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柊のマーキング:03
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まずは襟元――。
首に直接触れていたはずの場所。
そこへ顔を近づけると
柔らかな布地の奥から
はっきりと颯の香りが立ちのぼる。
きちんとした整髪料の香りと
汗が混じり合った大人びた匂い。
それを、深く、深く吸い込む。
「……っ、はぁ……」
吐息が勝手に漏れる。
鼻腔に残る香りを手放したくなくて
何度も襟を撫でながら吸い込む。
次に袖口へ。
手首の動きや脈打つ血流の熱を
受け続けてきた場所は
首元とは違う生っぽい匂いを纏っていた。
生地を鼻先に
押し付けるようにして嗅ぐと
「ん……っ」
無意識に目を閉じ
鼻を鳴らす音が更衣室に響いた。
そして――胸元。
ボタンの隙間や生地の裏には
最も濃く、最も“颯”を
感じられる匂いが籠もっている。
きっと日中、熱を持った身体が
呼吸するたびに染み付いた香り。
鼻を埋めると、思わず股間が脈打った。
「……っはぁ……颯……」
声にならない吐息とともに名前が零れる。
裾にも顔を寄せる。
腰の動きで生地が擦れ
汗や体温を溜めていたであろう場所。
ここは香りの中にほんのわずか
甘く湿った匂いが混ざっている。
それを嗅ぎ取った瞬間
全身にぞくりとした快感が走った。
――そして最後に
柊はゆっくりと袖の下部
脇の生地へと指を滑らせる。
柊の……一番好きな場所。
そこは、一日の動きで
最も熱がこもり、汗が集まる場所。
鼻先を押し付けた瞬間
他のどこよりも濃く
体温と生々しさの混ざった
匂いが柊を包み込んだ。
「……っ……あ……」
喉が震えるような吐息とともに
鼻を深く埋める。
布越しでもはっきりと伝わる湿り気。
鼻腔を満たすその香りは
理性を削ぐには十分すぎた。
柊は両手で袖ごと腋の部分を握りしめ
何度も、何度も鼻を鳴らした。
まるでその匂いを身体の奥に
刻みつけるかのように――。
柊は、脇の部分を握ったまま
その布地にゆっくりと顔を擦り寄せた。
清潔なシャツに染み付いた
他の誰にも分からない颯の“匂い”。
洗剤の香りが、体温でじんわり変化し
最後に残るのは肌から滲んだ汗の気配。
鼻先に押し付ければ押し付けるほど
深く奥まで届いてくる。
「……っ……はぁ……っ……」
濃いところを探して鼻とシャツが
擦れる音と吐息が狭い更衣室にこもる。
それは、理性を壊してしまった
ひとりきりの空間だからこそ出せる
抑えの効かない音だった。
布地をそっと舌で押すと
ほのかに湿りを含んだ繊維が唇にまとわりつく。
ぬちゅ……と、かすかな水音。
そこからほんのりと塩気が舌先に広がり
想像と記憶が重なって
背中をぞくぞくと這い上がる。
首に直接触れていたはずの場所。
そこへ顔を近づけると
柔らかな布地の奥から
はっきりと颯の香りが立ちのぼる。
きちんとした整髪料の香りと
汗が混じり合った大人びた匂い。
それを、深く、深く吸い込む。
「……っ、はぁ……」
吐息が勝手に漏れる。
鼻腔に残る香りを手放したくなくて
何度も襟を撫でながら吸い込む。
次に袖口へ。
手首の動きや脈打つ血流の熱を
受け続けてきた場所は
首元とは違う生っぽい匂いを纏っていた。
生地を鼻先に
押し付けるようにして嗅ぐと
「ん……っ」
無意識に目を閉じ
鼻を鳴らす音が更衣室に響いた。
そして――胸元。
ボタンの隙間や生地の裏には
最も濃く、最も“颯”を
感じられる匂いが籠もっている。
きっと日中、熱を持った身体が
呼吸するたびに染み付いた香り。
鼻を埋めると、思わず股間が脈打った。
「……っはぁ……颯……」
声にならない吐息とともに名前が零れる。
裾にも顔を寄せる。
腰の動きで生地が擦れ
汗や体温を溜めていたであろう場所。
ここは香りの中にほんのわずか
甘く湿った匂いが混ざっている。
それを嗅ぎ取った瞬間
全身にぞくりとした快感が走った。
――そして最後に
柊はゆっくりと袖の下部
脇の生地へと指を滑らせる。
柊の……一番好きな場所。
そこは、一日の動きで
最も熱がこもり、汗が集まる場所。
鼻先を押し付けた瞬間
他のどこよりも濃く
体温と生々しさの混ざった
匂いが柊を包み込んだ。
「……っ……あ……」
喉が震えるような吐息とともに
鼻を深く埋める。
布越しでもはっきりと伝わる湿り気。
鼻腔を満たすその香りは
理性を削ぐには十分すぎた。
柊は両手で袖ごと腋の部分を握りしめ
何度も、何度も鼻を鳴らした。
まるでその匂いを身体の奥に
刻みつけるかのように――。
柊は、脇の部分を握ったまま
その布地にゆっくりと顔を擦り寄せた。
清潔なシャツに染み付いた
他の誰にも分からない颯の“匂い”。
洗剤の香りが、体温でじんわり変化し
最後に残るのは肌から滲んだ汗の気配。
鼻先に押し付ければ押し付けるほど
深く奥まで届いてくる。
「……っ……はぁ……っ……」
濃いところを探して鼻とシャツが
擦れる音と吐息が狭い更衣室にこもる。
それは、理性を壊してしまった
ひとりきりの空間だからこそ出せる
抑えの効かない音だった。
布地をそっと舌で押すと
ほのかに湿りを含んだ繊維が唇にまとわりつく。
ぬちゅ……と、かすかな水音。
そこからほんのりと塩気が舌先に広がり
想像と記憶が重なって
背中をぞくぞくと這い上がる。
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