ぼくらが永遠だったころ

 山崎貴文は、遠い親戚から譲られたヘッセ詩集の中に挟まった紙片を見つける。そこにドイツ語で書かれていたのは、そんな一文から始まる顔も知らない親戚の秘密。
 昭和八年。牧師館の息子トニーと、遼太郎の淡い初恋。別れが迫る中、彼らは最後に秘密の旅に出る──。
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