［完結済み］男女比１対９９の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

第四章

第二十九話

　――朝の学校




「ホームルームの途中で突然ですが、これから皆さんと共に歩み、共に高めあっていく新しいメンバーを紹介します。それでは桐生さん、入って来て」




　俺は教室のドアから入ってくる人影に目をやる




　彼女の姿は圧倒的で、華やかな容姿に整った顔立ちと長い黒髪が印象的だった



　綺麗な長髪がなびく度に、そのあまりの美しさに教室の女子たちすらも息を飲んでいた





「皆さん、こちらが今日から新しく転校してきた生徒の桐生 沙織きりゅうさおりさんです」



　担任の美里先生が紹介すると、沙織は優雅な笑みを浮かべながら教室の中を見回した後、美しい声で自己紹介を始める




　その内容自体は至いたって普通だったが、彼女の雰囲気もあって教室にいる全員を魅了していた





　そして沙織は自己紹介が終わると、紹介された自分の席には向かわずに、俺の席の前まで歩いてきた




「あなたが、緒方くん？」



「あ、ああ、そうだけど……俺達、初対面だよな？多分……」




「たとえ初対面でも貴方の事を知らない方がおかしいでしょ……貴方は私の次に特別な人間なんだから」




「……特別？」



　(沙織はもしかして、俺が特異体質だってことを知っているのか……？)





「ふふっ、そんな顔をしなくても、別に心配してるような事は起きないと思うけれど……」



「それで結局、沙織ちゃんは悟に何の用？」



　割り込むように美羽が尋ねると、沙織は微笑みながら答えた




「特に用事があるわけではないけれど、単純に緒方くん自身に興味があってね……ただでさえ男性が少ないこの世界で、男子校に通わずにわざわざ男子生徒が極端に少ない淑女学校に学校に通っている事とか……その身体の事とか」





「あのさ、流石に知りすぎじゃない？……沙織って悟直属の護衛生徒じゃないよね」



　美月が鋭い目つきでけん制するように質問した




「そうだけれど、緒方くんのことなら色々と知っているよ……特に身体に関しては、色々とね……」




　沙織は意味深な言葉とともに、一つだけある空席に向かって行った







　◆◆◆



　――沙織の自室




　沙織の自室にはベッドと机があり、その机の上には悟の写真が飾られている




「んっ……はあっ……///」



　制服を脱ぎ下着姿になった沙織は、悟の写真と見つめ合いながら自慰行為を始めた