったが、他国に留学していた経験があったので、他国の情報収集を任された。もちろん情報収集のために外交のようなことを任されていたが、それは情報収集が目的で外交など必要ないという方針は変わらなかった。
ノーマンは他国の情報を集めるほどに、皇帝の考える世界統一はすぐに頓挫すると気付き、外交の重要性を訴えてきた。しかし、その発言が弱腰だと他の皇子や貴族に反発されていたのだ。
実は第五皇子もいて、主に魔道具開発など研究や開発を任されていた。ようやく実戦で使える魔道具の開発もでき、成果が増えてきた。だから次の皇子選定では第四皇子と第五皇子の立場が入れ替わるだろうと言われていた。
◇ ◇ ◇ ◇
ノーマンは外交の重要性も考えずに、グリード侯爵のような人物が外交担当の大臣にする皇帝や他の皇子、そして貴族達の愚かさに嘆いていた。そして今回のことで、自分は皇族から放り出されるか良くて皇子は罷免されると思ったのである。
しかし、皇帝は予想外のことを言い出した。
「お主は食べることが外交とでも思っているのか?」
皇帝の声は驚くほど冷たかった。グリード侯爵もすぐに皇帝の雰囲気に気付き、焦ったように姿勢を正して皇帝に答えた。
「い、いえ、勇者関連は重要だと判断しただけです……」
「それで、王国側の情報や勇者関連の情報は何かつかめたのか?」
皇帝はさらに問い詰めるように尋ねた。グリード侯爵は顔色を変えて何か答えようとしたようだが、何も思いつかないのか沈黙してしまった。
グリード侯爵はヴィンチザード王国を見下していた。だから情報収集のために表面的だけでも友好的な態度をとることはできず尊大な態度で接していた。だからヴィンチザード王国側の誰もが、彼を無視したのである。結局グリード侯爵は初めて見る料理を楽しんだだけだったのだ。
「ノーマン、なんでこんな愚か者が外交担当の大臣をさせている?」
「そ、それは……」
人事的なことは第一皇子が仕切っていた。ローゼン帝国では重要視されていない外交担当の大臣は、政治的な取引としてのポストでしかなかったのである。ノーマンが皇帝にそんなことを言えば第一皇子に敵対する可能性もある。だから言い淀んだのである。
皇帝はノーマンの様子にイライラして言った。
「戻ったら人事を見直せ。情報収集も重要だが、外交についても見直す必要がある」
皇帝の発言はノーマンを驚かせていた。ノーマンに人事を見直せと命令したということは皇子として続けよという意味である。それに外交を軽視してきた皇帝が外交を見直す必要があると言い出したのである。
ノーマンはそのことに気付いて呆然としていたが、皇帝は続けざまにノーマンに尋ねた。
「もしローゼン帝国がヴィンチザード王国に戦争を仕かけたら勝てるか?」
ノーマンは想定外の質問に焦ったが、すぐにこれまでの情報で感じたことを正直に答えた。
「勝てないでしょう。それどころかホレック公国と同じ運命をたどる可能性が高いと思います」
「な、何を愚かなことを! だから殿下は弱腰だと言われるのだ!」
グリード侯爵は立ち上がってノーマンを罵倒した。皇子と言っても実質的には大臣かそれ以下の存在だと、侯爵はノーマンのことをそう考えていた。特に第一皇子はそう考えていて、大臣をグリード侯爵に任せたのである。
「黙れぇ、お前はこの地に来て何を見ておったのだ!」
皇帝の剣幕にグリード侯爵は真っ青になり、怯えた表情で沈黙してしまった。
「ノーマン、その理由を説明しろ!」
ノーマンも皇帝の剣幕に驚いていたが、丁寧に説明を始めた。
「このマムーチョ辺境侯爵領は実質的には黒耳長族が後ろ盾と考えられます。黒耳長族にはドラ美様を従魔にしているマッスル殿がいて、そのマッスル殿の噂もあながち嘘ではないと感じました。そしてヴィンチザード王国には大賢者テックスという人物もいて、彼らが勇者の知識を利用している可能性が高いと考えられます。マッスル殿と大賢者殿は仲間の可能性があり、一番重要なのは、彼らがヴィンチザード王国に利用されているのではなく、その後ろ盾、もしくは実質的な支配者である可能性も考えられるからです!」
ノーマンの話を聞いたグリード侯爵は唖然としていた。皇帝はそこまでは考えていなかったが、ノーマンの話を聞いて考え込んだ。
「そ、そんなことあり得ない……。勇者はローゼン帝国の……」
グリード侯爵はオロオロして呟いていた。
「それでお前はどうすべきだと考えるのじゃ?」
「ヴィンチザード王国とは対等な関係で不戦か友好の条約を結びます。そうなれば勇者関係の人物やハル様、ドラ美様と敵対することはないでしょう。友好条約を結べば勇者関連の情報も含め様々な知識が帝国にも入ってくるはずです。そうなれば帝国もさらに繁栄します。それにローゼン帝国とヴィンチザード王国が手を組めば戦争せずとも帝国の傘下になる国もあるでしょう」
皇帝の質問にノーマンは理由も添えて話した。
「そんな簡単な話とは思えぬがのぉ……」
皇帝も冷静に考えればノーマンの提案はそれほど間違っていないと感じてはいた。しかし、どうしてもヴィンチザード王国に敗戦したことや、勇者関連の知識を分け合うのは感情的に納得できなかった。
「簡単ではありません! 陛下が決断すれば反対する者はいないと思います。しかし、交流を始めれば対等な関係を築ける貴族はあまりいないでしょう。そうなれば帝国には勇者関連の知識がもたらされるのに時間がかかり、気付けばヴィンチザード王国のほうが大きくなっていることもあり得るのです……」
皇帝はノーマンの話を聞くと、改めてグリード侯爵を見てなるほどと思うのであった。
277
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。