黒の騎士と銀の少年

マメ

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「はあ…ルディ様……! これからは、こうしてあなたをいつでも愛する事ができるのですね……!」

 男はすでにほぐれていた尻の穴にペニスを宛がい、ゆっくりと労わるように侵入させてきた。

「…う、んっ……、グラインさん…もっと、もっと強く、俺を愛してください……!」

「ルディ様……! 私の人生を、あなたに捧げます……!」

「ああっ、凄いっ……!」

 男はルディを組み敷き、きつく抱きしめたまま深く深く突いてくる。突かれる度に声が漏れて、その唇を塞がれた。男の瞳は熱に浮かされ、目の前の人間が逃げようとしているなんて思ってもいないだろう。

 いや、もしかしたら、さっきのように知っていて泳がしているのかもしれない。世界最強の男が、自分なんかに夢中だなんて、おかしな事もあるものだ。

「ルディ様、ルディ様……!」

「グラインさん…、もっと、舐めて…もっと触って……!」

 男は一度ペニスを抜き、今まで自分のモノが入っていた場所をじっくりと観察している。

「ああ…ここに、私のモノが入っていたのですね…こんな小さな場所に…本当に……」

 指を入れられながら観察されると、さすがに恥ずかしい。男が中に出したモノまで掻き出されて、その感触に身体を震わせていたら、今度はそこに吸いつかれてしまった。

「あっ……」

「ああ…美味しい…あなたのここは甘い蜜が溢れているかのようだ……」

「……」

 さすがにそれはないだろ…と思ったが、ここは合わせなくてはまずいか。

「グラインさん…もっと、中、舐めて……」

「ルディ様…気持ちがいいのですか?」

「は、はい…あなたに、中、舐められると……すごく、気持ちがよくて…頭がおかしくなりそうです……」

「あなたの思うままにいたします…何という光栄……」

 男は涙を流しながら、ルディの穴を舐めている。時には舌を差し込み、中の粘膜まで愛撫されると、自分の身体がビクビクと痙攣した。

「ルディ様、ここはどうですか?」

「あっ、そこは……! 待っ……」

 男は指で前立腺を擦り上げた。ルディの身体が跳ねたのを確認した男は、さらにグリグリと責め立てる。

 もうダメだ。早く入れて欲しくて仕方がない。ルディは自分の意思とは関係なしに、男のペニスに手を伸ばしていた。

「はあ、はあ、グラインさん、指じゃなくて、お願いっ、あなたのこれを…、入れてくださ……!」

「……っ、今、入れて差し上げます……!」

 男は涙目で訴えるルディに降参したらしい。息遣いがさらに荒くなり、すぐにペニスを入れてくれた。

「ああっ、これ、好き……! グリグリして……!」

 あまりにも気持ちよすぎて、意識が朦朧としてくる。気づけば自分から腰を振っていて、男にキスまでしていた。

「ああ…ルディ様…どこでこんな技を覚えたのです……! 絶対に、あなたにこれを教え込んだ輩を許しません……!」

 男はうわごとの様に呟いているが、ルディには聞こえていなかった。目の前にある快楽が強すぎて、それしか頭に入らなくなっていた。

「ああ…グラインさん…好き…好き……!」

「ルディ様……! 愛しております……!」

 今度は大きく足を広げられ、太股が腹につくほど身体を折り曲げられた。男に穴が丸見えになり、興奮した男に再び舐められた。そして、垂直に突き刺すようにペニスを挿入されると、その途端に自分のペニスが潮を吹いた。

「ああ…ルディ様の…美味しい……」

 男はペニスを突き刺しながらも、ルディの出すものは見逃さなかった。すぐに胸まで飛び散った透明な液体を舐め始め、うっとりとしながら味わっている。

「ルディ様…私の子種をお受け取りください……!」

「グラインさん……!」

 ドクドクと熱を持った液体が注がれ、全部入りきらずに穴の隙間からこぼれていく。それを卑猥だなあ…と他人事のように見つめていると、男がはあはあと息を荒げ、抱きしめながら耳元で囁いた。

「ルディ様…フィドラーでは、男同士でも子を設ける事ができるのをご存知ですか?」

「え……?」

「一時的に女性器を作り、男同士でも子を作る事ができるのです」

「そ、そうなのですか?」

 そんなの知らない。世界的にもそんな国はなかったはずだが、この男が嘘を言っているのか?

 戸惑うルディを優しくなだめ、男はさらに言った。

「世界的には知られておりません。フィドラーだけの制度です」

「そ、そうですか」

「ルディ様…フィドラーに戻ったら、私の子を孕んでください…今のように、せっかくあなたと愛し合うのに、子種を無駄にするような事はしたくありません……!」

 そう呟いた男の顔はどこか狂気じみていて、ルディは選択を誤った事を悟ってしまった。

「ひっ……!」

 迷わずに、言う事を聞いたフリをせずに逃げればよかった。この様子では、絶対に男から逃げられない。

「ルディ様……」

「んっ……」

「ああ…可愛らしい……愛しています……」

 男はいまだにルディを貫いたまま、ぎゅっと抱きしめてくる。

 これは好きだし、気持ちがいい。今まで抱きしめられる事なんてなかったから。

 でも、さっきのような狂気を目にすると怖い。

 俺はどうすればいいんだろう。このまま従順でいるか、逃げるべきか。

「ルディ様、もっと、抱かせてください。もっと、あなたを食べてしまいたい」

 キスされながらそう言われ、返事ができずに抱きしめ返してしまうと、男はOKのサインだと思ったのか、再び腰を揺らし始めた。

「あっ、あっ……!」

「ルディ様、ルディ様……!」

 答えを出そうとする度に男にキスされ、頭が真っ白になる。

 ダメだ。やっぱり何も考えられない。どうしよう。どうしよう。

「ルディ様、あなたは何も考えなくていいのです。何も考えずに、ずっと私に抱かれていてください。愛していますよ」

「あっ、んっ……」

 何も考えなくていいのか? 本当に?


 こうして、結局答えは出せないまま、二人の夜は更けていった。


Fin.
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