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44、通算二回目のプロポーズ ~2
しおりを挟むトマスの満面の笑みという恐怖を見せつけられ…更に本人置いてけぼりで国家行事となる、婚約発表と婚姻の儀の計画を知り、気合が入るどころか微妙に落ち込んだ俺は、執務室を出て自室に戻った。
前世の日本であれば、行儀が悪いと言われつつも、ゴロっと寝転がってしまいたい気持ちなのだが……今のこの世界では色々と制約が多い。
「あぁ…畳が欲しいかも……」
有事の際にすぐに馬に乗れるように、通常の生活では編み上げのブーツを履いているので、毎度毎度靴の脱ぎ履きとなると難しいのだけれど、仕事が終わった後…自室で寛ぐ時は畳があってもいいかも知れない……とは思うけれど、材料は似たような植物を探し出せたとしても畳の作り方などは知らない自分にがっかりしつつ、ブーツを脱ぎ捨てベッドに寝転がる。
「なんかの魔法陣を組み込めば良いのか?いや…ミレーユの魔力によっては魔法陣が発動しないか……」
前世からすると考えられない、メルヘンな天蓋を見つつ悩む。
魔力増強の魔法陣を組み込むことを前提にして、あと一つ…今後ミレーユに必要になるであろう魔法を考える。
「転移は……城と店舗しかできないんだったか……場所の書き換えが出来る転移の魔法陣と…魔力増強……か。あとは近々次長を呼び出して相談するか」
思い立ったが吉日なので、早速指輪の中央の真っ青な大きい魔石に転移の魔法陣を…中央の石の両サイドに付いている、ダイヤモンドのような色形の小さな石に魔力増強の魔法陣を組み込む。
明日はちょうどミレーユが登城する日だ。
夕餉の晩餐に誘い、指輪を渡そう。
プロポーズも色々考えたけれど、色々と邪魔も入る事を考慮して、成り行きに任せることにした。
……成るように成れである。
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