【短編】好きじゃない人と、嫌いじゃない夜
32歳OLと、35歳サラリーマン。
同棲して3年。
関係は冷え切っているわけじゃないけど、沸騰もしない。
クリスマスの朝、プレゼント交換の後に始まったのは、ロマンチックなキスではなく「白髪抜き」だった。
「痛っ!」「うわ、太い」
お互いの老化を確認し合い、栄養ドリンクで乾杯する。
「好き」という感情より、「同じ速度で老いていく」という事実が、二人を繋ぎ止めている。
地味で、現実的で、どうしようもなく安心する「妥協」の記録。
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