悪役令嬢は演じるものだったのに、私だけが本物だった

悪役令嬢。

それは今や、王都で最も人気のある“役柄”だった。

婚約破棄。
公開断罪。
涙ながらのざまぁ劇。

誰もが舞台の上で悪役を演じ、破滅し、喝采を浴びる。

――その流行を作ったのは、私だった。

退屈な貴族社会を壊すため。
つまらない令嬢たちに“華”を与えるため。

私は悪役令嬢を量産した。

高慢な話し方。
扇子の使い方。
嫌味な笑み。
婚約者を奪う手口。

全てを教えた。

けれど、ある日気付いてしまう。

皆は演じていただけだった。

破滅しても笑って次へ進める。
恋をして、友情を築いて、生き直していく。

――私だけを除いて。

嫉妬も、執着も、憎悪も。
全部、本物だった。

これは、悪役令嬢という流行を作った女。
最後に誰からも愛されず破滅する。
24h.ポイント 384pt
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