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12 クレイのお友達?
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※ チャラ男系、セクハラ発言、下ネタ系が、たとえ冗談でも苦手な方はお控え下さい。 読まれた後のキャラへの誹謗中傷に関しましてもお控え願います。(話の展開に必要なキャラクターです)
まずは、突然の来訪の無礼を謝られ、結婚への祝いの言葉を述べられたあと、クレイが紹介してくれた、お医者様は頭を下げられます。
「はじめまして、バーキン・サルケスと申します。第2王女殿下にお会いできて光栄です」
「押しかけて来といてよく言う」
「クレイ殿下、もちろん僕はあなたにも久しぶりに会えて嬉しいですよ」
ローテーブルをはさんで向かいに座ったサルケス様は仏頂面のクレイに笑顔で言いました。
サルケス様は金色の長い髪をくくらずにおろしたままにされておられ、前髪は横に分けて額を出しておられます。
女性のような顔立ちをしておられますが、体格はクレイと似た感じで、背は高く細身です。
甘いフェイスといった感じですので、さぞかし、年上女性にモテるのではないかしら?
そういえば、ポピー様はおいくつなのでしょう。
それに、ポピー様の好きな男性は言葉使いが悪いとお聞きしてましたが、今のところそんな感じはしません。
なんて思っていたら。
「いやあ、可愛い! クレイにはもったいない!」
「やめろ、こいつは真っ白なんだ。お前みたいな汚物が近付くな」
整った顔がいきなり緩んだかと思うと、身を乗り出して私の方に手を伸ばしてきたため、クレイがサルケス様の手を叩きました。
「汚物とか言わなくてもいいだろ。まだ、あの事、根に持ってんのか?」
「うるさい!」
「あの…、クレイ、あなたとサルケス様はどういう関係なんです?」
手を挙げて聞くと、クレイより先にサルケス様が答えてくれます。
「僕とクレイは同級生で、学生時代は僕は首席で、こいつは万年2位でした」
「うるせえな」
「2位でもすごいです!」
パチパチと手を叩くと、クレイが照れてしまったのか、私から顔を背けて言います。
「すごくねぇよ。こいつには負けっぱなしなんだ」
「そうそう。負け犬なんです」
サルケス様がケタケタと笑いながらクレイを指差します。
勉強などは家庭教師に教えられたため、学校に行った事のない私ですが、2位がすごい事くらいわかります。
なので、クレイの代わりに私が反論します。
「クレイは負け犬なんかじゃありません! 私にとっては勝ち犬です!」
「勝ち犬ってなんだ。というか、どっちにしても犬かよ」
クレイにツッコまれてしまいました。
「クレイが負け犬と言われたので腹が立ちます!」
「うわぁ、面と向かって、はっきり言いますね」
サルケス様は楽しそうに笑ったあと、慌てて聞いてこられます。
「あ、一応、公爵家の次男なんですが、家を出まして伯爵の爵位を持っています。やはり、旦那様の親友と言えど、リサ殿下に対して、くだけた口調はやめた方がよろしいでしょうか」
「クレイのお友達ですから許しますが、人前ではお止めください」
「いいなぁ、クレイ。愛されちゃってるなぁ」
サルケス様はデレデレした顔で言ったあと、真剣な表情になって私の方を見て言います。
「あの、お願いしてもいいかな」
「何でしょう?」
「プライベートなお願いなんだけど」
「…なんです?」
「リサ、聞かなくていい!」
小首を傾げて聞き返した私の両耳をクレイがおさえた時でした。
「胸、揉ませてくれないかな!?」
…はい?
胸?
揉む?
「そんな事させるかぁ!」
思考停止していた私の代わりに、クレイが私の耳をおさえるのを止めて、サルケス様を蹴り飛ばしたのでした。
ポピー様はもしかして、こういう軽いノリの人がお好きなのでしょうか?
クレイとは正反対な感じが…。
「悪かったよ、冗談じゃないか。そんなに怒らなくてもいいだろ」
クレイに蹴られた上に、殴られたサルケス様は、ごほんと咳払いをした後、言葉を続けます。
「ほら、あれだ。何か話をしたい事があるって言ってただろ? 何の話だ?」
私とクレイは思わず顔を見合わせました。
たとえ冗談であっても、胸を揉ませてくれと言われた相手に、今から胸元を見せるのかと思うと…。
「リサ、見せなくていい」
「いや見せましょう」
「リサに言ってんだよ」
私に話しかけてきたクレイの言葉に対してサルケス様が答えるのでクレイは一睨みしたあと、サルケス様に向かって言います。
「他言するなよ。家族だろうがなんだろうが、誰かに話をしたら、お前を容赦なく殺すからな」
「誰かに話をした後に僕を殺しても意味なくね?」
「お前から話を聞いた相手に自分が他の人間に話したらこうなるんだと教えてやれるじゃねぇか」
「というか、クレイ、僕を殺したいだけじゃね?」
「それもある」
「あるのかよ!」
素直に頷いたクレイにサルケス様はツッコミを入れた後、私に向き直られます。
「ちょっと話がズレたけど、秘密は守ります。なんなら書状を用意してくれれば血判しても良いですよ」
「クレイ…」
信じても良いのかと名を呼んでから彼を見ると、クレイは無言ですが頷いてくれました。
「では、お話します。私の国の国王もしくは女王になる者には、国花が胸元に浮き出るという話はご存知でしょうか?」
「知ってます。授業でも習いましたよ。って、もしかして?」
「はい。私の胸元に出ました。ですが、諸事情により大々的には明かせません。ですから」
「病気になった時などに僕が診たら良い、ってわけですか」
真面目モードなのか、サルケス様は軽い口調ではありますが、敬語を混じらせて言葉を続けます。
「承知しました。ということは、僕をここで雇っていただけるという事で?」
「もちろんです」
「では、報酬の件ですが」
真剣な顔でサルケス様は言われます。
法外な金額でしたらどうしましょう。
少しはまけていただけるでしょうか。
「衣食住の確保と、毎日、胸を揉ませていただくという事で」
「そんな事させるかって言ってんだろうがぁ!! 調子にのんな!!」
クレイが叫び、サルケス様をボコボコにしてくださいました。
まずは、突然の来訪の無礼を謝られ、結婚への祝いの言葉を述べられたあと、クレイが紹介してくれた、お医者様は頭を下げられます。
「はじめまして、バーキン・サルケスと申します。第2王女殿下にお会いできて光栄です」
「押しかけて来といてよく言う」
「クレイ殿下、もちろん僕はあなたにも久しぶりに会えて嬉しいですよ」
ローテーブルをはさんで向かいに座ったサルケス様は仏頂面のクレイに笑顔で言いました。
サルケス様は金色の長い髪をくくらずにおろしたままにされておられ、前髪は横に分けて額を出しておられます。
女性のような顔立ちをしておられますが、体格はクレイと似た感じで、背は高く細身です。
甘いフェイスといった感じですので、さぞかし、年上女性にモテるのではないかしら?
そういえば、ポピー様はおいくつなのでしょう。
それに、ポピー様の好きな男性は言葉使いが悪いとお聞きしてましたが、今のところそんな感じはしません。
なんて思っていたら。
「いやあ、可愛い! クレイにはもったいない!」
「やめろ、こいつは真っ白なんだ。お前みたいな汚物が近付くな」
整った顔がいきなり緩んだかと思うと、身を乗り出して私の方に手を伸ばしてきたため、クレイがサルケス様の手を叩きました。
「汚物とか言わなくてもいいだろ。まだ、あの事、根に持ってんのか?」
「うるさい!」
「あの…、クレイ、あなたとサルケス様はどういう関係なんです?」
手を挙げて聞くと、クレイより先にサルケス様が答えてくれます。
「僕とクレイは同級生で、学生時代は僕は首席で、こいつは万年2位でした」
「うるせえな」
「2位でもすごいです!」
パチパチと手を叩くと、クレイが照れてしまったのか、私から顔を背けて言います。
「すごくねぇよ。こいつには負けっぱなしなんだ」
「そうそう。負け犬なんです」
サルケス様がケタケタと笑いながらクレイを指差します。
勉強などは家庭教師に教えられたため、学校に行った事のない私ですが、2位がすごい事くらいわかります。
なので、クレイの代わりに私が反論します。
「クレイは負け犬なんかじゃありません! 私にとっては勝ち犬です!」
「勝ち犬ってなんだ。というか、どっちにしても犬かよ」
クレイにツッコまれてしまいました。
「クレイが負け犬と言われたので腹が立ちます!」
「うわぁ、面と向かって、はっきり言いますね」
サルケス様は楽しそうに笑ったあと、慌てて聞いてこられます。
「あ、一応、公爵家の次男なんですが、家を出まして伯爵の爵位を持っています。やはり、旦那様の親友と言えど、リサ殿下に対して、くだけた口調はやめた方がよろしいでしょうか」
「クレイのお友達ですから許しますが、人前ではお止めください」
「いいなぁ、クレイ。愛されちゃってるなぁ」
サルケス様はデレデレした顔で言ったあと、真剣な表情になって私の方を見て言います。
「あの、お願いしてもいいかな」
「何でしょう?」
「プライベートなお願いなんだけど」
「…なんです?」
「リサ、聞かなくていい!」
小首を傾げて聞き返した私の両耳をクレイがおさえた時でした。
「胸、揉ませてくれないかな!?」
…はい?
胸?
揉む?
「そんな事させるかぁ!」
思考停止していた私の代わりに、クレイが私の耳をおさえるのを止めて、サルケス様を蹴り飛ばしたのでした。
ポピー様はもしかして、こういう軽いノリの人がお好きなのでしょうか?
クレイとは正反対な感じが…。
「悪かったよ、冗談じゃないか。そんなに怒らなくてもいいだろ」
クレイに蹴られた上に、殴られたサルケス様は、ごほんと咳払いをした後、言葉を続けます。
「ほら、あれだ。何か話をしたい事があるって言ってただろ? 何の話だ?」
私とクレイは思わず顔を見合わせました。
たとえ冗談であっても、胸を揉ませてくれと言われた相手に、今から胸元を見せるのかと思うと…。
「リサ、見せなくていい」
「いや見せましょう」
「リサに言ってんだよ」
私に話しかけてきたクレイの言葉に対してサルケス様が答えるのでクレイは一睨みしたあと、サルケス様に向かって言います。
「他言するなよ。家族だろうがなんだろうが、誰かに話をしたら、お前を容赦なく殺すからな」
「誰かに話をした後に僕を殺しても意味なくね?」
「お前から話を聞いた相手に自分が他の人間に話したらこうなるんだと教えてやれるじゃねぇか」
「というか、クレイ、僕を殺したいだけじゃね?」
「それもある」
「あるのかよ!」
素直に頷いたクレイにサルケス様はツッコミを入れた後、私に向き直られます。
「ちょっと話がズレたけど、秘密は守ります。なんなら書状を用意してくれれば血判しても良いですよ」
「クレイ…」
信じても良いのかと名を呼んでから彼を見ると、クレイは無言ですが頷いてくれました。
「では、お話します。私の国の国王もしくは女王になる者には、国花が胸元に浮き出るという話はご存知でしょうか?」
「知ってます。授業でも習いましたよ。って、もしかして?」
「はい。私の胸元に出ました。ですが、諸事情により大々的には明かせません。ですから」
「病気になった時などに僕が診たら良い、ってわけですか」
真面目モードなのか、サルケス様は軽い口調ではありますが、敬語を混じらせて言葉を続けます。
「承知しました。ということは、僕をここで雇っていただけるという事で?」
「もちろんです」
「では、報酬の件ですが」
真剣な顔でサルケス様は言われます。
法外な金額でしたらどうしましょう。
少しはまけていただけるでしょうか。
「衣食住の確保と、毎日、胸を揉ませていただくという事で」
「そんな事させるかって言ってんだろうがぁ!! 調子にのんな!!」
クレイが叫び、サルケス様をボコボコにしてくださいました。
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