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第二十四章 葉月の揺れ動く気持ち

可愛い 葉月

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葉月に突っ込まれて、つい、嘘をついた。

『「西沢さん、恋人いたんですね」

「恋人?」

「隠さなくてもいいです」

「別に隠してないよ」

「だって、看護師さんが西沢さんは女性と一緒だったって」

「ああ、西沢組管轄のキャバクラのキャバ嬢だろう」

「キャバ嬢?」

「俺も男だからな、キャバ嬢くらい抱くさ」』

葉月と一緒に暮らすようになって、キャバ嬢は抱いてねえ。

女の気持ちがわからねえから、俺の側にずっと寄り添っている女はいねえのかもしれない。

「ゼリー、明日、食べたいです」

「おお、わかった、明日買ってきてやる」

「じゃあ、またな」

「西沢さん、これからキャバ嬢の方に会いにいくんですか」

「ああ」

俺は葉月の反応が知りたくなった。

葉月は俺の手を引き寄せ「行かないで」と呟いた。

おい、こう言う時どうすりゃあいいんだ。

「やだ、私何言ってるんだろう」

「お前の望み通りにする、どうして欲しいか言ってみろ」

葉月はしばらく考えていたが、言葉を発した。

「私の側にいて」

葉月はずっと俺の手を握っていた。

この時の葉月は心が折れそうなくらい、弱っていた。

目の前の俺に捕まっていないと、倒れてしまうほどだった。

葉月はそんな自分の気持ちに気づけなかった。

俺も葉月の気持ちが揺れ動いていると錯覚した。

しかしそれが違っていたことにあとになってから気づいたのだった。

葉月は入院中、ずっと俺に甘えていた。

惚れた女に甘えられることは、気分がいいものだ。

甘えてくる女は可愛い。

そして、葉月の退院の日がやってきた。

そんな矢先、冨樫の気持ちがまだ葉月にあると気づいた由子は葉月を襲わせた。
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