先輩は、僕のもの

ゆおや@BL文庫

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主導権は柊の手に:04

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柊はただ、目の前の匂いと温度
そして颯の可愛い表情に
思考の全てを奪われていった。

間髪入れずに
颯は柊の耳元へと顔を寄せた。

吐息の熱を残しながら
耳たぶをそっと甘噛みする。

「ん……」と
小さく息を含むような音とともに
歯がやわらかく沈み込む。

次いで舌先がその輪郭をなぞり
湿った音が静かな部屋に微かに響いた。

「……ねぇ、どこ嗅ぎたいですか?」

囁きは低く、耳の奥を震わせる。
吐息が鼓膜の奥まで入り込み
肺の奥で熱を膨らませる。

柊は返事ができず、喉を鳴らした。
「……っ」乾いた息がこぼれ
腰の奥に鈍く熱が溜まる。

股間はゆっくりと硬くなり
張り詰めた先端が颯の太ももに触れた。

それを感じ取った颯が
腰をわずかに押しつける。
衣擦れと低い吐息が混じり合う。

「んっ……当たってる、先輩の……」

わざと湿り気を帯びた声を
耳の奥へと吹きかける。
「ふ……」と吐く息の音が
肌にぴたりと貼りついた。

「……早く選んで。どこがいい?」

視線は絡んだまま
顎を指で持ち上げられる。

わずかな摩擦音とともに
指先が肌をなぞった。

「じゃないと……
 僕が嗅がせちゃいますよ?」

唇が耳の縁に触れ
軽く吸い上げる音が響く。

「せっかくのご褒美で
 どこでもいいって言ってるのに……
 それだと勿体なくないですか?」

空調の止まった部屋は
ふたりの熱と匂いで満ちていく。

湿度を帯びた空気が
微かな水音や呼吸の音をより艶めかしく響かせた。

「……今日、暑かったから。
 僕、たくさん汗かいてますよ?」

耳たぶに舌が再び触れ
ゆっくりと湿った音を立てながらなぞる。

そのたびに
柊の喉から抑えきれない息が漏れる。

間を空けず
颯は耳から首筋へと唇を移した。

舌が肌の上で小さく
「ちゅ……」と音を立て
汗をなぞり取る。

「……先輩の首筋……汗の匂い。
 ん、汗の味がする……」

吐息混じりの声が
舌の動きと一緒に首筋へ染み込む。

さらに、熱い吐息をかけながら
唇を柔らかく吸い上げた。

「……えっちな味」

湿った音と甘い声が絡み合い
柊の理性を完全に奪っていく。

「……まずは……首と、鎖骨……
 嗅がせてください、ご主人様」

柊の声は
熱に溶けた吐息と一緒に零れた。

視線は逸らせず
ただ目の前の肌を欲しがっている。

颯は片方の眉を上げ
耳元に顔を寄せる。

吐息が耳殻を撫でその温度と
湿り気が一気に首筋を這い下りた。

「……仕方ないなあ。変態ワンコくん」

唇の端に笑みを浮かべ
わざと間を置いてから続ける。

「ご褒美だから……好きなだけ
 満足するまで嗅いで?」

そう囁くと、颯は自分の首筋を
柊の顔へと寄せてくる。

熱を帯びた肌が頬に触れ
汗でほんのり湿っていた。

耳の裏から鎖骨にかけて――
その範囲を
まるで柊に馴染ませるように
ゆっくりと擦り寄せる。

そこから立ちのぼる香りは濃く
層を成していた。
外を歩いてきた熱気の匂い。

薄い塩気と
体温で蒸された甘い肌の香り。

そして、颯固有の柔らかな匂いが
その奥に潜んでいる。

柊は耐えきれず、鼻を鳴らす。

「……っ、ん……」
吸い込むたびに、熱が喉の奥へ落ち
胸の奥でじんと広がる。

鎖骨の窪みに鼻先を埋め
汗の香りを深く吸い込んだ。

その間、颯は小さく笑いながら
肩越しに熱い吐息を漏らしている。

「ふ……ん……そんなに必死に……」

言葉の途切れに合わせて
吐息が柊の耳や頬にかかる。

わざと動きを止めず
首筋を滑らせるたびに香りは濃くなり
柊の鼻腔を満たしていく。
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