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◇114 今度はリアルの海に行きたい
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腕にズキズキとした痛みが残る。
噛みつかれたらしく、黄色い紐はウミヘビだった。
鋭い牙で腕に痕が残る中、アキラは【甲蟲】を使って武装する。
「アキラそれウミヘビだよ! 早く解毒しないと」
「そんなの後でいいから。とにかく今は!」
ウミヘビの体を掴み、無理やり腕から引き剥がす。
硬い籠手に阻まれて牙がギザギザにへし折られる。
ウミヘビはキィーと甲高い声を上げたが、そのまま砂浜に戻って来たアキラはNightたちの目の前でウミヘビを叩きつけた。
「そりゃぁ!」
ウミヘビのHPが削れる。
1回で半分以上なくなり、2回目では息もしていなかった。
すぐに経験値に変わってしまい、消滅した。
「アキラ大丈夫、ウミヘビは!」
「大丈夫だよ。もう倒しちゃったから」
「倒したのって、そんな場合じゃないよね。毒は大丈夫? ってそんなことないかー」
ウミヘビに噛まれた傷跡が残る。
しばらく経てば直に治るだろうが、それでも痛々しい。まるで吸血鬼に噛まれたみたいだった。
すると騒ぎを聞きつけた3人が武装してやってくる。
「どうした」
「何かあったのですか?」
3人は周囲に警戒を向ける。
しかし肝心の敵の姿はもうない。アキラが倒してしまったからだ。
「ううん、もう終わったよ」
「終わった? 何があった」
アキラは3人に事情を話した。
すると雷斬とベルは心配してアキラに取り付き、Nightもまたアキラに質問した。
無論体調に関してだ。
「何処か痛い場所はないか。辛いとは感じないんだな」
「大丈夫だよ。ちょっと痛かったけど……」
痛々しい牙の跡が残る。
【甲蟲】を使う前だったので、素肌に2つの穴ができており、未だに指が微かに震えている。
だけどそれ以外は特に問題なく、へし折った牙の残りは【甲蟲】と一緒に取れてしまった。
体の中に違和感はなく、ステータスオープンしてみるものの、何一つ異常はない。
しかも今の戦闘? でレベルアップしたらしい。今更だけどMPっているのかな?
◇アキラ
LV28 《ヒューマン》
HP 200
MP 200
筋力 40
賢さ 42
敏捷 35
精神 150
幸運 100
装備品[武器]普通の剣
装備品[防具]桜色のスチームパンクジャケット
種族スキル 【順応】
固有スキル 【キメラハント】:【半液状化】【甲蟲】【灰爪】【幽体化】【毒無効】【2段階攻撃(連撃)】、【ユニゾンハート】:【ファーストコール】
これがアキラの現状だ。
精神と幸運だけバグったみたいに高かった。
「そいつはイエロー・サーペントだな」
「サーペント?」
「ウミヘビの英語名だ。とにかく、こいつは強力な毒素を持っている。おまけに麻痺効果もあるからな、注意しろ」
「噛まれた後に言われてもね」
確かにとフェルノたちは納得した。
しかしフェルノが気になるのは、アキラがピンピンしていることだ。強力な毒を跳ね除けるなんて、普通はできない。
と思ったが、最近出番の少ないアキラが奪ったスキルをすぐに思い出す。
「アキラよく無事だったね。もしかしてスキル使った?」
「うん。【毒無効】は自動発動だからね」
オロチコンダを苦戦しながらも倒せてよかった。
この間のツインビーの時もそうだが、毒を使うモンスターは結構多い。
そんなモンスターたちにも勇敢に戦いを挑めるのは、アキラが毒を無効にできるからだった。常に前線に立って、決まった形はないのだが以外にもしっかりとした陣形になっていた。
「全く、大したメンツだ」
「あはは、自分も含めてよね」
アキラは笑っていた。それを笑って言えることが凄いのだが、みんな微笑んでいる。
そうこうしていると、気が付けばそろそろお開きの時間になる。
全員で片づけをする中、アキラはふと手を止めて振り返る。
「でもさ……」
この1日でかなり遊び疲れた。だけど不満もある。
海の方を見ながらアキラは思う。きっと誰にも聞こえていないだろうから。
「楽しかったけど、今度はリアルの海に行きたいなぁー。なんて」
アキラは疲れを見せながら、本音を吐露していた。
そんなこんなで残りの夏休みも終わりを迎えた。
噛みつかれたらしく、黄色い紐はウミヘビだった。
鋭い牙で腕に痕が残る中、アキラは【甲蟲】を使って武装する。
「アキラそれウミヘビだよ! 早く解毒しないと」
「そんなの後でいいから。とにかく今は!」
ウミヘビの体を掴み、無理やり腕から引き剥がす。
硬い籠手に阻まれて牙がギザギザにへし折られる。
ウミヘビはキィーと甲高い声を上げたが、そのまま砂浜に戻って来たアキラはNightたちの目の前でウミヘビを叩きつけた。
「そりゃぁ!」
ウミヘビのHPが削れる。
1回で半分以上なくなり、2回目では息もしていなかった。
すぐに経験値に変わってしまい、消滅した。
「アキラ大丈夫、ウミヘビは!」
「大丈夫だよ。もう倒しちゃったから」
「倒したのって、そんな場合じゃないよね。毒は大丈夫? ってそんなことないかー」
ウミヘビに噛まれた傷跡が残る。
しばらく経てば直に治るだろうが、それでも痛々しい。まるで吸血鬼に噛まれたみたいだった。
すると騒ぎを聞きつけた3人が武装してやってくる。
「どうした」
「何かあったのですか?」
3人は周囲に警戒を向ける。
しかし肝心の敵の姿はもうない。アキラが倒してしまったからだ。
「ううん、もう終わったよ」
「終わった? 何があった」
アキラは3人に事情を話した。
すると雷斬とベルは心配してアキラに取り付き、Nightもまたアキラに質問した。
無論体調に関してだ。
「何処か痛い場所はないか。辛いとは感じないんだな」
「大丈夫だよ。ちょっと痛かったけど……」
痛々しい牙の跡が残る。
【甲蟲】を使う前だったので、素肌に2つの穴ができており、未だに指が微かに震えている。
だけどそれ以外は特に問題なく、へし折った牙の残りは【甲蟲】と一緒に取れてしまった。
体の中に違和感はなく、ステータスオープンしてみるものの、何一つ異常はない。
しかも今の戦闘? でレベルアップしたらしい。今更だけどMPっているのかな?
◇アキラ
LV28 《ヒューマン》
HP 200
MP 200
筋力 40
賢さ 42
敏捷 35
精神 150
幸運 100
装備品[武器]普通の剣
装備品[防具]桜色のスチームパンクジャケット
種族スキル 【順応】
固有スキル 【キメラハント】:【半液状化】【甲蟲】【灰爪】【幽体化】【毒無効】【2段階攻撃(連撃)】、【ユニゾンハート】:【ファーストコール】
これがアキラの現状だ。
精神と幸運だけバグったみたいに高かった。
「そいつはイエロー・サーペントだな」
「サーペント?」
「ウミヘビの英語名だ。とにかく、こいつは強力な毒素を持っている。おまけに麻痺効果もあるからな、注意しろ」
「噛まれた後に言われてもね」
確かにとフェルノたちは納得した。
しかしフェルノが気になるのは、アキラがピンピンしていることだ。強力な毒を跳ね除けるなんて、普通はできない。
と思ったが、最近出番の少ないアキラが奪ったスキルをすぐに思い出す。
「アキラよく無事だったね。もしかしてスキル使った?」
「うん。【毒無効】は自動発動だからね」
オロチコンダを苦戦しながらも倒せてよかった。
この間のツインビーの時もそうだが、毒を使うモンスターは結構多い。
そんなモンスターたちにも勇敢に戦いを挑めるのは、アキラが毒を無効にできるからだった。常に前線に立って、決まった形はないのだが以外にもしっかりとした陣形になっていた。
「全く、大したメンツだ」
「あはは、自分も含めてよね」
アキラは笑っていた。それを笑って言えることが凄いのだが、みんな微笑んでいる。
そうこうしていると、気が付けばそろそろお開きの時間になる。
全員で片づけをする中、アキラはふと手を止めて振り返る。
「でもさ……」
この1日でかなり遊び疲れた。だけど不満もある。
海の方を見ながらアキラは思う。きっと誰にも聞こえていないだろうから。
「楽しかったけど、今度はリアルの海に行きたいなぁー。なんて」
アキラは疲れを見せながら、本音を吐露していた。
そんなこんなで残りの夏休みも終わりを迎えた。
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