20 / 41
セイロン島上陸作戦
しおりを挟む
空母 赤城
我々は粛々とセイロン島に向けて前進し続ける。
航空隊で上陸船団付近を哨戒させている。
今のところ敵艦はやはり発見できないのだが。
そして、敵艦の代わりに見えたのは島である。
セイロン島が遂に見えたのだ。
一週間に及んだ航海が終わる。
陸軍は慣れない長い航海で体調を崩す者もいて、病院船は満員に近くなっていた。
その為、陸軍の兵はこの島の発見を喜ぶ者が多い。
まるで新大陸を見つけたような喜び方である。
そして。
上陸作戦が開始される。
陸軍の大発が次々にセイロン島に向かっていく。
士気はある程度高くなっている。
間宮の差し入れも大きかっただろう。
間宮を連れてきて良かった。
羊羹や饅頭によってかなり士気が上がった。
・・・それでいいのか?
そんなことを思いながら艦爆隊や艦爆隊、艦砲射撃によって上がっている火をみるの
だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ようやく人生の中で最も恐ろしい船旅が終わる。
99式短小銃を抱え、大発から降りる。
多少敵の発砲音が聞こえる。
しかし、あまり弾は飛んでこない。
上陸してすぐに見えたのは地上から上がる炎である。
敵兵力はほぼ壊滅していた。
そして、僅かに見えた敵兵も我々の持った99式短小銃や100式機関短銃で一掃さ
れる。
殺害された兵士の死体が見える。
しかし、最初は順調に侵攻できていたのだが、一週間もすれば前線は停滞した。
前線に我々の爆撃や砲撃で破壊された建物があり、その瓦礫で我々が立てこっている。
「糞!」
今も機関銃からの発砲が続いている。
しかも、命中精度は悪いが、重砲をこちらに撃ってくる。
重い音があたりに響く。
最悪の気分である。
自分だけではない。
全体の士気が下がっている。
「おい!早く擲弾筒で敵機関銃を黙らせてくれ!」
擲弾筒を持つ兵は必死に敵に当てようとしているが、今のところ有効打が出せていな
い。
トリンコマリー港は占領できたが、そこから侵攻することができない。
偵察機で偵察情報を求めているのだが、飛行場の修理が終わっていないようだ。
平土機で飛行場を修理しているそうだ。
その為にガソリンを輸送船で運んでくるという噂を聞いたので攻撃されて、そのガソ
リンが爆発することを恐れていたが、全く持って必要ない心配だったようだ。
ガソリンが運ばれていたのは本当だったが、攻撃が無かったため問題無かった。
陸軍の熱望により、海軍が我が偵察機も特設空母に乗せてもらえたため、滑走路の修
理が終わったら、高高度からの偵察と航空優勢を期待できる・・・とのことだった。
空母はシンガポールに帰還したため、また敵航空戦力も破壊されているのでので現在
上空に航空機は見えない。
「この空にはもうすぐ我が陸軍の航空機が見えるのか。」
早くそうなることを祈りたいものである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第17軍司令部
「戦況はどうなんだ?」
「やはり、現在前線は停滞しているようです。」
輸送船の中から見るに、既に破壊された港に再攻撃という、無慈悲な攻撃であったが
まだ、生き残って戦闘している者もいるのか・・・
我々は制海権を獲得し、ほぼ輸送船団は沈められず、補給がある程度安定している一
方、敵軍は海軍によって輸送船団をことごとく沈められ、物資不足のはずが、敵兵は
根強い反撃をしてきている。
彼らの戦いぶりは、敵ながらあっぱれと言えるだろう。
しかし、もうすぐそれも終わる。
間もなく飛行場の修理が終わる。
重砲弾が命中することもあったが、その破壊を乗り越え、修理が進んでいる。
前、平土機を見てみたのだが、かなり変わった見た目だった。しかし、実際に使用し
ている工兵に聞くと、
「非常に使い易いです。もうこれを一度使ったら、手作業での飛行場建設、修理なん
て出来ませんよ。」
とまで言っていた。
実際かなり急速に修理は進んでいる。
「まあ、間もなく飛行場の修理が完了し、航空優勢が期待出来るだろう。」
そして、数日後飛行場の修理が完了し、我が陸軍の飛行隊が上陸した。
そして、点検を終了した機が次々と陸を離れていく。
そして、三日もすれば毎日のように爆撃が行われることになった。
司令部からも爆発がよく分かる。
前線からの情報では、砲撃がだいぶ正確になったのもあり、機関銃や重砲が放たれる
ことが減り、そのうちに前進することが出来ているようだ。
「この調子なら間もなく陥落させられるか?」
まあ、陥落させられるだろう。
その後、じわじわと敵兵を追い詰めていった。
そして、。
セイロン島の全部隊が降伏した。
奴らはもう既に弾薬は尽き、食料不足で苦しみ、あらゆる戦力で劣りながらよく戦っ
ていた。
そして、この戦いでは明らかに、降伏した者よりも戦死した者の方が多いだろう。
降伏した部隊も既に満身創痍であり、すぐに野戦病院に運ばれた。
奴らの必死の戦闘により我々も一定の被害を出した。
しかし、これでインド攻略の道が開けた。
「これで、インド上陸作戦が実行できますね。」
二見参謀長が話しかけてくる。
「ああ、遂にアジアからイギリスを追い出せるな。」
まあ、正確にはまだ西アジアは解放できないのだが。
だが、インドを失えば英国は力を大きく失うだろう。
その為にインドを解放しなければいけない。
万全を期してインドを解放しに行く。
我々は粛々とセイロン島に向けて前進し続ける。
航空隊で上陸船団付近を哨戒させている。
今のところ敵艦はやはり発見できないのだが。
そして、敵艦の代わりに見えたのは島である。
セイロン島が遂に見えたのだ。
一週間に及んだ航海が終わる。
陸軍は慣れない長い航海で体調を崩す者もいて、病院船は満員に近くなっていた。
その為、陸軍の兵はこの島の発見を喜ぶ者が多い。
まるで新大陸を見つけたような喜び方である。
そして。
上陸作戦が開始される。
陸軍の大発が次々にセイロン島に向かっていく。
士気はある程度高くなっている。
間宮の差し入れも大きかっただろう。
間宮を連れてきて良かった。
羊羹や饅頭によってかなり士気が上がった。
・・・それでいいのか?
そんなことを思いながら艦爆隊や艦爆隊、艦砲射撃によって上がっている火をみるの
だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ようやく人生の中で最も恐ろしい船旅が終わる。
99式短小銃を抱え、大発から降りる。
多少敵の発砲音が聞こえる。
しかし、あまり弾は飛んでこない。
上陸してすぐに見えたのは地上から上がる炎である。
敵兵力はほぼ壊滅していた。
そして、僅かに見えた敵兵も我々の持った99式短小銃や100式機関短銃で一掃さ
れる。
殺害された兵士の死体が見える。
しかし、最初は順調に侵攻できていたのだが、一週間もすれば前線は停滞した。
前線に我々の爆撃や砲撃で破壊された建物があり、その瓦礫で我々が立てこっている。
「糞!」
今も機関銃からの発砲が続いている。
しかも、命中精度は悪いが、重砲をこちらに撃ってくる。
重い音があたりに響く。
最悪の気分である。
自分だけではない。
全体の士気が下がっている。
「おい!早く擲弾筒で敵機関銃を黙らせてくれ!」
擲弾筒を持つ兵は必死に敵に当てようとしているが、今のところ有効打が出せていな
い。
トリンコマリー港は占領できたが、そこから侵攻することができない。
偵察機で偵察情報を求めているのだが、飛行場の修理が終わっていないようだ。
平土機で飛行場を修理しているそうだ。
その為にガソリンを輸送船で運んでくるという噂を聞いたので攻撃されて、そのガソ
リンが爆発することを恐れていたが、全く持って必要ない心配だったようだ。
ガソリンが運ばれていたのは本当だったが、攻撃が無かったため問題無かった。
陸軍の熱望により、海軍が我が偵察機も特設空母に乗せてもらえたため、滑走路の修
理が終わったら、高高度からの偵察と航空優勢を期待できる・・・とのことだった。
空母はシンガポールに帰還したため、また敵航空戦力も破壊されているのでので現在
上空に航空機は見えない。
「この空にはもうすぐ我が陸軍の航空機が見えるのか。」
早くそうなることを祈りたいものである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第17軍司令部
「戦況はどうなんだ?」
「やはり、現在前線は停滞しているようです。」
輸送船の中から見るに、既に破壊された港に再攻撃という、無慈悲な攻撃であったが
まだ、生き残って戦闘している者もいるのか・・・
我々は制海権を獲得し、ほぼ輸送船団は沈められず、補給がある程度安定している一
方、敵軍は海軍によって輸送船団をことごとく沈められ、物資不足のはずが、敵兵は
根強い反撃をしてきている。
彼らの戦いぶりは、敵ながらあっぱれと言えるだろう。
しかし、もうすぐそれも終わる。
間もなく飛行場の修理が終わる。
重砲弾が命中することもあったが、その破壊を乗り越え、修理が進んでいる。
前、平土機を見てみたのだが、かなり変わった見た目だった。しかし、実際に使用し
ている工兵に聞くと、
「非常に使い易いです。もうこれを一度使ったら、手作業での飛行場建設、修理なん
て出来ませんよ。」
とまで言っていた。
実際かなり急速に修理は進んでいる。
「まあ、間もなく飛行場の修理が完了し、航空優勢が期待出来るだろう。」
そして、数日後飛行場の修理が完了し、我が陸軍の飛行隊が上陸した。
そして、点検を終了した機が次々と陸を離れていく。
そして、三日もすれば毎日のように爆撃が行われることになった。
司令部からも爆発がよく分かる。
前線からの情報では、砲撃がだいぶ正確になったのもあり、機関銃や重砲が放たれる
ことが減り、そのうちに前進することが出来ているようだ。
「この調子なら間もなく陥落させられるか?」
まあ、陥落させられるだろう。
その後、じわじわと敵兵を追い詰めていった。
そして、。
セイロン島の全部隊が降伏した。
奴らはもう既に弾薬は尽き、食料不足で苦しみ、あらゆる戦力で劣りながらよく戦っ
ていた。
そして、この戦いでは明らかに、降伏した者よりも戦死した者の方が多いだろう。
降伏した部隊も既に満身創痍であり、すぐに野戦病院に運ばれた。
奴らの必死の戦闘により我々も一定の被害を出した。
しかし、これでインド攻略の道が開けた。
「これで、インド上陸作戦が実行できますね。」
二見参謀長が話しかけてくる。
「ああ、遂にアジアからイギリスを追い出せるな。」
まあ、正確にはまだ西アジアは解放できないのだが。
だが、インドを失えば英国は力を大きく失うだろう。
その為にインドを解放しなければいけない。
万全を期してインドを解放しに行く。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
94
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる