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トーリ様が教えてくれた事は、クボン候爵にブロット公爵、そして、トーリ様の3人で考えた話だった。
お姉様もショー様もまだ、社会経験がない事もあるからか、ずる賢さが足りない。
だから、クボン候爵達の様な考えが出来ないでしょうから、こちらに有利な事は確かだった。
(お姉様もショー様も感情で動いてくれるから、本当に助かっているわ。2人がその事に気付くまでに2人の婚約を解消できないものにしなければならない)
カフェで話す内容ではない重い話をしばらく続けた後は、トーリ様は気を遣ってくれたのか、話題を変えて明るい話をしてくれた。
次の日の朝、ショー様が昨日の事などなかったかの様に笑顔で挨拶をしてくれたのはいいものの、わたしにとっては、予想はしていたけれど、嫌な知らせを聞かせてくれた。
「君のお姉さんが僕の家に来たいと言っているみたいなんだ」
「……そうなんですね。ノーマン伯爵家はなんと…?」
「こちら側が良いなら良いって。だから、近い内に来てもらう事になると思うよ。ただ、ややこしいよね。そうなると、君は未来の義理のお姉さんなのか、義理の妹なのかどっちなんだろう」
「どちらでもお好きな様に」
わたしにしてみれば、そんな事はどうでも良いので答えると、ショー様は満面の笑みを浮かべ、席に座っているわたしの横に立ち、身をかがめて言う。
「君のお姉さんには地獄を味あわせてあげるよ。何をされたかはお姉さんから聞けばいい。君もいつかは同じ目に合うんだから、心づもりをしておいた方が良いだろ?」
「結構です。それに、わたしは姉と話すつもりはありませんから」
「否が応でも話さないといけなくなるよ。僕がそうさせるから」
ショー様はびくりと体を震わせたわたしを見て、本当に満足そうな顔になってから、自分の席に戻っていく。
何にしても、ここまでは計画通りに進んでいる。
お姉様がブロット公爵家に行きたいと言い出した事に対し、すんなり、ノーマン伯爵がそれを認めたのは、ブロット公爵家が先に許可を出していたから。
お姉様とショー様はそれを知らない。
(それにしても、ショー様は、どうしてここまで歪んだ性格になってしまったのかしら。もちろん、お姉様も謎だけど…)
「大丈夫か?」
「……はい。ありがとうございます」
わざとショー様を近付けさせて、彼の言いたい事を言わせ、情報を引き出すのがわたしの役目。
そうだとわかっているから大丈夫なのに、トーリ様は心配して来てくれた。
ショー様の事は知りたくないけれど、ショー様がトーリ様のものにこだわる理由が知りたくて、トーリ様に、聞いてみる事にした。
もちろん、教えてもらえない事を前提で…。
すると、実際は断られず、放課後、わたしはトーリ様から、ショー様との過去を教えてもらえる事になった。
※次話はトーリ視点になります。
お姉様もショー様もまだ、社会経験がない事もあるからか、ずる賢さが足りない。
だから、クボン候爵達の様な考えが出来ないでしょうから、こちらに有利な事は確かだった。
(お姉様もショー様も感情で動いてくれるから、本当に助かっているわ。2人がその事に気付くまでに2人の婚約を解消できないものにしなければならない)
カフェで話す内容ではない重い話をしばらく続けた後は、トーリ様は気を遣ってくれたのか、話題を変えて明るい話をしてくれた。
次の日の朝、ショー様が昨日の事などなかったかの様に笑顔で挨拶をしてくれたのはいいものの、わたしにとっては、予想はしていたけれど、嫌な知らせを聞かせてくれた。
「君のお姉さんが僕の家に来たいと言っているみたいなんだ」
「……そうなんですね。ノーマン伯爵家はなんと…?」
「こちら側が良いなら良いって。だから、近い内に来てもらう事になると思うよ。ただ、ややこしいよね。そうなると、君は未来の義理のお姉さんなのか、義理の妹なのかどっちなんだろう」
「どちらでもお好きな様に」
わたしにしてみれば、そんな事はどうでも良いので答えると、ショー様は満面の笑みを浮かべ、席に座っているわたしの横に立ち、身をかがめて言う。
「君のお姉さんには地獄を味あわせてあげるよ。何をされたかはお姉さんから聞けばいい。君もいつかは同じ目に合うんだから、心づもりをしておいた方が良いだろ?」
「結構です。それに、わたしは姉と話すつもりはありませんから」
「否が応でも話さないといけなくなるよ。僕がそうさせるから」
ショー様はびくりと体を震わせたわたしを見て、本当に満足そうな顔になってから、自分の席に戻っていく。
何にしても、ここまでは計画通りに進んでいる。
お姉様がブロット公爵家に行きたいと言い出した事に対し、すんなり、ノーマン伯爵がそれを認めたのは、ブロット公爵家が先に許可を出していたから。
お姉様とショー様はそれを知らない。
(それにしても、ショー様は、どうしてここまで歪んだ性格になってしまったのかしら。もちろん、お姉様も謎だけど…)
「大丈夫か?」
「……はい。ありがとうございます」
わざとショー様を近付けさせて、彼の言いたい事を言わせ、情報を引き出すのがわたしの役目。
そうだとわかっているから大丈夫なのに、トーリ様は心配して来てくれた。
ショー様の事は知りたくないけれど、ショー様がトーリ様のものにこだわる理由が知りたくて、トーリ様に、聞いてみる事にした。
もちろん、教えてもらえない事を前提で…。
すると、実際は断られず、放課後、わたしはトーリ様から、ショー様との過去を教えてもらえる事になった。
※次話はトーリ視点になります。
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