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第1章 風の大陸編
第6話 月影の森と村の襲撃
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森の中で見かけた獣人に話をするため、俺とディルはその姿を追いかけ出した。
その面影は大きな体格はもちろん、そびえ立つ耳とふさふさの尻尾ですぐさまに狼だと分かった。
「なぁディル、あいつって」
「ああ、あれは狼族だ」
俺たちは森の中を走って追いかける。凸凹な地面だが問題なく駆け抜けて行く。体は前世に比べてまるで嘘のように軽い。
「スッゲ!まるで風になったみたい!」
「調子に乗って木にぶつかるなよ。」
「そんなヘマしないって。待て!…はぁ…はぁ…やっと追いついた。」
鋭くなった動体視力で走る方向を予測して、身体能力が上なはずの狼の獣人を出し抜いて、前に回り込む。
「ガルルル…お前ら、俺になんのようだ!ここはお前みたいな人間が来ていい場所じゃない!」
「ん?…お前ら?」
「うあ、なんかめっちゃ警戒されている。俺たちに敵意はないから落ち着いてくれ。ただここがどこなのか聞きたいだけだ。」
狼の獣人は警戒な体制を解かずに、まだ少し牙を剥き出した状態で俺たちに唸る。
その狼は筋骨隆々でいい筋肉が身体中についていて魅力的な体格をしている。腕や脚の筋肉は太くて実にエロい。
頭から背中と脚まで青色の毛で覆われていて、胸と腹、そして手から肘までが白い毛色だ。なぜ腹の毛色がわかるかと言うと、その狼は上半身の防具は胸と肩だけを守っていて、お腹の腹筋は丸出しした上に、下半身の装備は赤いブリーフのみ。いいもっこりがずっしりとした重量を伝えてくる、そして体の色といい配色で余計目立つ。目の色は少し茶色のようだ。
「……お前たち、迷子か?ここはディストフォーレスト。通称、月影の森だ。この森は月光のない新月の日じゃないと入れない。普段は光が少しでもあると魔素の霧が発生して方法感覚を狂わせる、今日は新月じゃないのになんで入って…ってよく見りゃお前子供じゃないか。親とはぐれたのか?」
「え?俺はこう見えても一応成人しているぞ、21歳だ。」
「リュウト、お前のこの姿じゃ誰が見ても子供にしか見えねぇぞ。」
そう。よくよく考えたら今の俺はオスガキ状態の姿、この世界の人にとって150cmしかない人間なんて子供に等しいだろう。だが、こんな姿でも俺は立派な大人だ。文句を言おうとしたのだけど、俺の反論も虚しく、ディルのツッコミが入る。
「え!?本気!?お前、飯ちゃんと食っているか?筋肉は結構いい感じに育っているけど、身長も伸びないとダメだぞ。」
「んあああ!俺は好きでこの姿になってるんだ!同情な目で見るな!ちゃんとでかく変われるから!」
「え?それってどうゆう…」
ゴゴゴゴゴゴ、ドッカン!!!
「!?なんだ、今の音。」
「今の音の方向って…!」
何かを悟ったかのように、狼の獣人は突然走り出した。
「あっ、おい!待て!」
すぐさま俺たちも彼を追いかける。体型や種族の差を他所に、俺たちは問題なく追いつけた。
「なんだったんだ、今の。それにいきなり走り出して。」
「!さっきもそうだけど、こんな足場でよく俺に追いつくな。子供じゃないってことは本当だったんだ。」
「まだそれかよ!いいからどうなってるんのか教えてくれ、何か手助けできるかもしれないだろ。」
「………」
狼は何かを考え出したようだけど、すぐにまた口を開いた。
「実は、さっきの轟音の方向に俺の村があるのだ。俺は森の見回りで偶然お前たちを見つけた。だからすぐ戻って村に知らせようと思ったけど、追いつかれてたというわけだ。」
「そうゆうことか。なら、急いだ方がいいな。なんだか嫌な予感がする。」
「ああ」
そういい、俺たち二人は森の中を駆けて抜けて、俺のとなりにはディルが問題なくついている。
そして、森の中で広い空間のような場所を出ると、そこには…
「なんだよ…これ。なんでこんなところにゴーレムが…」
透き通った巨体を持つ石像が村を襲っていた。
ある者は子供たちを避難させていて、ある者はゴーレムと闘っていた。しかし、成人している狼獣人は見渡す限り白髭を生やしている年配者ばかり、若い者もいるのだが年配の者の4分の一にも満たない。この数ではあの巨体なゴーレムに勝つのは難しいだろう。
「ぼっとしている場合か!俺はおっちゃんたちに加勢する。お前は子供たちの避難を!」
「おい!ちょっ!」
返事も聞かずに俺は飛び出した。
ゴーレムがパンチを繰り出し、狼獣人のおっちゃんに当たりそうな時、俺はドロップキックをかまして軌道を変えさせる。
「おっちゃん方、加勢するぜ。」
「お主、人間か!しかも子供ではないか!ばかなことを言わずに早く避難せんか!」
「ああもう!またこのくだりかよ!大丈夫だって。後は俺がやるから、おっちゃんたちは子供たちの避難を!こっちだ、デカブツ!」
村にこれ以上の被害が出ないために、俺はゴーレムの注意を引き付けて村の反対方向に誘導させる。
このゴーレムざっと見ても400cmは下らないだろう。しかも、なぜか姿は腰布一枚のマッチョひげおっさん。
「いい体だけど、流石に石相手に興奮しない、ぞ!」
バランスを崩させるつもりで足を攻撃するのだが…
「っく!イッタ!なんだこいつ、硬った!【痛覚耐性】がなかったら悲鳴をあげてたぞ。」
攻撃はまるで効いていない。
「こいつはクリスタルゴーレムだ。」
「ディル!」
「いきなり厄介なもんに出会ちまった。早く【鑑定】を使え!」
「あ!そうか!【鑑定】!」
《クリスタルゴーレム》
命令を実行するために人工的に作られたゴーレム。
魔水晶が体を構築して、硬さはミスリル級。
弱点であるコアを破壊すれば崩れるが、そのコアを全身が守っているため倒すのは至難の技。
「人工に作られゴーレム!?」
「ああ。胸の中にあるあの血の色のような赤いコアが見えるだろ。普段の魔物のコアはその魔物の特性で色が変わるのだが、人工的に作られたコアはあのような色になるんだ。火のコアでも輝く赤オレンジ色をしているんだ。あんな血のような色をしない。」
確かに、ゴーレムの胸の中にはまるで血の色のよう球体がある。大きさはサッカーボールぐらいの大きさだろう。青く輝く透明なゴーレムのなかにこんな物があると少しデザインミスかと思わせるが、今はそれどころではない。
「てことは黒幕がいるってことか。今すぐ捕まえて洗いざらい吐かせたいだが、今はこのデカブツが優先だ。おおおりゃああ!!」
俺はゴーレムの胸元に飛び込むが、戦闘経験が浅いリュウトは横からくるゴーレムの腕に気づかず、吹き飛ばされてしまった。
「なっ!うああああ!!」
そのまま俺は大きな岩にぶっ飛ばされて、岩に直撃した。
「ってて、くっ…いきなりかよ。」
「リュウト危ない!」
「!!」
ディルの叫びと共に見上げると、ゴーレムは俺に目かけてパンチを繰り出そうとしている。このまま直撃すげばいくらチート持ちの俺も怪我ではすまない。
万事休すか
その面影は大きな体格はもちろん、そびえ立つ耳とふさふさの尻尾ですぐさまに狼だと分かった。
「なぁディル、あいつって」
「ああ、あれは狼族だ」
俺たちは森の中を走って追いかける。凸凹な地面だが問題なく駆け抜けて行く。体は前世に比べてまるで嘘のように軽い。
「スッゲ!まるで風になったみたい!」
「調子に乗って木にぶつかるなよ。」
「そんなヘマしないって。待て!…はぁ…はぁ…やっと追いついた。」
鋭くなった動体視力で走る方向を予測して、身体能力が上なはずの狼の獣人を出し抜いて、前に回り込む。
「ガルルル…お前ら、俺になんのようだ!ここはお前みたいな人間が来ていい場所じゃない!」
「ん?…お前ら?」
「うあ、なんかめっちゃ警戒されている。俺たちに敵意はないから落ち着いてくれ。ただここがどこなのか聞きたいだけだ。」
狼の獣人は警戒な体制を解かずに、まだ少し牙を剥き出した状態で俺たちに唸る。
その狼は筋骨隆々でいい筋肉が身体中についていて魅力的な体格をしている。腕や脚の筋肉は太くて実にエロい。
頭から背中と脚まで青色の毛で覆われていて、胸と腹、そして手から肘までが白い毛色だ。なぜ腹の毛色がわかるかと言うと、その狼は上半身の防具は胸と肩だけを守っていて、お腹の腹筋は丸出しした上に、下半身の装備は赤いブリーフのみ。いいもっこりがずっしりとした重量を伝えてくる、そして体の色といい配色で余計目立つ。目の色は少し茶色のようだ。
「……お前たち、迷子か?ここはディストフォーレスト。通称、月影の森だ。この森は月光のない新月の日じゃないと入れない。普段は光が少しでもあると魔素の霧が発生して方法感覚を狂わせる、今日は新月じゃないのになんで入って…ってよく見りゃお前子供じゃないか。親とはぐれたのか?」
「え?俺はこう見えても一応成人しているぞ、21歳だ。」
「リュウト、お前のこの姿じゃ誰が見ても子供にしか見えねぇぞ。」
そう。よくよく考えたら今の俺はオスガキ状態の姿、この世界の人にとって150cmしかない人間なんて子供に等しいだろう。だが、こんな姿でも俺は立派な大人だ。文句を言おうとしたのだけど、俺の反論も虚しく、ディルのツッコミが入る。
「え!?本気!?お前、飯ちゃんと食っているか?筋肉は結構いい感じに育っているけど、身長も伸びないとダメだぞ。」
「んあああ!俺は好きでこの姿になってるんだ!同情な目で見るな!ちゃんとでかく変われるから!」
「え?それってどうゆう…」
ゴゴゴゴゴゴ、ドッカン!!!
「!?なんだ、今の音。」
「今の音の方向って…!」
何かを悟ったかのように、狼の獣人は突然走り出した。
「あっ、おい!待て!」
すぐさま俺たちも彼を追いかける。体型や種族の差を他所に、俺たちは問題なく追いつけた。
「なんだったんだ、今の。それにいきなり走り出して。」
「!さっきもそうだけど、こんな足場でよく俺に追いつくな。子供じゃないってことは本当だったんだ。」
「まだそれかよ!いいからどうなってるんのか教えてくれ、何か手助けできるかもしれないだろ。」
「………」
狼は何かを考え出したようだけど、すぐにまた口を開いた。
「実は、さっきの轟音の方向に俺の村があるのだ。俺は森の見回りで偶然お前たちを見つけた。だからすぐ戻って村に知らせようと思ったけど、追いつかれてたというわけだ。」
「そうゆうことか。なら、急いだ方がいいな。なんだか嫌な予感がする。」
「ああ」
そういい、俺たち二人は森の中を駆けて抜けて、俺のとなりにはディルが問題なくついている。
そして、森の中で広い空間のような場所を出ると、そこには…
「なんだよ…これ。なんでこんなところにゴーレムが…」
透き通った巨体を持つ石像が村を襲っていた。
ある者は子供たちを避難させていて、ある者はゴーレムと闘っていた。しかし、成人している狼獣人は見渡す限り白髭を生やしている年配者ばかり、若い者もいるのだが年配の者の4分の一にも満たない。この数ではあの巨体なゴーレムに勝つのは難しいだろう。
「ぼっとしている場合か!俺はおっちゃんたちに加勢する。お前は子供たちの避難を!」
「おい!ちょっ!」
返事も聞かずに俺は飛び出した。
ゴーレムがパンチを繰り出し、狼獣人のおっちゃんに当たりそうな時、俺はドロップキックをかまして軌道を変えさせる。
「おっちゃん方、加勢するぜ。」
「お主、人間か!しかも子供ではないか!ばかなことを言わずに早く避難せんか!」
「ああもう!またこのくだりかよ!大丈夫だって。後は俺がやるから、おっちゃんたちは子供たちの避難を!こっちだ、デカブツ!」
村にこれ以上の被害が出ないために、俺はゴーレムの注意を引き付けて村の反対方向に誘導させる。
このゴーレムざっと見ても400cmは下らないだろう。しかも、なぜか姿は腰布一枚のマッチョひげおっさん。
「いい体だけど、流石に石相手に興奮しない、ぞ!」
バランスを崩させるつもりで足を攻撃するのだが…
「っく!イッタ!なんだこいつ、硬った!【痛覚耐性】がなかったら悲鳴をあげてたぞ。」
攻撃はまるで効いていない。
「こいつはクリスタルゴーレムだ。」
「ディル!」
「いきなり厄介なもんに出会ちまった。早く【鑑定】を使え!」
「あ!そうか!【鑑定】!」
《クリスタルゴーレム》
命令を実行するために人工的に作られたゴーレム。
魔水晶が体を構築して、硬さはミスリル級。
弱点であるコアを破壊すれば崩れるが、そのコアを全身が守っているため倒すのは至難の技。
「人工に作られゴーレム!?」
「ああ。胸の中にあるあの血の色のような赤いコアが見えるだろ。普段の魔物のコアはその魔物の特性で色が変わるのだが、人工的に作られたコアはあのような色になるんだ。火のコアでも輝く赤オレンジ色をしているんだ。あんな血のような色をしない。」
確かに、ゴーレムの胸の中にはまるで血の色のよう球体がある。大きさはサッカーボールぐらいの大きさだろう。青く輝く透明なゴーレムのなかにこんな物があると少しデザインミスかと思わせるが、今はそれどころではない。
「てことは黒幕がいるってことか。今すぐ捕まえて洗いざらい吐かせたいだが、今はこのデカブツが優先だ。おおおりゃああ!!」
俺はゴーレムの胸元に飛び込むが、戦闘経験が浅いリュウトは横からくるゴーレムの腕に気づかず、吹き飛ばされてしまった。
「なっ!うああああ!!」
そのまま俺は大きな岩にぶっ飛ばされて、岩に直撃した。
「ってて、くっ…いきなりかよ。」
「リュウト危ない!」
「!!」
ディルの叫びと共に見上げると、ゴーレムは俺に目かけてパンチを繰り出そうとしている。このまま直撃すげばいくらチート持ちの俺も怪我ではすまない。
万事休すか
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