先輩は、僕のもの

ゆおや@BL文庫

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腋の口内支配:01

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欲望が喉元まで満ちていた。
けれど──
それを言葉にするのは、怖かった。

でももう、限界だった。

香りだけでは足りない。
ずっと鼻先にあったその肌に
今度は舌を、触れさせたかった。

「……欲しい」

かすれた声が、息と一緒に漏れた。

視線を逸らし、顔を伏せたまま。

「舐めたい……」

「颯の脇…を…………舐めたい」

「……お願い……」

言ってしまった。

どこかで震えるような、掠れる声。
それは確かに、自分自身の意志だった。

沈黙が落ちる。
そして──すぐに
甘くて優しい声が降ってくる。

「ふふっ……。よく言えました。」

颯は吐息混じりの声で
柊の髪を優しく撫でる。
褒めるように、慈しむように。

「お願いできたご褒美です。
 味わってください……先輩。」

その一言で
柊の身体がびくりと反応する。

(ああ……)

(もう、戻れない)

その言葉と共に
最後の抵抗が溶けていった。

すでに鼻先に密着していた肌へ
柊はゆっくりと──舌を伸ばした。

ほんの一瞬、肌の上をぬるく滑った感触。
淡い塩味。
体温に溶けた、匂いとは違う“味”。

「……っ」
舌が触れると、
颯は小さく吐息を漏らす。

喉が、小さく震える。
もう一度、舌を這わせる。
ゆっくりと、ためらいがちに。

でも──確かに味わっていた。

その感覚を颯は身体をピクッと
震わせながら感じていた。
目を細めて、満ち足りたように。

「ふふ……どうですか?」

「嗅いでるだけより
 ずっと……濃いでしょう?」

「……ちゃんと、味も覚えてくださいね」

「先輩だけにあげてるんですから。」

頬のすぐ上から降ってくる言葉に、
柊の心も、身体も、完全に奪われていた。

もう、どこにも逃げ場はなかった。

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