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45、通算二回目のプロポーズ~3

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晩餐の時に明日の事をトマスに話し、明日の晩餐の手配やミレーユへの誘いの手紙も届けてもらうように手配をさせる。『ようやくですね…』とボソッと呟かれたのは聞かないふりをした。


「はぁ…なんだか食事をした気にならなかった」


自室に戻り、寝酒と称してアルコールを持ち込む。
ちなみに…いつもはアルコールはトマスによって禁止されている。
トマス曰く…俺が酔うと、平時でもない威厳がアルコールが入ると更に威厳が無くなる
……というのは、俺が憶えていないから『』なのだ。
辛うじて暴れたり横暴になったりはしないらしいので安心なのだけれど……。
とりあえず明日……明日だ。



●○●○



「殿下…本日はお招きありがとうございます」


さすが元第一王子の婚約者…将来の王妃としての教育はきっちり受けていた事もあり、礼儀作法等々は何も問題がなかった。


トマスに合図を送り料理を運ばせる。
あとの事を考えるとドキドキしすぎて味がしない。
前世でのプロポーズの時もこんな感じだったのを思い出す。
自虐だけど……ヘタレだな…俺。


そう思いながらも食事は進み、残すはデザートのみとなった時思い切って切り出した。


「このあと、先頃手入れが終わったという庭園に散歩に行かないか?俺が出したアイディアもあってな…もし良かったらどうかと思って」


食後のお茶に手を伸ばしたミレーユに言うと、すんなりと了承の返事が返って来てホッとする。
一ヶ月前に庭園の東屋の改修をするというので、俺も案を出して、夜会などの時にも庭園を散歩できるように、少しの魔力充填でほのかな明かりを灯す電灯のような魔道具を設置した。


魔道具を開発したのは、トマスが統括するこの国の暗部の者……前世の記憶がある者だ。
前世の仕事は電化製品の開発をしていたらしい……といっても、回路などの電化製品の心臓部の開発をやっていたわけではないので、色々と試行錯誤してここまで漕ぎ着けたらしい。
国内外を探せば前世の知識を持っている人物はまだまだいて、こういった技術も進めれば進められる…とは思うのだろうと思う。けれど、急激な技術進歩は弊害を生む……と、どこかで聞いた気がするのでこのくらいでいいのだと思っている。多少不便な今の生活も悪くはないと思っているので、今後も技術は小出しに少しずつが良い。


「これは……電気…ではないのですか?」


雰囲気を壊さないよう、かといって足元が暗くならないよう高さと明るさを調整した魔力灯を指す。トマスに聞いたところ、ミレーユは前世の記憶を鮮明に思い出すということはなかったらしい。
見立てでは、今後これ以上はっきりと思い出すことはないだろうとの事。
突発的にひらめきのような感じで思い出すことはあっても、長期的な記憶を思い出すことはないだろうと…そして、俺の事も……。


「ミレーユ…俺との前世のことはあまり覚えていないのだろ?」

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