2 / 118
第1章
02 悪役王子の生き残りをかけた思惑
しおりを挟む
――1人になりたい。
この世界がライトオブホープだと気付いたその時から俺はパニクっていた。
だが平静を装い回りから不審に思われないように、悪役王子を貫いている。
しかし、何の罪もない周りの人達、むしろ親に放っておかれている可哀想なデブを世話してくれている恩人たちにひどい言葉をかけ続けるのも限界だ。
今後の事もじっくりと考えたい。
ああ、一人になりたい。
そう思い始めて何時間たっただろう。
就寝時間がきたようだ。やっと一人になれる。そう思っていた俺だったが、
「今日は、誰をお伴にされますでしょうか?」
年配の使用人頭が聞いてきた。
そうだった⁉このデブ一人になることがないんだ!
「……今日は一人で寝る。」
慌てて使用人頭が言う。
「それはいけません‼ご就寝の最中に何かございましたら大変です‼」
確かに、寝ていてこのデブがベットから落ちでもしたら誰かの首が飛ぶ。今までの俺なら確実に飛ばしていただろう。
でもね、でもね?こんなでけぇベットから落ちねぇし‼落ちるとかいってる方が失礼だし!どんだけ寝相悪いって?デブだが寝相は悪くない。(誰も言ってない)
「……お前の首が飛びたくなければ、俺を一人にしろ。」
(もうほんとにこのデブ放っておいて。)
「ヒィ~‼はい!かしこまりました‼外で待機させますので何かありましたら、すぐにお声をお掛けください‼」
「ああ、分かっている。」
それを最後に、いそいそと他にいた数名の使用人たちも一緒に出ていった。
……シーン。
静かだ。
無駄に広いこの寝室でデブ一人。
そっとふかふかのベットに腰をおろす。そして賢者タイムがやってきた。
今まで10年間の俺。周りが王の子供だから逆らえない事をいいことに、好き勝手やってきた。本当に恥ずかしい。あんな事やこんな事、思い出したら顔から火が噴き出しそうだ!
しかし、10分くらいで賢者タイムを終わらせ、気持ちを切り替える。
俺には時間がない。
幸いまだアレンは5才。修正はきくはずだ。きかないと死あるのみ!
――俺はどうしたい?
死にたくない!これが大前提だ。俺は民衆に殺される。
――何故俺は殺される?
魔王が復活した時、王でありながら民を救わず、勇者の邪魔をし、王の血を引いていないことがバレて殺される。
……ということは、王にならなければいいのか?
でも、だからといってすぐに主人公に王位を譲ると勇者になって貰えない。とりあえず、主人公はごめんだけど追い出す。追い出した後に王が死ぬ前に逃げ出す。
しかし俺が居なくなって主人公に王座への白羽の矢が立つと不味いな。逃げ出すタイミングが大事だ。逃げ出したあとも見つからないようにしないといけないし、生きていくために少しは身を守れるようにしなくてはいけない。外は危険がいっぱいだ。
「だいたいこいつ、魔法とか使えんのかな?」
主人公の邪魔をしていたが、こいつ本人は戦わない。こいつが雇った魔術師やら、戦士やら、最後は禁断の魔術で甦らせた古代の魔物も差し向けて来る。メインストーリーは魔王との戦いだが、こいつはこいつで、主要キャストで主人公が魔王を倒した後に王になる為の噛ませ犬的存在。キャラデザインでは油ギッシュなニキビ面の金髪デブ。とても魔法や剣術に長けてるようには見えなかった。じっとボンレスハムのような手を見る。
「……無理だろうなぁ。」
先ずは痩せよう。
そして、魔法習おう。
剣術も習おう。
あっ!主人公も一緒に習っておけば後々あいつ楽かもなぁ。まぁ、天賦の才能があるから15才からでもメキメキ強くなるし、チートなスキルもバンバン持ってるから大丈夫なんだけどな。
やるべき事が分かってきた俺は少しホッとした。
希望の光はある。
だってこの世界は「ライトオブホープ」の世界なんだから――。
ベットの端に横になり天井を見つめる。ホッとしたら眠くなってきた。何せまだまだお子ちゃまだ。目をそっと瞑る。
「……明かりはどうやったら消えるんだ?」
僕ちん寝れないんだけど……
この世界がライトオブホープだと気付いたその時から俺はパニクっていた。
だが平静を装い回りから不審に思われないように、悪役王子を貫いている。
しかし、何の罪もない周りの人達、むしろ親に放っておかれている可哀想なデブを世話してくれている恩人たちにひどい言葉をかけ続けるのも限界だ。
今後の事もじっくりと考えたい。
ああ、一人になりたい。
そう思い始めて何時間たっただろう。
就寝時間がきたようだ。やっと一人になれる。そう思っていた俺だったが、
「今日は、誰をお伴にされますでしょうか?」
年配の使用人頭が聞いてきた。
そうだった⁉このデブ一人になることがないんだ!
「……今日は一人で寝る。」
慌てて使用人頭が言う。
「それはいけません‼ご就寝の最中に何かございましたら大変です‼」
確かに、寝ていてこのデブがベットから落ちでもしたら誰かの首が飛ぶ。今までの俺なら確実に飛ばしていただろう。
でもね、でもね?こんなでけぇベットから落ちねぇし‼落ちるとかいってる方が失礼だし!どんだけ寝相悪いって?デブだが寝相は悪くない。(誰も言ってない)
「……お前の首が飛びたくなければ、俺を一人にしろ。」
(もうほんとにこのデブ放っておいて。)
「ヒィ~‼はい!かしこまりました‼外で待機させますので何かありましたら、すぐにお声をお掛けください‼」
「ああ、分かっている。」
それを最後に、いそいそと他にいた数名の使用人たちも一緒に出ていった。
……シーン。
静かだ。
無駄に広いこの寝室でデブ一人。
そっとふかふかのベットに腰をおろす。そして賢者タイムがやってきた。
今まで10年間の俺。周りが王の子供だから逆らえない事をいいことに、好き勝手やってきた。本当に恥ずかしい。あんな事やこんな事、思い出したら顔から火が噴き出しそうだ!
しかし、10分くらいで賢者タイムを終わらせ、気持ちを切り替える。
俺には時間がない。
幸いまだアレンは5才。修正はきくはずだ。きかないと死あるのみ!
――俺はどうしたい?
死にたくない!これが大前提だ。俺は民衆に殺される。
――何故俺は殺される?
魔王が復活した時、王でありながら民を救わず、勇者の邪魔をし、王の血を引いていないことがバレて殺される。
……ということは、王にならなければいいのか?
でも、だからといってすぐに主人公に王位を譲ると勇者になって貰えない。とりあえず、主人公はごめんだけど追い出す。追い出した後に王が死ぬ前に逃げ出す。
しかし俺が居なくなって主人公に王座への白羽の矢が立つと不味いな。逃げ出すタイミングが大事だ。逃げ出したあとも見つからないようにしないといけないし、生きていくために少しは身を守れるようにしなくてはいけない。外は危険がいっぱいだ。
「だいたいこいつ、魔法とか使えんのかな?」
主人公の邪魔をしていたが、こいつ本人は戦わない。こいつが雇った魔術師やら、戦士やら、最後は禁断の魔術で甦らせた古代の魔物も差し向けて来る。メインストーリーは魔王との戦いだが、こいつはこいつで、主要キャストで主人公が魔王を倒した後に王になる為の噛ませ犬的存在。キャラデザインでは油ギッシュなニキビ面の金髪デブ。とても魔法や剣術に長けてるようには見えなかった。じっとボンレスハムのような手を見る。
「……無理だろうなぁ。」
先ずは痩せよう。
そして、魔法習おう。
剣術も習おう。
あっ!主人公も一緒に習っておけば後々あいつ楽かもなぁ。まぁ、天賦の才能があるから15才からでもメキメキ強くなるし、チートなスキルもバンバン持ってるから大丈夫なんだけどな。
やるべき事が分かってきた俺は少しホッとした。
希望の光はある。
だってこの世界は「ライトオブホープ」の世界なんだから――。
ベットの端に横になり天井を見つめる。ホッとしたら眠くなってきた。何せまだまだお子ちゃまだ。目をそっと瞑る。
「……明かりはどうやったら消えるんだ?」
僕ちん寝れないんだけど……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,991
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる