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きゅうわ

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「おはよう、華ちゃん。」
「うん、おはよう。香織ちゃん!」

教室につくと、笑顔で香織ちゃんが話しかけてきた。

今日もかわいい香織ちゃんに、少し癒される。
自分の席に座ると、当たり前だけど隣に攻略対象者、宇佐波優が座っている。その周りには、群がるように女子がいる。

確かに、宇佐波優はかっこいいもんね。
でも、机の横で群がるのはやめて欲しい。さっきから、女子が当たってきてちょっと痛い。

もう、なんでもいいからやめてー。

「おい、さっきからワーワーうるさいだよ。散れ。てか、さっきから伊月さんに迷惑かけてんの気づいてる?」


私の名前が出たことに驚き思わず横を見る。
その声は、女子の群れの真ん中から聞こえて、確かに宇佐波優の声だった。
声からでも、苛立っているのが分かる。
女子は、宇佐波優からそう言われるとは思っておらず驚き顔を青くした。

「ごっゴメンなさい。」そう言って、女子が逃げるように去っていく。


「えっと、宇佐波くん。ありがとう?」

えっと、これってお礼言うべきだったのかな。でも、宇佐波くんのせいでもあるし?嫌でも、宇佐波優くんも被害者みたいなものなのかな?
ぐちゃまぜの考えで、ありがとうの後ろに?がついてしまう。


宇佐波くんは、ふっと頬を緩ませ、

「伊月さんって、面白いな。百面相してたよ?」

「えっ、ウソ!」

てか、笑顔!さっきまでの雰囲気と違って優しい笑顔にキュンとする。

いや、でも関わらないって決めたし!

「これからよろしくな、伊月さん。」
「うっうん。よろしく。」

満面の笑みで言うのやめて欲しい。関わらないと決めていてもその笑顔には、やられてしまいます。


ちょうどよく、先生が入ってきてホームルームが始まる。


先生の話を聞いてる時、ふと隣を見ると、宇佐波優と目があい微笑んでくる。

また、胸がキュンと音を立てた。


恐るべし、イケメン。
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