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ショー様には、昨日の放課後、わたしとトーリ様が話をした事は、やはり気付かれていないようで、翌朝も、教室に入ってくると、わたしのところへ真っ直ぐに向かってきて、笑顔で話しかけてくれた。
「おはよう、アザレア。昨日はよく眠れた?」
「おはようございます。わたしはぐっすり眠れましたが、ショー様はいかがでしたか?」
「今日もアザレアに会えると思うと楽しみで、中々眠れなかったな」
(この台詞で喜ぶ事が出来るのって、ショー様に恋をしている人だけの様な気がするわ…。冷静に聞いたら、わたしは嫌…)
まだ、会ってそんなに経っていないのに、そんな事を言ってくるショー様が余計に信じられなかった。
だから、余計にトーリ様の婚約者になる人がショー様を好きになる理由がわからなかった。
(そういえば、元婚約者の方は今頃はどうされているのかしら…。調べてみた結果、婚約解消した方々は、揃いも揃って隣国などに転居されておられて、この国には、もう住んでいないのよね…)
さすがに他の国にまで誰かに行ってもらって調べてみるのも手間がかかりすぎるし、それなら、トーリ様に聞いたほうが早いと、お父様も判断された。
(今度聞いてみて、嫌な顔をされたら謝るとかでいいかしら?)
そんな事を考えていたから、ショー様が顔を覗き込んでくる。
「アザレア?」
「あ、えっと、そう言っていただけるのは嬉しいですが、学園がある日はいつでも会えますし、よく眠ってくださいね」
「ありがとう。あ、そうだ。婚約者なんだから、休みの日にどこかへ一緒に出かけたりしないか…?」
「そうですね。トーリ様と3人でお出かけしましょう」
笑顔で頷くと、ショー様が拗ねた顔をする。
「どうしてトーリも一緒? 僕は2人で会いたいのに」
「お気持ちは嬉しいですが、トーリ様に申し訳ないですから」
「今は、君の婚約者は僕でありトーリでもあるけど、結婚できるのは1人だよ?」
「それはもちろんわかっております」
「なら、2人と仲良くする必要はあるのかな?」
(そんな事をいわれても困るんだけれど、わたしとトーリ様は今のところ、雑談を交わした事もない設定だものね)
少し考えるふりをした後、苦笑する。
「そうですね。ショー様と仲良くさせていただいた方が良いのかもしれません」
「良かった。トーリは悪い奴ではないんだけど、愛想がないんだよね」
「わたしの事を好きではないのかもしれませんね」
「どうなんだろう? でも、別にそうだったとしても良いよね? 君はトーリを選ばないんだから」
満足そうにショー様は言うと、教室にトーリ様が入ってきたのを見て、親しげに話しかけてくる。
「ねえ、今度の休みにどこか行かないか?」
「今度の休みは駄目だ」
ショー様がわざと聞こえる様に大きな声で言ったからか、トーリ様が会話に入って来て続ける。
「今度の休みはキトロフ伯爵夫人に会う事になっているから駄目だ。昨日の夜に言われただろ」
「ああ、そうだったね。アザレア、ごめん。違う日にしてもらえるかな?」
「……もちろんです」
本来なら笑顔で頷かなければいけないところを、動揺で引きつった笑みになってしまった。
(どうして、お姉様がトーリ様達に会おうとしているの? まだ、わたしはどちらかを選んだわけじゃないのに…!)
トーリ様に理由を聞きたかったけれど、この場では聞く事は出来なかった。
わたしとトーリ様が同志である事を知られてしまえば、クボン候爵の計画が崩れてしまう可能性が高い。
(それだけは阻止しないと…。お姉様に本気でトーリ様を狙われたら困るのよ。お姉様には、ショー様を狙ってもらわないと駄目なんだから!)
不安な気持ちを抱えつつ、とりあえず、わたしは内緒でお義兄様に連絡を取る事にした。
「おはよう、アザレア。昨日はよく眠れた?」
「おはようございます。わたしはぐっすり眠れましたが、ショー様はいかがでしたか?」
「今日もアザレアに会えると思うと楽しみで、中々眠れなかったな」
(この台詞で喜ぶ事が出来るのって、ショー様に恋をしている人だけの様な気がするわ…。冷静に聞いたら、わたしは嫌…)
まだ、会ってそんなに経っていないのに、そんな事を言ってくるショー様が余計に信じられなかった。
だから、余計にトーリ様の婚約者になる人がショー様を好きになる理由がわからなかった。
(そういえば、元婚約者の方は今頃はどうされているのかしら…。調べてみた結果、婚約解消した方々は、揃いも揃って隣国などに転居されておられて、この国には、もう住んでいないのよね…)
さすがに他の国にまで誰かに行ってもらって調べてみるのも手間がかかりすぎるし、それなら、トーリ様に聞いたほうが早いと、お父様も判断された。
(今度聞いてみて、嫌な顔をされたら謝るとかでいいかしら?)
そんな事を考えていたから、ショー様が顔を覗き込んでくる。
「アザレア?」
「あ、えっと、そう言っていただけるのは嬉しいですが、学園がある日はいつでも会えますし、よく眠ってくださいね」
「ありがとう。あ、そうだ。婚約者なんだから、休みの日にどこかへ一緒に出かけたりしないか…?」
「そうですね。トーリ様と3人でお出かけしましょう」
笑顔で頷くと、ショー様が拗ねた顔をする。
「どうしてトーリも一緒? 僕は2人で会いたいのに」
「お気持ちは嬉しいですが、トーリ様に申し訳ないですから」
「今は、君の婚約者は僕でありトーリでもあるけど、結婚できるのは1人だよ?」
「それはもちろんわかっております」
「なら、2人と仲良くする必要はあるのかな?」
(そんな事をいわれても困るんだけれど、わたしとトーリ様は今のところ、雑談を交わした事もない設定だものね)
少し考えるふりをした後、苦笑する。
「そうですね。ショー様と仲良くさせていただいた方が良いのかもしれません」
「良かった。トーリは悪い奴ではないんだけど、愛想がないんだよね」
「わたしの事を好きではないのかもしれませんね」
「どうなんだろう? でも、別にそうだったとしても良いよね? 君はトーリを選ばないんだから」
満足そうにショー様は言うと、教室にトーリ様が入ってきたのを見て、親しげに話しかけてくる。
「ねえ、今度の休みにどこか行かないか?」
「今度の休みは駄目だ」
ショー様がわざと聞こえる様に大きな声で言ったからか、トーリ様が会話に入って来て続ける。
「今度の休みはキトロフ伯爵夫人に会う事になっているから駄目だ。昨日の夜に言われただろ」
「ああ、そうだったね。アザレア、ごめん。違う日にしてもらえるかな?」
「……もちろんです」
本来なら笑顔で頷かなければいけないところを、動揺で引きつった笑みになってしまった。
(どうして、お姉様がトーリ様達に会おうとしているの? まだ、わたしはどちらかを選んだわけじゃないのに…!)
トーリ様に理由を聞きたかったけれど、この場では聞く事は出来なかった。
わたしとトーリ様が同志である事を知られてしまえば、クボン候爵の計画が崩れてしまう可能性が高い。
(それだけは阻止しないと…。お姉様に本気でトーリ様を狙われたら困るのよ。お姉様には、ショー様を狙ってもらわないと駄目なんだから!)
不安な気持ちを抱えつつ、とりあえず、わたしは内緒でお義兄様に連絡を取る事にした。
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