日は沈まず

ミリタリー好きの人

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今後の方針

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軍令部

「まだ戦争は終わらないか・・・」

本当は半年で戦争を終らせて勝ち逃げしたかったのだが。

外交交渉で戦争を終わらせたかった。

アメリカ太平洋艦隊を完膚なきまで叩き潰し、インドも攻略すれば講和に応じてもら
えると思ったのだが。

そう甘くなく、我々に復讐しようとしている。

その為我々はさらに敵に被害を与えなければならない。

その為次の目標はオーストラリアである。

第一航空艦隊をオーストラリアに派遣する。

その中には鹵獲艦が混じっている。

それは空母炎龍(旧エンタープライズ)宝龍(旧ホーネット)である。

どちらも旧ヨークタウン級である。

炎龍はかなり酷い壊れ方をしていたのだが、必死の修理と他の艦での搭乗員育成によ
りあと1年で戦力化することが出来るだろう。

宝龍には奮龍が命中しなかったため育成済みの搭乗員を異動させ、慣れさせるだけで
戦力化出来た。

この搭乗員育成は主に鳳翔で行われている。

戦闘を経験した搭乗員に指導させた。

やはり実戦をくぐり抜けているだけあって指導が良かった。

まあ、感覚で戦っている者ではなく理論で戦っている者を指導に当てた。

それにより練度は日に日に高くなった。

ちなみにもう一つの鹵獲空母の新龍(旧サラトガ)は搭乗員の補充が完了し、間もな
く横須賀を出港し、セイロン島に向かう。

俺はセイロン島に送るのではなく南太平洋に向かわせるべきだと思うが。

まあ、軍令部が言ってるからには逆らえない。

「・・・英国が今の状態でこちらに艦隊を送ってくるかよ・・・」

「ま・・・まあ備えておいて損は無いですよ・・・」

「来ないところに備えるよりも次なる作戦に備えるべきではないのか?」

「・・・・」

参謀が押し黙る。

「はぁ。」

皆分かっているのだ。

新龍は南太平洋に送るべきなのだ。

「まあ、”しんりゅう”と交代で龍驤が再び太平洋に来ますから・・・」

本来は”さらりゅう”と呼ぶのだが、やはり普段ほとんど使わない読み方をする為、も
はや”しんりゅう”と呼ぶのが定番となっている。

まあ、幸い米国太平洋艦隊はほぼ壊滅。

ニューギニア、ソロモン諸島、バンクス諸島、ニューカレドニアの補給線を断ち、艦
隊で徹底的に攻撃し、10月頃に陥落させた。

夏までには陥落させる予定だったが、執拗な爆撃と米軍の圧倒的な火力、地雷原によ
り陥落は難しくなっていた。

だが、飛行場の仮建設、修理により、制空権を確保。

また、艦砲射撃、補給線破壊により、陥落させた。

これでポートモレスビーからの空襲に頭を抱える必要が無くなった。

代わりとして沢山の帝國兵が無くなってしまったが。

しかし、その英雄が眠る場から毎日のように陸軍の百式重爆撃機が離陸し、オースト
ラリアを爆撃している。

これでオーストラリアを攻略する準備は整った。

しかし、止めと大砲屋を納得させるためにとある作戦が実行されることになった。

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オーストラリア・メルボルン

今月も、最悪の気分で始まった。

先月も最悪だった。

彼らは非常に大きな爆撃を実行した。

新聞を読んだときの気分は絶望だった。

ここまで爆撃音が聞こえてきたのだ。

その音を聞いていた時は何の音かよくわからなかったが、後に考えるとその音は明ら
かに爆撃であった。

しかし、ここまでは流石に爆撃は届かないであろう。

爆撃機は恐らポートモレスビーからここまで飛んでこないだろう。

距離が遠すぎる。

そんなことを考えると炸裂音が聞こえる。

「!?」

振り返ると後ろから炎が上がっている。

炎が上がっているのは軍事施設だ。

魚雷か爆弾の爆発事故だと信じたい。

しかし、残念ながら鉄の塊が飛んでくる。

「逃げろ!!」

叫びながら自分も逃げる。

後ろを見てみる。

後ろには沢山の鉄の城が見える。

あれが日本海軍か・・・

こんな時の為に買っておいた双眼鏡で見る。

恐らく戦艦7隻とその護衛の重巡洋艦6隻である。

そして、戦艦6隻と重巡洋艦は新聞で見たことがあり、覚えているのだが、一隻の戦
艦は見たことが無い。

あの戦艦の主砲は他の艦の主砲よりも多く、しかも3連装砲である。

その艦の砲弾も含めて我々に降ってくる。

人生で最も恐ろしい雨である。

「!?」

すぐ近くで砲弾が炸裂した。

もう動けない。

そして、仰向けになった状態で降ってくるのが見える砲弾を見て、自分は死を悟るの
だった。

「ああ・・・」

そして、自分は吹き飛ばされた。

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ドイツ第三帝国

日本は大勝利を続けている。

連合艦隊が米艦隊、英艦隊を潰した。

さらにインドをはじめとした植民地を占領している。

これが来たら地中海どころかドーバー海峡の制海権が取れるだろう。

その為にはスエズを落とさなければいけないだろう。

ソ連にまわしていた戦力の一部をまわし、補給を優先して行っている。

地中海の敵艦隊による被害が出ているが仕方ない。

その地中海を我々のものにするための戦いを行っているのだから。

間もなくエル・アラメインは陥落するだろう。

そこを陥落させればスエズまでは一直線である。

砲弾と爆弾の雨を敵軍に降らせて陥落させようとしている。

しかし、予想外の長期戦となっている。

しかし、戦闘は日に日に我々に優勢となっている。

「まだか・・・エル・アラメインが陥落するのは・・・」

「恐れながら・・・あと1カ月はかかるかと・・・」

「糞!あんなところ早く陥落させてスエズを落とせ!」

「は・・・はぁ。」

「それを通達しておきます。ハイル・ヒトラー!」

右手を斜め上に出す敬礼を終えて部屋を出ていった。
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