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326、ごめんねの返答 斗真side
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コンコン
「はい、」
「奏くん連れてきたわよ。」
奏くんは母さんの後ろに隠れている。
俺のことが怖いのか……
「奏くん、ごめんなさい。」
「っ!……ぁ……違うっ…違う…」
頭を下げて謝ると慌てて母さんの後ろから出てきた。
「怖い思いをさせてごめんなさい。」
「違うっ……斗真さんは悪くない。僕が…僕が悪いの。」
「あとは2人でしっかり話し合いなさい。私たちは下にいるわね。」
「ああ、ありがとう。」
母さんと透が部屋を出て奏くんと2人きりになった。
「奏くん、俺の気持ちを聞いてくれる?」
コクリ
「さっきトイレに連れて行ったのはね、奏くんが吐き気で辛そうだったから吐かしてあげようと思って連れて行ったんだ。だから、怒って連れて行ったんじゃないんだ。でも、俺が何も言わずに連れて行ったから誤解させて怖がらせてしまった。ごめんなさい。」
「……怒ってない?」
「怒ってないよ。」
「…………どうして?」
「うーん、……怒ることじゃないからかな。」
「でも……でも……」
「奏くんはどうして怒らせたと思ったの?奏くんの気持ちを聞かせて。」
「……僕が……僕が斗真さんにいっぱい迷惑をかけたから……」
「迷惑??」
「僕が何もできないから斗真さんはずっと僕に構ってて……寝てる時も邪魔して…斗真さんに迷惑ばかりかけてる。」
「そっか…迷惑か…何一つ迷惑なんて思ってないよ。」
フルフル
「どうしたら信じてくれるかな、もし本当に迷惑だって思ってたらこんなに構ったりしないよ。構いたくなるくらい可愛いからなんでもしてあげたくて一緒にいるんだよ。」
「……どうして…」
「うーん、」
やっぱりそう簡単に納得してくれないか。
「どうして斗真さんは怒らないの…僕は斗真さんに怒られることしたのに…」
「怒らないよ。怒るようなことしてないからね。」
「でも僕は、」
「奏くんは怒った?」
「え?」
「俺は奏くんが怒ってると思ってた。」
「僕は怒ってない。」
「どうして?」
「だって、斗真さんは悪いことしてないから。」
「そうかな?俺は怒らすことをしたと思ってるよ。
奏くんの気持ちも考えずに怖い思いをさせた。」
「僕は怒ってない。」
「どうして怒ってないの?」
「だって…だって…斗真さんは悪くないから……」
「一緒だよ。俺の気持ちも同じ。奏くんが悪かったって思ってることは俺は悪い事だと思ってないから怒らないんだよ。」
「……………………………………………………分かった……」
しばらく黙り込んで納得してくれた。
かなり渋々の返答だったが今はこれで十分だ。
「でも、ごめんね。」
「っちが、」
優しく抱きしめてもう一度謝ると否定して胸を押し返される。
「奏くんに怖い思いをさせたことに変わりないから、ごめんね。」
「…………っ…大丈夫…怖いない……」
「ごめんね、もう同じことはしないからね。」
「っ……」
「俺のこと許してくれる?」
「……コクリ、」
許すも何も怒ってないと言いたい顔だがこのやり取りをしたくて無理に頷かせた。
「許してもいいかなって思ったら『いいよ』って言うんだよ。」
「……いいよ?」
「ありがとう。」
今まで一方的に怒られ「ごめんなさい」と言っても相手から許されることはなかったんだろう。
悪い事をした時は謝り許されることを知ってほしかった。
「……僕も、ごめんなさい。」
「いいよ。」
「……ありがとう……いいの??」
「いいよ。俺は奏くんのことを許すよ。」
俺も奏くんには怒ってないけど、今の奏くんには許される言葉が必要だった。
「はい、」
「奏くん連れてきたわよ。」
奏くんは母さんの後ろに隠れている。
俺のことが怖いのか……
「奏くん、ごめんなさい。」
「っ!……ぁ……違うっ…違う…」
頭を下げて謝ると慌てて母さんの後ろから出てきた。
「怖い思いをさせてごめんなさい。」
「違うっ……斗真さんは悪くない。僕が…僕が悪いの。」
「あとは2人でしっかり話し合いなさい。私たちは下にいるわね。」
「ああ、ありがとう。」
母さんと透が部屋を出て奏くんと2人きりになった。
「奏くん、俺の気持ちを聞いてくれる?」
コクリ
「さっきトイレに連れて行ったのはね、奏くんが吐き気で辛そうだったから吐かしてあげようと思って連れて行ったんだ。だから、怒って連れて行ったんじゃないんだ。でも、俺が何も言わずに連れて行ったから誤解させて怖がらせてしまった。ごめんなさい。」
「……怒ってない?」
「怒ってないよ。」
「…………どうして?」
「うーん、……怒ることじゃないからかな。」
「でも……でも……」
「奏くんはどうして怒らせたと思ったの?奏くんの気持ちを聞かせて。」
「……僕が……僕が斗真さんにいっぱい迷惑をかけたから……」
「迷惑??」
「僕が何もできないから斗真さんはずっと僕に構ってて……寝てる時も邪魔して…斗真さんに迷惑ばかりかけてる。」
「そっか…迷惑か…何一つ迷惑なんて思ってないよ。」
フルフル
「どうしたら信じてくれるかな、もし本当に迷惑だって思ってたらこんなに構ったりしないよ。構いたくなるくらい可愛いからなんでもしてあげたくて一緒にいるんだよ。」
「……どうして…」
「うーん、」
やっぱりそう簡単に納得してくれないか。
「どうして斗真さんは怒らないの…僕は斗真さんに怒られることしたのに…」
「怒らないよ。怒るようなことしてないからね。」
「でも僕は、」
「奏くんは怒った?」
「え?」
「俺は奏くんが怒ってると思ってた。」
「僕は怒ってない。」
「どうして?」
「だって、斗真さんは悪いことしてないから。」
「そうかな?俺は怒らすことをしたと思ってるよ。
奏くんの気持ちも考えずに怖い思いをさせた。」
「僕は怒ってない。」
「どうして怒ってないの?」
「だって…だって…斗真さんは悪くないから……」
「一緒だよ。俺の気持ちも同じ。奏くんが悪かったって思ってることは俺は悪い事だと思ってないから怒らないんだよ。」
「……………………………………………………分かった……」
しばらく黙り込んで納得してくれた。
かなり渋々の返答だったが今はこれで十分だ。
「でも、ごめんね。」
「っちが、」
優しく抱きしめてもう一度謝ると否定して胸を押し返される。
「奏くんに怖い思いをさせたことに変わりないから、ごめんね。」
「…………っ…大丈夫…怖いない……」
「ごめんね、もう同じことはしないからね。」
「っ……」
「俺のこと許してくれる?」
「……コクリ、」
許すも何も怒ってないと言いたい顔だがこのやり取りをしたくて無理に頷かせた。
「許してもいいかなって思ったら『いいよ』って言うんだよ。」
「……いいよ?」
「ありがとう。」
今まで一方的に怒られ「ごめんなさい」と言っても相手から許されることはなかったんだろう。
悪い事をした時は謝り許されることを知ってほしかった。
「……僕も、ごめんなさい。」
「いいよ。」
「……ありがとう……いいの??」
「いいよ。俺は奏くんのことを許すよ。」
俺も奏くんには怒ってないけど、今の奏くんには許される言葉が必要だった。
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