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課外授業一日目〜二日目(もう私の知る彼はいない) sideユリカ

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 ユリカside
「??アメリアさ…………ッッ」
 目の前でアメリアさんの体が傾いた
 手を掴もうと手を伸ばしたが、その手は、空を切りアメリアさんの体は、『トプンッ』と静かに音を鳴らし、地面に文字どうり
 その瞬間、ユリカは周りに気配を巡らせた
 そうして写った影……その顔が見えてすぐ、ユリカは顔を歪めた
 それは、困惑と憤怒、それでいて泣きたいそんな複雑な感情を表に出した表情
 するとツゥーと頬に水が伝う感覚がした
 そこでユリカは初めて自分が泣いている事に気づいた
 私は今、静かに涙を流しながら、怒っているのだと
 けれどそれに対して、私の頭の中は、どうして?なんで?ねぇ?そんな言葉で溢れていた
 ユリカが泣きながら顔を歪め、困惑しているところに、前の人物が私を呼んだ
「ユリカ」そう言った声は、声色は、ユリカが知っていると変わっていなかった
 いや、記憶より少し低くなった成人した男性の声だった
「な、に?」
 ユリカは、正直目の前の人物が会えた喜びと怒りと共に怖かった
 何故なら、彼は、彼は、全てユリカの知っている彼だけれど彼では無いから
 これは、ユリカの直感でしかない
 見た目も話し方も声も行動も癖も気配も全て全て私の記憶の中にいる彼
 けれどユリカは彼は記憶の彼と違うと訴えている
 直感……私は、ユリカは、直感が時に記憶や知識より役に立つことを知っている
 だって、それをユリカ教えてくれたのは───今、目の前にいる彼なのだから


 私ユリカ・サリーナは、特殊な家元で育った少し泣き虫な少女である
 小さな頃から魔物と魔獣の戦闘に明け暮れ、家族……いや村人全員で村を守って
 そんな日常が崩れたのは、一人の人間のくだらないプライドだった
 くだらない……本当にくだらない一人の人間のプライド
 そんなプライド故に誰も気にしなかった
 それが数年後に大きく大きく膨れ上がるなんて───当時の私達には予想も出来なかった

 ユリカには、当時村で唯一張り合う事の出来る程の強さを持った十個上の幼なじみの男の子がいた
 名前は、クルス・アルスーナ
 ユリカは、この十個上の幼なじみに恋していたし、憧れていた
 そうしてユリカが五歳、クルスが十五歳まで楽しく、時に厳しく、そして幸せに暮らして
 ユリカは、こんな穏やかで楽しい暮らしが一生続くと思っていた
 けれどある日、本当に突然私の幸せが崩れた
 
 一人の人間が暴走したことによって起こった大きな事件だった
 それは、時期村長を決める時に起きた

 時期村長を決める時、継ぐ、継ぎたいと宣言した人は二人いた
 村長の長男と長女だ
 二人は、掟に倣い武力での戦闘で決めようとした
 けれど何がなんでも勝ちたかった長男は、ある魔法具……いや呪具を使った
 それは、呪った相手の意識……いや命を奪うもの
 そうして決戦前日に発動した
 それが間違いだった
 その呪具には、願いにを要求する呪具だった
 そして代償は、魔物を引き寄せる事……正確には、魔物の幾万とする大量の命
 命を集めるため魔物や魔獣を寄せ集め───村を襲った
 何万とも言える大量の魔物と魔獣
 村人は、すぐさま散り散りに別れ駆除して行った

 結果、魔物と魔獣の駆除は成功したが……その代わり一人の青年が行方不明になった

 その行方不明になった青年が彼、

 クルス・アルスーナ

 ユリカの初恋であり、憧れだった男の子だ

 その話は、誘拐と決まった
 痕跡も遺体もなく消えたクルス
 その代わり、村の近くに落ちていた薬の瓶

 後にその呪具を発動した長男は、反省をすることなくついには……「妹……兄が女である妹に負けるなんて許されない!」とのたまった
 長男は、その後人知れず消え死んだ。他殺だった
 そしてその他殺は、ユリカは犯人がクルスだと疑っていた
 何故なら太刀筋が、ユリカのよく知っているクルスそのものだったから
 そんな彼とクルスと今、10年ぶりに再開した
 それも最悪の形で
 今、目の前にいる彼は、私の敵だ
 ユリカはそう判断し、いつも太腿に巻いて持ち歩いているナイフを取り出し構えた
 初恋がなに?憧れがなに?
 私達の村の心得は、【味方でも敵なら全力で】
 私は、もうあの時の泣き虫だった私じゃない
 私は誰?私は、クルスの幼なじみであり、友達を大切にする女の子
 それが私、ユリカ・サリーナ
「絶対に負けない」
 目の前の彼は、私の固い意思に気づいたのか
「はぁ……あまり傷をつけたくなかったんだが」と呟き
 その瞬間ユリカの視界は揺れた瞬殺だ
「ごめんねクルス……」
 その言葉が目の前の彼に届いたのかは、彼にしか分からない


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 前の???sideの人とクルス・アルーナは、同一人物です。
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