モブのモブ!? 気付いたら、大好きなアニメの世界だった!?

SORA

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あれから特に変わった事はなく、いやケヴィンが登下校を一緒にする事以外は何も変化はない。

私もシーラに対してもいつも通り過ごす事が出来ていた。
10年来の友達は伊達じゃないみたい。


そんな日常に慣れ始めた頃、私は授業で使った資料や本を返すため中庭を抜けて図書室へ向かっていた。

バタバタと走る音が近づいて来てる気がするが生憎、本と資料で前が見えない。

元気だなぁ。と一人言ながらゆっくり歩みを進めていると、通り過ぎた足音は此方へ戻って来て私の前で立ち止まる。

「マーガレット嬢?」

「…その声はケヴィン様?」

通り過ぎたのはケヴィンだった様だ。
私に気づいたケヴィンは荷物を半ば強引に半分以上持ってくれる。

「急いでいたのでは?」

「あ~…いや、大丈夫だ。」

「そうですか?でも助かります、ありがとうございますケヴィン様。」

「ああ…。」

私は、走り去ろうとしたケヴィンに大丈夫かと尋ねると、少し気まづそうに言葉を濁しながら頬が少し赤くなっているケヴィンに気づいた。

「おい、ケヴィン!早くこ…ん?君は…。」

声がする方を見ると、多分ケヴィンと走っていた人物だろう人が戻って来て、その人物は私をジッと見ていた。

私…知ってるわ。

うん。あれだ。ケヴィンの…親友だ。
あのアニメの〝彼〟の仲間…と言うか主人公だ。

彼の名はユーリ。ユーリ・アンブリッジ。
確か、ケヴィンと学年は同じだった筈。

二人はよく喧嘩やサボりを一緒にしていたはず。
と言う事はサボって逃げていたのかな?
…となると


そんな事を思いなら私が二人を交互に見ているとまた足音が聞こえて来た。

「ユーリ!ケヴィン!見つけましたわ!」

「「げっ…。」」

反対側から声がして、振り向くとユーリとケヴィンは声を揃えて顔をしかめた。

…うん。やっぱり来た。

二人がサボろうとすると、必ず追いかけて来る令嬢がいたのを思い出した。

ケイト・ワグナー。彼女はユーリの幼馴染でユーリの好きな子…所謂ヒロインになる子だ。

「また授業をサボろうとしたわね!」

「ち、近道したんだよ。」

「お、俺は、マーガレット嬢が重そうな荷物を持っていたから…!」

「!」

「「マーガレット嬢?」」

追いかけて来た少女に言い訳する二人。
って、ケヴィン今私を巻き込みましたか!?

ケヴィンが私の名前を呼んでしまったので、二人の視線が私に向く。
というか、何故二人は初対面の私をマジマジと見ているのだろう。

あまり関わりたくないのだけれど…。仕方ないわよね。だって挨拶しない訳にはいかないのだから。

「初めまして、マーガレット・ブランと申します。この様な格好で申し訳ありませんが…。」

荷物を持っていて挨拶がちゃんと出来ない事を詫びると、彼女は笑顔で大丈夫ですと言ってくれる。

「初めましてマーガレット様。私はケイト・ワグナーと申します。」

「俺はユーリ・アンブリッジ。よろしく、マーガレット嬢。」

二人は挨拶を返してくれると私が持っていた荷物に気づいて、ケイトはユーリに私の荷物を持つ様に言うと、大丈夫だと断る間もなく私の手から荷物が消える。

三人は図書室まで荷物を持ってくれると言うので最初は遠慮したけれど、甘えさせてもらう事にした。

行きながらケヴィンと知り合った経緯などを根掘り葉掘り聞かれる事になったから、私はシーラと10年来の友達だと二人に話した。

「じゃあ、マーガレット様はケヴィンのお姉様のご友人だったのですね。」

「ええ。大好きで大切なお友達ですよ。」

ケイトに言われて微笑むと、三人は目を見開いて顔を背けた。

「…なるほど。これが噂の…。」

「…な?」

「破壊力が半端ないな…。」

三人は一体何を言っているのだろう。
ボソボソと話をしている三人は首を傾げる私に向き直ると、私に何でもないと言ってまた図書室への道を歩いて行いた。

三人のおかげで無事荷物を渡す事も出来た。私一人ではもっと時間がかかったはずだから、すごく助かった。

「ユーリ様ケイト様ケヴィン様、助けて頂いてありがとうございました。」

「いやいや、〝月下の君〟に会えて光栄だったよ。」

「月下の君…?」

「あ、馬鹿っ!!」

お礼を言った私にユーリが笑いながら言うと、ケイトがユーリを叩いた。

痛そう…。
声を出さないで悶えるユーリが痛々しい。

と言うか、何その〝月下の君〟って。

「あ~、マーガレット嬢。俺達もう授業に戻らないと…。」

「あ、はい。…ありがとうございました。」

「…また放課後。」

私がその事を聞く前にケヴィンは二人を連れて去って行ってしまった。

スッキリしないまま教室に戻るとシーラが待っていた。


「ねえシーラ。〝月下の君〟って何かしら?」

私がそう尋ねると教室がシンッと、静まり返った。
シーラも驚いて目を見開いている。

「え…?」

何これ。怖い…。

周りの視線が私に集中していて、私は持っていた本で顔を半分隠した。

何なんだろう?〝月下の君〟って禁句なの?

シーラを見ると、気まづそうに曖昧な笑みを浮かべていた。

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