私には関係ありませんので、どうぞお好きになさって?

風見ゆうみ

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最終話 詳しい話を聞かせてくれないかしら

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 私がショーマ様の息子さんを踏みつけたことにより、彼は白目を剥き泡を吹いて意識を失った。
 ジェドたち男性陣が「死んでるんじゃないか」と焦り始めたので、さすがの私も焦った。
 罪を償ってもらわないといけないのに、今、死なれては困る。
 お医者様に診てもらったところ、私は息子さんだけではなく、二人いる片方のお友達のほうもヒールで踏んでいたらしかった。
 足の裏で息子さんを、ヒールで息子さんの友達を攻撃してしまうという二重攻撃をしてしまっていた。

「死にはしませんわよね?」
「お亡くなりになることはないと思います。ただ、かなりの痛みだったかと思われます」

 お医者様の話を聞いたジェドとセナ様が眉間に深い皺を作った。

 男性にしかわからない痛みといった感じかしら。
 だけど、女性にしかわからない痛みもあることだし、それはそれということにしましょう。

「とにかく、下手に暴れられたりしたら迷惑ですから、縛り付けておくことをおすすめしますわ」

 近くにいたセンマ様にそう伝えてから、私たちはショーマ様の部屋を出た。



*****




 それから数日後、私たちはクプテン国からイエラ王国に帰国した。
 なぜ、数日かかったかというと、私とセナ様以外の婚約者たちや、ショーマ様たちのことがあったからだ。

 セナ様とアーティア様は、また会う約束をして、次の日に帰っていった。
 その後はハーミー様たちが帰っていくのを見送った。
 今回、関わることのなかった令嬢は、知らない内に帰っており、最後まで顔を合わせることはなかった。
 レミー様については、イエラ王国の両陛下には出来事伝えており、彼女のご両親にも連絡がいっていた。

 レミー様は帰国後、両親である両陛下と兄の王太子殿下から、私たちにした発言の真偽を問われて、あっさりそれを肯定した。
 その結果、このまま彼女を公の場に出すわけにはいかないという話になり、レミー様は礼節に厳しいことで有名な辺境伯の家に嫁に出されたのだそう。

 厳しいお姑さんに、レミー様は毎日怒られて泣いているとのことだった。

 ショーマ様は私の攻撃から、何とか立ち直りはしたけれど、やってはいけないことをしたのだから、伯爵の爵位の話は無しになった。

 私たちが帰る時は、ショーマ様の処罰に関してはセナ様の国のシリャール国からの連絡待ちだった。

 私たちが帰国した数日後に、センマ様から連絡が来て、ショーマ様の処罰が決まったと教えてくれた。

 ショーマ様は今まで虐げていた国全てに謝罪にまわることが決まった。
 しかも、全て徒歩でまわらなければならない。
 一生かかっても無理な距離だった。
 しかも、彼が逃げられないように、足枷や手枷だけでなく見張りもつけられ、肉食獣が出る山道でも、彼は丸腰でいなければならなかった。

 イータ様はショーマ様に見捨てられたにも関わらず、思い続けることに決めたらしく、彼女は修道院に送られ、彼の帰りを待つことになったそうだ。

 ただ、ショーマ様が帰って来る確率はほぼない。
 武装をしていても多くの人が命を落としている山道に徒歩で行って、無事に帰ってこれるとは思えない。

 イータ様に対する罰は、自分を迎えに来てくれない愛する人を待って、最終的には絶望する日々になりそうだ。

 センマ様の新国王としての就任は国民だけでなく、他国からも歓迎され、現在は休む暇もないくらい忙しくされているらしい。

 そして、私はとても暇だった。
 
「退屈そうな顔してるな」

 今日はジェドと一緒に王城内で働いている人しか利用することのできないカフェに来ていた。
 働いている人専用と言いつつも、同伴者は身分が証明できれば入ることはできる。

「退屈だもの」

 仕事をすることは嫌いじゃない。
 でも、今までのような刺激がないのは退屈だわ。

「母上と父上がレイティアに会いたいと言ってた。それから、俺もレイティアの挨拶に会いに行きたいんだけど」
「まあ、そうなのね! 手土産は何がいいかしら?」

 ジェドと一緒にいるのに、退屈そうな顔をしているなんて失礼よね。
 そう思って尋ねた時だった。

 少し離れたテーブルのほうから鼻をすする音が聞こえてきた。

 店内には人があまりおらず、鼻をすすっている相手が誰だかすぐにわかった。

 すぐ近くのテーブルに座っている若い女性は向かい側に座る、同じく若い女性に訴えている。

「やめてほしいって言ったら暴力をふるわれるの。別れたいと言ったら監禁されそうになったの。……別れたい。でも、別れられないの」
「あなたの婚約者って、次男とはいえ公爵令息だものね」
「……ええ。別れたいって言ったら……、社交界で生きていけると思うなよって……」

 そこまで聞いた私は、思わず立ち上がる。

「おい、レイティア」

 止めてくるジェドに笑顔を向けると、諦めたような表情に変わった。

 ジェドが認めてくれたと判断して、私は泣いている女性に話し掛ける。

「盗み聞きをしてしまったみたいでごめんなさいね。でも、聞いてしまった以上は知らないフリをしていられないわ。良かったら詳しい話を聞かせてくれないかしら」

 どうやら、私は普通の人生を送ることは難しそうだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
少しでも楽しんでいただけていたら嬉しいです!
お気に入り登録、しおり、エール、感想も励みになりました。
ありがとうございました。

急遽考えた話ですので、ちょっと設定が……、物足りないなどあるかと思いますが、そちらはお許しくださいませ。
ラブコメですから、そこは深く考えずにお願いします。
あと、ざまぁが足りないという報告もお控えください。
一応、続編を考えており、この続きに書くかもしれません。
もし、続きが気になられる方は、お気に入りはそのままにしておいていただければと思います。


※追記
レイティアたちのその後を読みたいと言ってくださる方がいらっしゃいますので、新作のほうにもサブキャラにはなりますが出そうと思います!
その辺につきましては近いうちに番外編を投稿しますので、お待ちいただけますと幸せです。

新作というのが下記になります。

「追放された令嬢は追放先を繁栄させるために奔走する」になります。
男性運は悪いけれど、とても金運の良い、気の強いヒロインでございます。

ご興味ありましたら、読んでいただけますと幸せです。


 最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
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