先輩は、僕のもの

ゆおや@BL文庫

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中に注がれて.....:10

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朝、目が覚めた瞬間。

キッチンからかすかに
湯を沸かす音と
食器の触れる音が聞こえていた。

この部屋に来るたびに
その音で柊は目覚める。

夢が現実か分からない
どこかふわふわした気持ちで。

身体を起こそうとした瞬間──
ズキッと、下半身に鈍い痛みが走る。

「……っ……マジか……」

胸の奥、左側にうっすら残る“歯型”。
強く押しつけられた痕が
ヒリつくように熱い。
尻にはしっかりと──
昨晩の名残が残っていた。

深く沈まれ、打ちつけられた痛み。
今なお響くような重さと
あざの存在が
寝返りひとつにも影を落とす。

──耳元で名前を呼ばれた瞬間に走った快感。
──中に残されたまま、流し込まれた熱。
──「ご主人様」って、求めてしまった自分。

その余韻が朝なのにも関わらず
また下半身の熱を呼び起こしてしまう。

頬を撫でた風が
妙にひんやりしていた。

「起きましたか?」
颯の声が、扉の向こうから聞こえた。

「朝ごはん、簡単なのでよければ……
 一緒に食べましょ!」

やはり昨夜のこと
なんてなかったみたいに。
いつも通りの颯の声。

「そういえば、先輩のズボン
 ビリビリにしちゃいましたね....
 ごめんなさいっ...。」

「ははっ..別にいいよ。新しいの.買えばいいし」

「あっ。僕、弁償します。ご飯食べたら
 買い物行きましょう?ね?」

「僕が選んであげますからっ!」

2人は向き合って笑顔で談笑しながら
颯の作ったトーストとコーヒーで
朝食を済ませた。

変わらないはずの朝。
だけど、違う。
胸に残る痕も、尻に残る痛みも、
俺にだけ刻まれた“記憶”だ。

付き合っているわけじゃない。
なのに、颯とセックスをした。

夢中に、「好き」と繰り返していた。
本当に「好き」なのかはわからない。

だけど、身体は確かに「愛されている」と
感じてしまった。

だけど、心は確かに「愛されたい」と
感じてしまった。

もうなかったことにはできない。

「好き」と、思われていなくても.....。
それでもいいから。
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