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首輪の代わりに着けられた痕:01
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柊は、俯きながら
自分の足元に散った白く濁った痕跡を
震える手で拭いはじめた。
床に、汗と涙と欲の証が静かに滲んでいる。
そのすべてが、彼の“敗北”であり、
……同時に、甘い快楽の果てだった。
布を握る指先が微かに震えている。
視線は落ちたまま
けれど心ははっきりと覚えていた。
(……俺、ほんとに……
支配されて、気持ちよくなったんだ)
(自分じゃ触ってもないのに、こんなに……)
それを認めるのは
たまらなく恥ずかしくて。
でも、たまらなく——嬉しかった。
「……俺、ほんとに……
颯の、ものになっちゃったんだな」
小さく漏れた言葉は
誰に聞かせるわけでもなく、
ただ、床を拭く手と
胸の奥に染み込んでいくようだった。
そんな柊を
颯は穏やかに見下ろしていた。
やわらかな微笑。けれどその瞳には
確かな悦びが宿っている。
「えへへ。そうです」
「先輩はもう、僕のものですから」
「……ご主人様として、飼い主として
これからもちゃんと……
躾けていきますね?」
柊の手が止まる。
その言葉に
身体の奥がまた熱を帯びていく。
そして——颯が、ゆっくりと腰を下ろし、
柊の肩を抱くように
胸元へ顔を寄せてきた。
▶︎
「動かないでください。
……大事な印、つけますから」
そう囁いた颯の吐息が
柊の耳元をかすめた。
次の瞬間、首筋から鎖骨にかけての
柔らかな肌に、鋭い熱が食い込む。
皮膚が引きつる。
柔らかく唇を押し当てられた直後
吸い上げられるような激しい痛みに
柊は身体を跳ねさせた。
「いっ……あ、や、だ……やめ……っ!」
抵抗の声すら呑まれるように
さらに強く、深く吸われて、
音を立てて皮膚が締めつけられる。
「ひっ……ふ、ぁ、っ……
いたいっ……!! んんっ……!」
熱い息と、唾液の痕。
そして、じんじんと痛む赤紫の跡。
見えない場所にさえ
逃げ場は与えられなかった。
「……っ、つ……ぁ……!」
柊は身体を捩る。
顎を掴まれ、動きを封じられたまま、
肌に吸いつく音が何度も響く。
——ちゅ、ぬち、じゅっ……。
吸い付くというより
噛みつかれているような激しさ。
歯が浅く食い込み
血が滲む一歩手前で舌が舐め回す。
熱と唾液、そして痛みが混ざり合って
柊の身体を貫いていく。
「んっ、痛い……っ、颯……っ
やだ……や、でも……っ」
涙がにじむ。
首筋が痺れる。
痛い、なのに——
(……もっと……刻んでほしい……)
自分が望んでいることに気づき、
柊は自分で自分にぞくりとした。
「……っは、……ふぅ……っ……」
ようやく口を離した
颯が濡れた唇を拭きながら笑う。
赤く滲んだその場所を見つめながら、
優しく、でも確実に呟いた。
「……ふふ、すごい。
あまーい声出してました……先輩……」
「誰が見ても消せないくらい……
痛いでしょ?」
柊は答えられなかった。
ただ、胸元に残るじんとした痺れと
そこに残る湿った感触を、
震える指でそっとなぞった。
痛みの名残。
熱の跡。
そして、確かな
——所有の証。
「……これでもう
逃げられませんね」
「だってその傷は、
僕のワンコになった証ですから」
耳元で囁かれるたび、
その場所が、じんじんと疼いた。
——消えてほしくない。
むしろ、もっと深く
もっと痛く、つけてほしい。
柊は、うつむいたまま
震える唇で微かに呟いた。
「……俺を……ちゃんと躾けて……
ご主人様……」
その瞬間、颯の瞳が静かに細められた。
「えへへ....もちろん。
責任、取らせてくださいね」
自分の足元に散った白く濁った痕跡を
震える手で拭いはじめた。
床に、汗と涙と欲の証が静かに滲んでいる。
そのすべてが、彼の“敗北”であり、
……同時に、甘い快楽の果てだった。
布を握る指先が微かに震えている。
視線は落ちたまま
けれど心ははっきりと覚えていた。
(……俺、ほんとに……
支配されて、気持ちよくなったんだ)
(自分じゃ触ってもないのに、こんなに……)
それを認めるのは
たまらなく恥ずかしくて。
でも、たまらなく——嬉しかった。
「……俺、ほんとに……
颯の、ものになっちゃったんだな」
小さく漏れた言葉は
誰に聞かせるわけでもなく、
ただ、床を拭く手と
胸の奥に染み込んでいくようだった。
そんな柊を
颯は穏やかに見下ろしていた。
やわらかな微笑。けれどその瞳には
確かな悦びが宿っている。
「えへへ。そうです」
「先輩はもう、僕のものですから」
「……ご主人様として、飼い主として
これからもちゃんと……
躾けていきますね?」
柊の手が止まる。
その言葉に
身体の奥がまた熱を帯びていく。
そして——颯が、ゆっくりと腰を下ろし、
柊の肩を抱くように
胸元へ顔を寄せてきた。
▶︎
「動かないでください。
……大事な印、つけますから」
そう囁いた颯の吐息が
柊の耳元をかすめた。
次の瞬間、首筋から鎖骨にかけての
柔らかな肌に、鋭い熱が食い込む。
皮膚が引きつる。
柔らかく唇を押し当てられた直後
吸い上げられるような激しい痛みに
柊は身体を跳ねさせた。
「いっ……あ、や、だ……やめ……っ!」
抵抗の声すら呑まれるように
さらに強く、深く吸われて、
音を立てて皮膚が締めつけられる。
「ひっ……ふ、ぁ、っ……
いたいっ……!! んんっ……!」
熱い息と、唾液の痕。
そして、じんじんと痛む赤紫の跡。
見えない場所にさえ
逃げ場は与えられなかった。
「……っ、つ……ぁ……!」
柊は身体を捩る。
顎を掴まれ、動きを封じられたまま、
肌に吸いつく音が何度も響く。
——ちゅ、ぬち、じゅっ……。
吸い付くというより
噛みつかれているような激しさ。
歯が浅く食い込み
血が滲む一歩手前で舌が舐め回す。
熱と唾液、そして痛みが混ざり合って
柊の身体を貫いていく。
「んっ、痛い……っ、颯……っ
やだ……や、でも……っ」
涙がにじむ。
首筋が痺れる。
痛い、なのに——
(……もっと……刻んでほしい……)
自分が望んでいることに気づき、
柊は自分で自分にぞくりとした。
「……っは、……ふぅ……っ……」
ようやく口を離した
颯が濡れた唇を拭きながら笑う。
赤く滲んだその場所を見つめながら、
優しく、でも確実に呟いた。
「……ふふ、すごい。
あまーい声出してました……先輩……」
「誰が見ても消せないくらい……
痛いでしょ?」
柊は答えられなかった。
ただ、胸元に残るじんとした痺れと
そこに残る湿った感触を、
震える指でそっとなぞった。
痛みの名残。
熱の跡。
そして、確かな
——所有の証。
「……これでもう
逃げられませんね」
「だってその傷は、
僕のワンコになった証ですから」
耳元で囁かれるたび、
その場所が、じんじんと疼いた。
——消えてほしくない。
むしろ、もっと深く
もっと痛く、つけてほしい。
柊は、うつむいたまま
震える唇で微かに呟いた。
「……俺を……ちゃんと躾けて……
ご主人様……」
その瞬間、颯の瞳が静かに細められた。
「えへへ....もちろん。
責任、取らせてくださいね」
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