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第三章 遺跡の役目

第18話 撤去作業の横で

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「で、結局どうするんだ?」
「お願いします」
「分かった」
ノアからの返事を聞いて、家を作る。

「じゃ、入って。あと、レイとエリスもね」
「やっぱり、手伝わないとダメ?」
「私も人のを見るのは気が進まないかな」
「私も見られるのは……」
レイが渋り、エリスも気が乗らないと言い出すのを聞いたソルトが『はぁ~』とため息を吐く。
「じゃあ、リリスとシーナに頼むか。お~い「やる!」」
「手伝うから」
「そうね。私も気が変わったわ」
「……」

ノア達に家に入って貰うと、ベッドを用意して、その上にノアに四つん這いになってもらう。
「ここにですか?」
「そうだ。何か問題でも?」
「……恥ずかしいです」
そう言って、顔を赤く染め下を向くノアにソルトが『睡眠』と呟く。その場で崩れ落ちたノアをベッドに乗せ、四つん這いの格好にすると、ソルトは徐に下着を脱がす。
「うわ……大胆……」
「病人相手に遠慮することでもないだろ。ほら、見ろ。コレがヂヌシだ」
「へ~こうなってるんだ」
「レイ、私にも見せてよ。なるほどね、こりゃ痛そうだね」
「ああ、痛いぞ。座る度にだからな」
「もしかして、経験者なの?」
「ああ、一度な」
「じゃあさ、ソルトがヂヌシになったら私がしてあげるね」
「何をって……まさか」
「そ! 私がしてあげるから! ほら、続き、続き!」
何故かはしゃぐレイに不安を覚えながらも施術を再開する。

「じゃあ、次は触診だ。でも、素手でするのはちょっと、躊躇うな。指サックみたいなのがあればいいんだけど」
「ないなら作れば?」
「作る?」
「ほら、まだオークとか持っているんでしょ? なら、その腸を使えば代用品にはなるんじゃないの」
「ああ、なるほどね……って、どこから、そんな情報を?」
「だって、昔は羊のがその……アレの……代わりだったんでしょ?」
「アレ?」
「だから、アレよ! 男女で使う……もう、分かるでしょ!」
「ああ! でも、よく知ってたな、そんなこと。使ったこともないだろうに」
「それは、色々よ。分かるでしょ! 思春期なんだから!」
「もう、二人でなんの話をしてるのよ。私にも分かる様に話してよ」
下半身を剥き出しにして、お尻を突き出した状態のノアの横でそんな他愛もない話をしていたソルト達にエリスが不機嫌に言う。

「じゃあ、その説明はレイがしといて。俺はちょっと解体してくるから」
「ちょ、ちょっと、ソルト! なんで私が」
「説明出来るだろ」
「ちゃんと説明してね」

エリスがレイの腕を掴み、レイに微笑む。どうやら、ちゃんと話すまでは放す気はないらしい。ソルトはその様子を見てから、家の外に出ると、一体のオークを取りだし解体すると小腸を切り取る。そして解体途中のオークを無限倉庫に収納し、切り分けた小腸に『浄化』を掛けてから家に戻る。

家の中に戻ったソルトが見たのは、頬を赤く染めたレイとエリス、それとお尻を突き出したままのノアだった。

「なんで、二人とも顔が赤いんだ? 今、一番恥ずかしいのは間違いなくノアの方だと思うんだけど?」
「だって、あんな話を聞かされたのよ。そりゃ、赤くもなるわよ。みんなレイのせいよ!」
「何よ! エリスが聞きたがるからじゃない!」
「何よ!」
「何さ!」
「いいから! ノアが風邪をひかない内に終わらせるぞ」
「「は~い」」

さっき、切り分けた小腸を二人の前に広げる。
「確かにコレなら使えそうね」
「レイは分かるの? もしかして、見たことあるの?」
「少しだけ……ね」
エリスの言葉にレイが少しだけ頬を染め、ソルトを見る。
ソルトもレイに見られことがあるのを思い出す。『あの時か』と。

「まあ、そんなことはいいから。ほら、用意したこれを人差し指と同じくらいの長さにして切るんだ」
ソルトは自分の分を切り取ると、二人にも同じ様に切り取るように言う。
「え? 触診するのはソルトなんでしょ? なんで私達まで?」
「なんでって、何事も経験だろ? ほら、文句は言わない。言うなら、交代するまでだ」
「「するから!」」

なんとかレイ達も小腸を切り取り、準備が出来たようなので触診へと移る。
「いきなり入れたら痛いよな。え~と、ならコレでいいか」
料理用にと取っておいたラードを取りだしたソルトは満遍なく右手の人差し指にはめた小腸に塗りたくる。もちろん、レイ達にも同じことをするようにいう。

「じゃあ、これから触診だ。いいか? この指を入れたら、少しだけ指先を曲げてゆっくりと一周させるんだ。こんな風にな」
ソルトが右手の人差し指をノアの患部に躊躇うことなく入れる。
「「ああ!」」
それを見ていたレイとエリスが思わず声を漏らし、ノアの体もソルトの指に呼応するようにビクッとなる。

「ああ、やっぱり核があるな。こりゃ相当切ることになるかもな」
ソルトがノアから指を引き抜くと、レイ達にも触診するように言う。
「本当にしないとダメ?」
「イヤならこ「するから!」う……なら、早くしないとノアが風邪ひくぞ」
「分かったわよ! エリスもするのよ!」
「わ、分かったわよ」
「もう、どうしてこんなことに……」

なんとか触診を終わらせた二人にソルトが尋ねる。
「どう? 結構、大きいのが分かったでしょ? で、アレをいまから切り取らなきゃいけないんだけど……」
「寝てるとはいえ、ちょっと同情しちゃうわね」
「そうよね。私もならないように気を付けないと」

患部を切り取り易くするためにソルトが器具を用意する。
「こんなものか。じゃ、レイとエリスはこれで患部を切り取るのに邪魔にならないように広げてくれるかな」
「マジで?」
「え? 広げるの?」

ソルトだって広げたくはないけど、切るんだからと言い聞かせて、なんとか広げてもらう。
「じゃあ、そのままでね」
レイ達がなんとか広げている間に患部を切り取り、『除菌』し、『ヒール』を掛けると傷口が塞がる。

「はい、これで終わり」
そう言って、ソルトがパンツを履かせようとすると、ここから先は自分達がするからと言われ、家から追い出される。

家から出たソルトにリリス達が側に寄ってくる。
「終わったんですか?」
「ああ、終わったよ。切り取った患部もあるけど、見る?」
「「見ません!」」
リリスにシーナは即答するが、カスミ達は興味津々って顔だ。

「見るなら、ノアに許可を取ってからにするんだぞ」
そうカスミに言って聞かせるソルトに対し、リリスが聞いてくる。
「あの……誰でもなるんでしょうか?」
「そうだね。特に女性の場合はなりやすいと聞いた覚えがあるけど。食生活とか普段から気を付けていれば大丈夫だとは思うけどね」
「気を付ける……ですか。例えば、どんなことに?」
「まず便秘だね」
ソルトの言葉にサクラとシーナ以外が顔を伏せる。
「予備軍か……」

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