日は沈まず

ミリタリー好きの人

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作戦開始

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セイロン島

今建設の視察をしている。

建設は無事に進んでいる。

飛行場の修理は完了したが、基地としての機能を強化している。

燃料タンクを設置し、掩体壕を建設している。

やはり建設の為の整地には平土機が活躍する。

壊れる平土機もあるにはあるが、かなり壊れたものは少ない。

安心した。

便利なこの機械だが、壊れてしまえばただの鉄屑である。

その為、慎重に使用し、整備を念入りに行っている。

整地はかなりの速度で進む。

唸り声を上げながら進む平土機を高台から見る。

力強く地面を進む。

凸凹な土地が通ると明らかに平らになっていく。

ここには修理を行う工場が建てられる。

「良い光景ですね!」

「ああ。」

我々の力によってアジアを解放し開発している。

欧米列強による支配をここでは終わらせたのだ。

次はインドの解放を行う。

我々による新秩序を構成するのだ。

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参謀本部

遂にインド攻略作戦についての会議が開始される。

インドを攻略する前提条件は既に完遂できているといえる。

前線基地としてセイロン島の占領、海軍による英艦隊の殲滅、通商破壊。
さらにセイロン島からのインド本土空襲。

そして、海軍の特別陸戦隊も投入される。

彼らは上陸作戦の為の訓練を行ってきている。

これだけ聞いたら、まさにこの作戦の為の特殊部隊といえる。

実際は練度は高いが、構成しているのは予備役だった者達らしい。

まあ大丈夫であろう。

また、インド国民軍も血の滲むような訓練を我々とともに行ってきた。

言語の壁は厚く存在したが、ヒンドゥー語の分かる者を派遣してもらい、何とか言葉
の壁を超えた。

中々上手く意思疎通が出来なかったが、彼らの士気は祖国を解放するということで高
かった。

その士気に押され言語の壁をなんとか超えることが出来た。

彼らの士気が無ければ言語の壁を超えることは出来なかっただろう。

彼らの何人かは簡単な日本語を覚えて多少の意思疎通を簡単にすることが可能になっ
ていた。

彼らにもインドに共に上陸し、戦闘と内部の協力者集めに従事してもらうことになる。

特にヒンドゥー語を喋ることができるため住民の説得の強力な味方となるだろう。

それに同じインド人の方が信頼出来るだろう。

間もなく上陸作戦が実行される。

我が軍もインド国民軍もインド解放の為に努力してほしい。

この作戦が終われば、我々としては援蒋ルートを断つことができ、また、インドにあ
る鉄資源を輸入することが出来る。

これで資源不足を多少改善することができる。

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第十七軍司令部

「これから最終作戦確認を行う。」

視察を終えて司令部に戻り、上陸作戦の確認が始まる。

「我々はインド南部に上陸。南部の都市マドラスを攻略する。」

「味方はアンダマン・ニコバル諸島、ビルマから上陸する。勿論上陸にはどちらにも
 それぞれ海軍の支援がつく。」

「そして、我々には海軍の特別陸戦隊が共に戦ってくれる。まあ我々の足を引っ張る
 ことはないだろう。この作戦には連携が不可欠である。」

「マドラスを攻略出来たら他地点に上陸した部隊と合流する。そこからは北上して
 いく。民間人は丁重に扱い、絶対に攻撃を加えるな。この作戦では現地民の協力も
 必要になる。」

「また、降伏したインド兵部隊は我々に好意的であるならばそのまま部隊に取り込む
 ことを許可する。」

『は!』

そんなことは耳に胼胝ができるほど聞いているといった顔をしている。

「くれぐれも注意しろよ。インドを守るイギリス司令官は死守命令すら出されている
 可能性がある。彼らにとっては最後のアジアの拠点なのだからな。逆に言えば我々
 がインドを制圧出来ればイギリスをアジアから追い出せる。各員努力せよ。」

『は!』

「司令官。我々の意識するべきことはありますか?」

「改めて言うが、無理に前進しない。これを意識せよ。さもなければ膨大な被害を出
 す可能性がある。」

「は。」

遂に作戦が開始されるというのに、消極的な姿勢を見せたのが悪かったのか明らかに
嫌な表情をされる。

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トリンコマリー港

「はぁ。」

前にここに来るまでに上陸船団でシンガポールから来たのだが、人生で一番嫌な経験
となった。

しかし、同程度に今回も危険な船旅となるだろう。

目標距離は短い・・・が敵の警戒が強いという意味では今回の方が危険である。

今回は地上からの砲撃の危険がある。

いくら爆撃で事前に破壊させるとはいえ、心配なものは心配である。

まあ、そんなに心配することは無いか。

我が軍が組織されセイロン島に向かうように伝えられた時人生で最も絶望した。

死を覚悟し、遺書も残しておいたのだが全く無駄となったのだ。

今回もなんだかんだ問題ないであろう。

そんなことを考えて結局怖かったのだが、もはや退くことはできず上陸船に乗り込む
のだった。

横にはインド国民軍と海軍特別陸戦隊が乗り込んだ船もある。

自分の後ろの者も乗り込み、やがて抜錨する。

我々はインドに向かう。

全てはアジア、帝國の為に。
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