お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない

第二十九章 変わりゆく葉月の気持ち

富樫の溺愛

そこに理玖が口を挟んだ。

「もう、静かにしてよね、ママ、寝てるんだから」

「すまん」

冨樫は理玖に謝った。

安藤も「すみません、坊ちゃん」と頭を下げた。

「後は僕がやるから二人とも帰って」

冨樫と安藤は仕方なくマンションを後にした。

しばらくして、葉月が起きてきた。

「理玖、誰か来たの？」

「うん、冨樫のおじさんと安藤が来てくれたよ」

「えっ、冨樫さん？」

「アイスノンは冨樫のおじさんがやってくれたんだよ」

葉月は胸が熱くなる思いがした。

そんな時、インターホンが鳴った。

理玖はインターホンに応対した。

「はい、誰ですか」

「はじめてお目にかかります、自分は冨樫会長の舎弟で藤間って言います、会長に頼まれて、葉月さんと理玖坊ちゃんにいろいろ持ってきました、開けてもらってもいいですか」

理玖はオートロックを解錠した。

藤間は部屋に入れてもらい、キッチンのテーブルに持ってきたものを広げた。

「坊ちゃん、冷蔵庫にしまってもらっていいですか」

「うん、いいよ」

葉月も部屋から出てきて挨拶をした。